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■今からしましょうか?/他サイト恋愛ランキング5位のお礼&お祝いの書き下ろし
今日も沢山沢山しましょうね?
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「ねぇ春凪、食洗機があるんですし、何も手洗いしなくてもいいと思うんですけどね?」
夕食後、せっせと皿洗いを始めた春凪の横、彼女が洗い終えた皿を横に立って布巾で拭いながら、宗親はそう言わずにはいられない。
「だって……今日は洗い物自体そんなに出てないんですもの。食洗機を回すの、何だかもったいないです」
かといって、マメな春凪のこと。使った食器をある程度溜まるまで食洗機の中に留め置いておく、なんてことも出来そうにない。
宗親と違って、基本的に食器はずっと手洗いしてきた春凪だ。
このタワーマンションで宗親と暮らすようになってもう随分月日が経つけれど、未だにハイソな暮らしに馴染め切れていない。
宗親からは、毎日のように『あるものをもっと活用して、家事の手を抜いても良いんですよ?』と言われている春凪だったけれど、素地が貧乏性のためなかなかにハードルが高かった。
料理を作っている最中から、使ったキッチン用品は使わないものからその都度隙間隙間に洗う癖がついているのもあって、料理を作り終えた後に出る鍋なども最小限のものしか残っていない。
宗親も割と卒なく料理や家事をこなす方ではあるけれど、そういう細々とした手際については春凪の方が断然上だ。
いそいそとふわふわの泡で包んだ皿を洗い終えていく春凪を横目に見ながら、宗親は彼女のそう言うところも好きで好きでたまらないと実感して。
「む、宗親さんっ、そんなに見詰められたら……照れくさくて穴があいちゃいそうですっ」
ついつい熱のこもった視線を春凪に送り続けてしまっていたらしい。
宗親の視線から逃れたいみたいに春凪が慌ててそっぽを向くから。
その動きに合わせて家事の邪魔にならないようキュッと白いレースのシュシュで束ねられた春凪の髪の毛が、首元でポインッと揺れた。
恥じらいからだろうか。
耳や顔だけでなく、首筋までほんのり赤く染めた春凪のうなじを、シュシュからこぼれた後れ毛がほろりと伝う。
それを見たら、宗親はどうしようもなくドキドキとさせられてしまった。
(今すぐ春凪を抱きたい――)
そう思ってしまった宗親は、布巾を天板の上に置くと、すぐ横の春凪との距離をおもむろにグッと削った。
春凪が皿を手にしていないのをチラリと横目に確認してから、彼女の細い腰に腕を回して抱きしめる。
「あ、あのっ、宗親さっ……⁉︎」
突然抱き寄せられて、驚いたように身体を硬くした春凪の耳朶に、〝キミを今すぐ抱きたい〟と言う明確な意思を持って舌を這わせたら、思いのほか彼女の耳が熱を持っていて。
それが、さらに宗親の情欲の炎に油を注いだ。
「ねぇ、春凪。今からしましょうか?」
それが何を意味しているか、毎日のように宗親から丁寧に愛されている春凪が分からないはずがない。
「あ、あの、でも、私、まだ……」
そわそわと言い募る春凪のあごに手を添えると、宗親は彼女の唇をそっと塞いだ。
敢えてディープキスにせず、春凪の唇に自分の唇を優しく押し当てるだけのプレッシャーキスを落としながら、春凪の唇の柔らかさを確かめるようにじんわりとお互いの唇が触れ合う感触を確かめ合う。
「――ふ、ぁっ」
それだけで、宗親に日々愛し尽くされ躾けられた春凪が、無意識に唇を薄く開いてもっとして?と言わんばかりにうっとりと深いキスをねだってくる。
宗親は出っぱなしになっていた水道を止めると、そんな春凪をそっと横抱きに抱き上げた。
彼女の手にはもう、洗剤は付いていない。
水分だけなら睦み合っている間に乾くだろう。
「今日も沢山沢山しましょうね?」
春凪の耳元でわざと低音で吹き込めば、春凪がキュッと身体をすくませて「はい」とも「いいえ」とも取れる色っぽい吐息を落とす。
その様に満足気に微笑むと、宗親は逸る気持ちを抑えながら、ゆっくりと寝室へ向かった――。
END(2022/10/16)
夕食後、せっせと皿洗いを始めた春凪の横、彼女が洗い終えた皿を横に立って布巾で拭いながら、宗親はそう言わずにはいられない。
「だって……今日は洗い物自体そんなに出てないんですもの。食洗機を回すの、何だかもったいないです」
かといって、マメな春凪のこと。使った食器をある程度溜まるまで食洗機の中に留め置いておく、なんてことも出来そうにない。
宗親と違って、基本的に食器はずっと手洗いしてきた春凪だ。
このタワーマンションで宗親と暮らすようになってもう随分月日が経つけれど、未だにハイソな暮らしに馴染め切れていない。
宗親からは、毎日のように『あるものをもっと活用して、家事の手を抜いても良いんですよ?』と言われている春凪だったけれど、素地が貧乏性のためなかなかにハードルが高かった。
料理を作っている最中から、使ったキッチン用品は使わないものからその都度隙間隙間に洗う癖がついているのもあって、料理を作り終えた後に出る鍋なども最小限のものしか残っていない。
宗親も割と卒なく料理や家事をこなす方ではあるけれど、そういう細々とした手際については春凪の方が断然上だ。
いそいそとふわふわの泡で包んだ皿を洗い終えていく春凪を横目に見ながら、宗親は彼女のそう言うところも好きで好きでたまらないと実感して。
「む、宗親さんっ、そんなに見詰められたら……照れくさくて穴があいちゃいそうですっ」
ついつい熱のこもった視線を春凪に送り続けてしまっていたらしい。
宗親の視線から逃れたいみたいに春凪が慌ててそっぽを向くから。
その動きに合わせて家事の邪魔にならないようキュッと白いレースのシュシュで束ねられた春凪の髪の毛が、首元でポインッと揺れた。
恥じらいからだろうか。
耳や顔だけでなく、首筋までほんのり赤く染めた春凪のうなじを、シュシュからこぼれた後れ毛がほろりと伝う。
それを見たら、宗親はどうしようもなくドキドキとさせられてしまった。
(今すぐ春凪を抱きたい――)
そう思ってしまった宗親は、布巾を天板の上に置くと、すぐ横の春凪との距離をおもむろにグッと削った。
春凪が皿を手にしていないのをチラリと横目に確認してから、彼女の細い腰に腕を回して抱きしめる。
「あ、あのっ、宗親さっ……⁉︎」
突然抱き寄せられて、驚いたように身体を硬くした春凪の耳朶に、〝キミを今すぐ抱きたい〟と言う明確な意思を持って舌を這わせたら、思いのほか彼女の耳が熱を持っていて。
それが、さらに宗親の情欲の炎に油を注いだ。
「ねぇ、春凪。今からしましょうか?」
それが何を意味しているか、毎日のように宗親から丁寧に愛されている春凪が分からないはずがない。
「あ、あの、でも、私、まだ……」
そわそわと言い募る春凪のあごに手を添えると、宗親は彼女の唇をそっと塞いだ。
敢えてディープキスにせず、春凪の唇に自分の唇を優しく押し当てるだけのプレッシャーキスを落としながら、春凪の唇の柔らかさを確かめるようにじんわりとお互いの唇が触れ合う感触を確かめ合う。
「――ふ、ぁっ」
それだけで、宗親に日々愛し尽くされ躾けられた春凪が、無意識に唇を薄く開いてもっとして?と言わんばかりにうっとりと深いキスをねだってくる。
宗親は出っぱなしになっていた水道を止めると、そんな春凪をそっと横抱きに抱き上げた。
彼女の手にはもう、洗剤は付いていない。
水分だけなら睦み合っている間に乾くだろう。
「今日も沢山沢山しましょうね?」
春凪の耳元でわざと低音で吹き込めば、春凪がキュッと身体をすくませて「はい」とも「いいえ」とも取れる色っぽい吐息を落とす。
その様に満足気に微笑むと、宗親は逸る気持ちを抑えながら、ゆっくりと寝室へ向かった――。
END(2022/10/16)
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