【完結】【R18】好みの彼に弱みを握られていますっ!

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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34.カフェで内緒話

音信不通にしてたこと、私が全然気にしてないと思ってる?

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春凪はな、慌てすぎ」

 クスクス笑うほたるに、私は真っ赤になりながらうつむいた。

 今日私とほたるが座っているのは、しくも宗親むねちかさんの罠にまんまと嵌められた日に私が座っていたあの席で。

 ほたると向かい合わせに座ってしまったことを、私、ちょっぴり後悔しています。

 だってだって! バーMisokaミソカで隣り合わせに座った時みたいに横並びの方が、ヒソヒソ話には向いてるんだもん。

(って、今日はヒソヒソ話をする予定じゃありませんでしたけどねっ⁉︎)

 そんなことを思っていたら、ほたるがグッと身を乗り出すようにして私の方に顔を寄せてきた。

(なに、なにっ⁉︎ まだ何か爆弾落とす気なの、ほたるぅ~!)

 その仕草に警戒する私に、

「――で、結局、春凪はいつだったか宣言した通り〝下だけ脱いでる〟の?」

 って聞いてくるとか!

バカばっ! ちょっ! いま昼間っ!」

 Misokaミソカでのノリそのままに私に色々言ってくるほたるに、私はさっきからずっと振り回されまくりです。

「そうは言ってもアレコレ知ってる親友としては、その辺がすっごく気になるんだもぉ~ん。それに――」

 ニコニコ笑うほたるのお姉さん然とした雰囲気からは、こんなタチの悪いエロオヤジみたいな言葉が紡がれているだなんて、周りの人はきっと思ってもいないんだろうな。

 そんなことを考えて恨めしげにほたるを見つめたら、不意に真剣な顔に切り替えたほたるが私を見つめ返してくるの。

「同棲してることも婚約してることも長いこと言ってくれずに音信不通にしてたこと、私が全然気にしてないと思ってる?」

 その言葉に、私は宗親さんと暮らすようになってからも何度か、ほたるからメールが届いていたのを思い出す。

 後で返事しよう、と思っていたら日々に忙殺されて忘れてしまうのは私の悪い癖で。

 不動産屋や両親からの着信で同じことをして酷い目に遭ったくせに、全然懲りてないよね。

「いくら連絡しても全然返信がないから突撃してやれー!ってアパートに行ってみたら違う人が住んでるし! 本っ当、どこに消えちゃったの?ってめちゃくちゃ心配したんだからね?」

 言われて、私はますます申し訳なさに縮こまってしまう。
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