278 / 366
34.カフェで内緒話
なんで急に打ち明けてくれる気になったの?
しおりを挟む
(そっか、そっか。三年かぁ~)
ふわりと頭の中でそこまで考えて、私は(ん⁉︎ もしかして)と思って。
「ねぇ、ほたる。違ってたらごめんね」
一応そう断りを入れて、恐る恐る聞いてみた。
「もしかして三年くらい片想いしてるほたるの好きな人って……。えっと、その……Misokaのオーナーさんだったり……する?」
嘘の三八って言葉があるけれど、この三年はそういうのじゃない気がする。
私は手元のカフェラテをゴクッと飲み込むのと一緒に、生唾を飲み込んだ。
「……うん」
存外何でもないことみたいにあっさり認められて、私は瞳を見開いた。
だから、私が宗親さんとのことでバタバタしていて行けなかった間も、ほたるは〝私を探す〟という大義名分でMisokaに顔を出してたんだって今更のように気が付いた。
もちろん、私のことを気にしてくれたって言葉は嘘じゃないと思う。
だけど、そのためだけならもっと別のところ――例えば私の勤め先とか――に顔を出す方が効率がいいはずだもん。
ほたるとは、私がコウちゃんにフラれて傷心だったのを慰めてもらうのと一緒に、お互いの就職祝いも兼ねてMisokaで飲んだんだもの。
私、ほたるの就職先を知っているし、ほたるだってそう。
なのにそこじゃなくてMisokaに出向くことを選んだ理由は、きっと単純にマスターの顔を見たかったからなんだろうな。
(もぉ、ほたるってば可愛い♡)
そう思うのと同時。
私はどうしても聞かずにはいられない。
「でも……な、んで急に、打ち明けてくれる気になったの?」
と。
今まで三年間。
ほたるは私は愚か、他の誰にもその恋心を秘密にしてきたんだもん。
何でいきなり話してくれる気になったのかな?ってソワソワしてしまったの。
ほたるは、すっかり氷の溶けてしまったアイスコーヒーをゆっくりひとくち飲み込むと、「――織田さんと明智さん、お友達なんだよね?」とつぶやいた。
私はほたるのその言葉を聞いて、ほたるもいい加減動きのないその片想いに、何らかの動きを求めているんだ、って思って。
でもそれは、明智さんも一緒だから……ちょっとどちらかの背中を押せば済む話だよね?って心の中でニンマリする。
「もぉ~。ほたるってば水臭ぁ~い! 何で話してくれなかったのよぅ。言ってくれたら私、めちゃめちゃ協力しまくったのにぃー!」
チュチューッとカフェラテを一気に吸い込んで喉に流し込むと、私は息巻いた。
「だって春凪、掴まらなかったじゃない」
「うっ」
それを言われると言い訳のしようもございません。
私はぐぬぬ……と言葉に詰まりながらも考える。
どうにかしてほたると明智さんの現状を打開出来ないかしら?って。
ふわりと頭の中でそこまで考えて、私は(ん⁉︎ もしかして)と思って。
「ねぇ、ほたる。違ってたらごめんね」
一応そう断りを入れて、恐る恐る聞いてみた。
「もしかして三年くらい片想いしてるほたるの好きな人って……。えっと、その……Misokaのオーナーさんだったり……する?」
嘘の三八って言葉があるけれど、この三年はそういうのじゃない気がする。
私は手元のカフェラテをゴクッと飲み込むのと一緒に、生唾を飲み込んだ。
「……うん」
存外何でもないことみたいにあっさり認められて、私は瞳を見開いた。
だから、私が宗親さんとのことでバタバタしていて行けなかった間も、ほたるは〝私を探す〟という大義名分でMisokaに顔を出してたんだって今更のように気が付いた。
もちろん、私のことを気にしてくれたって言葉は嘘じゃないと思う。
だけど、そのためだけならもっと別のところ――例えば私の勤め先とか――に顔を出す方が効率がいいはずだもん。
ほたるとは、私がコウちゃんにフラれて傷心だったのを慰めてもらうのと一緒に、お互いの就職祝いも兼ねてMisokaで飲んだんだもの。
私、ほたるの就職先を知っているし、ほたるだってそう。
なのにそこじゃなくてMisokaに出向くことを選んだ理由は、きっと単純にマスターの顔を見たかったからなんだろうな。
(もぉ、ほたるってば可愛い♡)
そう思うのと同時。
私はどうしても聞かずにはいられない。
「でも……な、んで急に、打ち明けてくれる気になったの?」
と。
今まで三年間。
ほたるは私は愚か、他の誰にもその恋心を秘密にしてきたんだもん。
何でいきなり話してくれる気になったのかな?ってソワソワしてしまったの。
ほたるは、すっかり氷の溶けてしまったアイスコーヒーをゆっくりひとくち飲み込むと、「――織田さんと明智さん、お友達なんだよね?」とつぶやいた。
私はほたるのその言葉を聞いて、ほたるもいい加減動きのないその片想いに、何らかの動きを求めているんだ、って思って。
でもそれは、明智さんも一緒だから……ちょっとどちらかの背中を押せば済む話だよね?って心の中でニンマリする。
「もぉ~。ほたるってば水臭ぁ~い! 何で話してくれなかったのよぅ。言ってくれたら私、めちゃめちゃ協力しまくったのにぃー!」
チュチューッとカフェラテを一気に吸い込んで喉に流し込むと、私は息巻いた。
「だって春凪、掴まらなかったじゃない」
「うっ」
それを言われると言い訳のしようもございません。
私はぐぬぬ……と言葉に詰まりながらも考える。
どうにかしてほたると明智さんの現状を打開出来ないかしら?って。
0
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ただいま冷徹上司を調・教・中!
伊吹美香
恋愛
同期から男を寝取られ棄てられた崖っぷちOL
久瀬千尋(くぜちひろ)28歳
×
容姿端麗で仕事もでき一目置かれる恋愛下手課長
平嶋凱莉(ひらしまかいり)35歳
二人はひょんなことから(仮)恋人になることに。
今まで知らなかった素顔を知るたびに、二人の関係は近くなる。
意地と恥から始まった(仮)恋人は(本)恋人になれるのか?
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる