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34.カフェで内緒話

だって私も恋してるから

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 私もほたるにならうみたいに氷が溶けて薄まりかけたカフェラテをカラカラかき回してふた口ほど吸い上げてみたけれど、ほたるみたいに色っぽく唇をすぼめられた自信はない。

 ほたるがストローについた口紅を指先で軽く拭うのを見て、私も慌てて真似をして。

 だけどしっとりした雰囲気でそれをこなしたほたると違って、私のはバタバタした感じになる。

宗親むねちかさんはこんな私のどこがそんなに好きなんだろう)

 ふと、そんな不毛なことを考えてしまった。

 Misokaミソカで私を見染めたなら……ほたるのことだって目に入ったはずなのに。

 どうして私いいって思ってくださったのかな。

 宗親さんに話したらきっと「春凪はないいんです」って溜め息をつかれちゃう。

 でもそう言うやりとりも含めて私、何だか未だに慣れないの。


「あ、春凪。いま、彼氏のこと考えたでしょう?」

 途端ほたるにクスッと笑われて、私はドキッ!とさせられる。

「えっ、な、何で分かっ……」

 恥ずかしくてワタワタする私に、ほたるが「だっていまの春凪、すっごく憂いを帯びてて綺麗だったから」とか。

「嘘……」

 「憂い」も「綺麗」も私とは縁遠い対局の言葉に思えてしまう。

「バカだなぁ~。春凪はなはハムスターみたいにチョコマカしてて見ていて飽きないじゃない? それなのに時々びっくりするぐらい〝女〟だなぁって表情かおするのよ? そこがすっごくギャップ萌えなの。――気付いてないの?」

 前半はともかく後半は半信半疑です。

 色気が服を着て歩いているようなほたるの言葉に、私はソワソワと落ち着かない。

「ちょっとつつくとそんな風に目を白黒させて慌てるところとか……放っておけないって思っちゃうんだけどな? ほら、春凪の婚約者の彼だってきっと、春凪のそう言うところにちゃったんじゃない?」

「や、やられ……っ⁉︎」

(わ、私はアサシンか何かですか⁉︎)

 照れを誤魔化すため、茶化すみたいに思ったけれど、ちゃんと分かってる。それが「られる」じゃないことぐらい。

「わ、私にとってはほたるの方がっ」

 オロオロしながら話の矛先を変えようと頑張る私に、「だって私も恋してるから」って、ほたるがこともなげに言うの。

「恋? ……ってさっきの?」
「うん」

 さらりとうなずかれて、私はドキドキしてしまう。

「ね、その人ってどんな人?」

 ほたる、こんなに綺麗なのに在学中から浮いた話が一度もなかったから凄く気になってしまった。
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