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34.カフェで内緒話
三年
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「う~ん。大人の男性……かな。私達より大分年上だと思うし」
言ってほぅっと溜め息をつくと、ほたるが私をじっと見つめてくる。
「ねぇ春凪。年上の彼氏ってやっぱり同年代と違って大人?」
その〝同年代〟が誰を指しているのか分からない私じゃない。
あの、私をさんざんこき下ろした最悪男のことだ。
「うん。すっごくすっごく大人っ、だと思う……」
私が長年抱えてきた陥没乳首をいとも簡単に絡め取って「そんなところも含めて自分のこと、好きかも」って思わせてくださる程度には大人です。
時々恥ずかしくなるぐらい子供っぽいところもあるけれどっ。
「それに……私がコンプレックスだと思っていたことを好きになってもいいかもって思わせてくれる……すごい人……かも」
「そっか~。康平とは大違いじゃん! アイツ最低だったもんね。――いいなぁ、やっぱり。私ね、こう見えてもその人にもう三年くらい片想いしてるの」
「三年も……⁉︎」
私たちは今年の誕生日で二三になったところ。
背が低くて童顔だから幼く見られがちだけど、四月二十日生まれの私は、同学年のみんなよりいち早く歳を重ねる。
二十歳になった大学二年生の時は、夏生まれのほたるより先に成人したことが嬉しくて、「私、ほたるより先にお酒が解禁になっちゃったよぉー!」と、やたらはしゃいだっけ。
そのくせ、結局ほたるが自分の年齢に追いついた七月二八日に、前から行ってみたいと二人で目星を付けていたバー『Misoka』へ行くまで、お酒デビューはお預けにしていた私だ。
「ほたるの二十歳のお祝い、すっごく楽しかったよねー♥」
生まれて初めて飲むお酒にほろ酔い気分になった私が、明智さんに「今日は友人の誕生日なんですぅ~。二人で初めてバーデビューを果たしましたぁーっ!」と話したら、「何歳になったの?」って聞かれて。
「そうそう。春凪の言葉を聞いたマスターが、サプライズでケーキを用意してくれて……すっごく驚かされたよね」
私の言葉に、ほたるが凄く可愛い顔をしてふんわり笑う。
あの時のケーキ、マスターからのプレゼントってことで無料だったっけ。
マスターの、「これからも是非『Misoka』を贔屓にしてね」ってウインクと、大人の魅力バリバリの笑顔にほだされて、私とほたるはまんまとMisokaの常連客になったの。
「あれからもう三年かぁ~」
ほうっと溜め息混じりにこぼしたら「うん、三年だね」ってほたるがしみじみとつぶやいた。
言ってほぅっと溜め息をつくと、ほたるが私をじっと見つめてくる。
「ねぇ春凪。年上の彼氏ってやっぱり同年代と違って大人?」
その〝同年代〟が誰を指しているのか分からない私じゃない。
あの、私をさんざんこき下ろした最悪男のことだ。
「うん。すっごくすっごく大人っ、だと思う……」
私が長年抱えてきた陥没乳首をいとも簡単に絡め取って「そんなところも含めて自分のこと、好きかも」って思わせてくださる程度には大人です。
時々恥ずかしくなるぐらい子供っぽいところもあるけれどっ。
「それに……私がコンプレックスだと思っていたことを好きになってもいいかもって思わせてくれる……すごい人……かも」
「そっか~。康平とは大違いじゃん! アイツ最低だったもんね。――いいなぁ、やっぱり。私ね、こう見えてもその人にもう三年くらい片想いしてるの」
「三年も……⁉︎」
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二十歳になった大学二年生の時は、夏生まれのほたるより先に成人したことが嬉しくて、「私、ほたるより先にお酒が解禁になっちゃったよぉー!」と、やたらはしゃいだっけ。
そのくせ、結局ほたるが自分の年齢に追いついた七月二八日に、前から行ってみたいと二人で目星を付けていたバー『Misoka』へ行くまで、お酒デビューはお預けにしていた私だ。
「ほたるの二十歳のお祝い、すっごく楽しかったよねー♥」
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「そうそう。春凪の言葉を聞いたマスターが、サプライズでケーキを用意してくれて……すっごく驚かされたよね」
私の言葉に、ほたるが凄く可愛い顔をしてふんわり笑う。
あの時のケーキ、マスターからのプレゼントってことで無料だったっけ。
マスターの、「これからも是非『Misoka』を贔屓にしてね」ってウインクと、大人の魅力バリバリの笑顔にほだされて、私とほたるはまんまとMisokaの常連客になったの。
「あれからもう三年かぁ~」
ほうっと溜め息混じりにこぼしたら「うん、三年だね」ってほたるがしみじみとつぶやいた。
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