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34.カフェで内緒話

普通じゃない感じがしたから気をつけて

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 帰ったらそれとなく宗親むねちかさんにアドバイスを求めようかな?
 
 腹黒策士の宗親さんだもの。
 私より良い案を思いついて下さる気がするもの。

 明智さんと宗親さんがご縁があることを示唆しさしてきたってことは、ほたるだってきっと、宗親さんに期待してるんだよね?

「あの、ほたる」

「ん?」

「ほたるの恋心って……宗親さんに話しても平気……」

「いいよ? そこ、期待して春凪はなにも打ち明けたんだもの。――あ。でも! 明智さんご本人にバラすのは無しね? 恥ずかしいから……」

 きっとバラしたら万事うまくいくはずなんだけどな?

 そんなことを思いつつ。

 そういえば明智さんの方は、ほたるへの気持ち、バラすの、どうなんだろう?

 うー。
 私の馬鹿!
 もっと話を詰めておくべきだった!

 そんなことを思っていたら、ほたるが小さく吐息を落として、「そういえば話は変わるんだけど……」ってつぶやくの。

(え? いい所なのに話、かえちゃうの?)

 残念って気持ちを全面に出しながらほたるを見たら、「さっき、春凪はなの元カレの話が出たじゃない?」って、ほたるが声を低めてくる。

 ん? 何でここで康平の話?


「……正直あんまり聞きたくないな」

 ボソリとつぶやいたら「だよね」って苦笑するの。

 でも、その上で「一応伝えておくね」ってキリッとした涼やかな目でじっと顔を見つめられた。

 ほたるが、私が渋っているのを知っていてわざわざ言おうとしてるってことは、聞かなきゃダメな話なんだって思って。
 私は観念してしぶしぶ頷いた。

春凪はなと連絡が取れなくなってすぐくらいだったかな。アパートも引き払われてるし、もしかしたら春凪はなに会えないかな?ってMisokaミソカに行ったんだけど……」

 店の付近で、ほたるは偶然康平を見かけたらしい。

「アイツ、何かちょっと痩せててね」

 まぁ、それはどうでも良いんだけど――。

 そう付け加えながらもほたるは続けた。

「私に気付くなり勢いよく近づいてきて、『春凪はなは一緒じゃないのか⁉︎』って物凄い剣幕で聞いてきたの。私が首を振ったら舌打ちして……」

「え? 何で今更……」

 言ったら「よくは分からないんだけど……春凪はなの実家のこと調べたって言ってた」とか。

 どういうこと?

「何にしても何だか感じがしたから……気をつけて」

「うん、ありがとう」

 ほたるの言葉に頷きながらも、私は心の中がザワザワした。

 康平はうちの実家のことを調べて〝何を〟思いついたんだろう。
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