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40.記憶と結びつくもの
私、何か間違えた?
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「お返し?」
フルフルと震える手でリボンの掛かった小箱を差し出す私に、宗親さんが怪訝そうな声を出す。
「はいっ。頂くばかりで私、何もお返し出来ていなかったので――」
再度そう言った私に、宗親さんが小さく吐息を落としたのが分かった。
「宗親、さん……?」
その溜め息にギュッと心臓を握られて、不安が一気に背中を駆け上がる。
私、何か間違えた?
オロオロと不安を隠せないままに宗親さんを見上げたら、「僕はキミに何か返して欲しいなんて思ったことないんだけどな?」と悲しそうな顔をされてしまった。
「えっ。あの、でもっ」
それでも尚も言い募ろうとした私の唇をそっと人差し指の腹で押さえると、宗親さんが言葉を続ける。
「僕がすることで春凪が変に負い目を感じるのは凄く困る。キミを甘やかしたいのは僕のワガママだし、ずっと恋焦がれていた春凪に色々したいって思うのだってそうだ。正直に言わせてもらうと、僕は春凪がそばにいて笑っていてくれるだけでこの上なく幸せなんだ。お返しをしてもらうようなことは何もしていない。――寧ろ」
そこまで言ってプレゼントを捧げ持ったままの私の手を箱ごとそっと両手で包み込むと、
「毎日美味しいご飯を作ってもらって、可愛いキミを思うさま抱かせてもらえる。キミと過ごす日々が幸福過ぎてお釣りがきてるくらいなのに……これ以上何を返そうっていうの?」
言って額に柔らかな口付けを下さった。
「でも、私――」
それでも折角のプレゼント。
受け取って頂けないのは悲しすぎます!
眉根を寄せてそう言おうとしたら――。
「お返しとかじゃなくて……ただのクリスマスプレゼントだったら凄く嬉しいんだけどな?」
唇を耳元に寄せられて、低められた声でそう落とされた。
私は宗親さんの言葉にゾクリと耳を侵食されてうっとりした後、ハッとして。
「あ、あのっ。これ――。く、クリスマスプレゼントです!」
お返しだなんて照れ隠しをしちゃいけなかったんだ。
宗親さんは純粋に〝プレゼント〟としてなら受け取ってくださる気満々なのだから。
お返しだと言って差し出した時には手を出して下さらなかった小箱を、宗親さんが今度こそ嬉しそうに受け取って下さった。
「春凪、有難う。中身は何かな? ――開けてみてもいい?」
大好きな宗親さんの心からの笑顔に、私はコクコクと一生懸命頷いた。
フルフルと震える手でリボンの掛かった小箱を差し出す私に、宗親さんが怪訝そうな声を出す。
「はいっ。頂くばかりで私、何もお返し出来ていなかったので――」
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「宗親、さん……?」
その溜め息にギュッと心臓を握られて、不安が一気に背中を駆け上がる。
私、何か間違えた?
オロオロと不安を隠せないままに宗親さんを見上げたら、「僕はキミに何か返して欲しいなんて思ったことないんだけどな?」と悲しそうな顔をされてしまった。
「えっ。あの、でもっ」
それでも尚も言い募ろうとした私の唇をそっと人差し指の腹で押さえると、宗親さんが言葉を続ける。
「僕がすることで春凪が変に負い目を感じるのは凄く困る。キミを甘やかしたいのは僕のワガママだし、ずっと恋焦がれていた春凪に色々したいって思うのだってそうだ。正直に言わせてもらうと、僕は春凪がそばにいて笑っていてくれるだけでこの上なく幸せなんだ。お返しをしてもらうようなことは何もしていない。――寧ろ」
そこまで言ってプレゼントを捧げ持ったままの私の手を箱ごとそっと両手で包み込むと、
「毎日美味しいご飯を作ってもらって、可愛いキミを思うさま抱かせてもらえる。キミと過ごす日々が幸福過ぎてお釣りがきてるくらいなのに……これ以上何を返そうっていうの?」
言って額に柔らかな口付けを下さった。
「でも、私――」
それでも折角のプレゼント。
受け取って頂けないのは悲しすぎます!
眉根を寄せてそう言おうとしたら――。
「お返しとかじゃなくて……ただのクリスマスプレゼントだったら凄く嬉しいんだけどな?」
唇を耳元に寄せられて、低められた声でそう落とされた。
私は宗親さんの言葉にゾクリと耳を侵食されてうっとりした後、ハッとして。
「あ、あのっ。これ――。く、クリスマスプレゼントです!」
お返しだなんて照れ隠しをしちゃいけなかったんだ。
宗親さんは純粋に〝プレゼント〟としてなら受け取ってくださる気満々なのだから。
お返しだと言って差し出した時には手を出して下さらなかった小箱を、宗親さんが今度こそ嬉しそうに受け取って下さった。
「春凪、有難う。中身は何かな? ――開けてみてもいい?」
大好きな宗親さんの心からの笑顔に、私はコクコクと一生懸命頷いた。
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