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27.勘違いしてしまいそうです*
見逃すはずない
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「春凪には……僕の作り笑いと本当の笑顔の違いがそんなにハッキリ分かるの?」
聞かれて、今度は私が驚かされる。
「分からないと思ってらしたんですか?」
どんな些細な違いだって、見逃すはずないじゃないですか。
大好きな人の表情だもの。
そんな言葉は飲み込んで、私は宗親さんをじっと見上げてただ小さくうなずいた。
「……参ったな」
途端、フイッと私から顔を背けた宗親さんの耳が赤くなっているのに気が付いた私は、そのことにもびっくりしてしまう。
前にも笑顔の違いについて彼自身に指摘したことがあったけれど、こんな風にあからさまに照れられたのは初めてかもしれない。
そういえば宗親さん、どんな時でも感情を表に出してはいけないって育てられてきたんだっけ。
だとしたら……残念ながらご両親のご苦労は実らなかったことになるのかな?
少なくとも私の知っている宗親さんは、結構な割合で感情を顔に出しちゃう人だもの。
でもそれが、もしも私の前でだけだとしたら――。
私、宗親さんが心を許してくれているのかな?って思えてすごく嬉しいな?
「私、人の上に立つってことがよく分かっていないので絶対とは言えないんですけど――」
そう前置きをして宗親さんに声をかける。
「お外ではダメだとしても……家にいらっしゃるときぐらいはもっともっと素を出してもいいと思います。少なくとも私とふたりきりのときくらい、宗親さんには気負って欲しくないんです。――夫婦って……きっとそういうものでしょう?」
私がこのままでいいとおっしゃるのなら、それはそのまま宗親さんにだって当てはまると思うの。
「だから……〝参られる〟必要なんて微塵もないと思うんです」
宗親さんが私に言って下さったように。
「私、どんな宗親さんでもあ……、えっと……み、見捨てないでいられる自信がありますっ」
危うく「愛せる自信がある」と言いそうになって、慌てて別の言葉に置き換えた私は、熱を持った宗親さんの耳にそっと触れた。
途端宗親さんが一瞬だけ泣きそうな、それでいてどこかホッとした顔をして。
伸ばしたままの私の手に自分の手を重ねていらした。
そんな宗親さんを見上げて、私は続けるの。
聞かれて、今度は私が驚かされる。
「分からないと思ってらしたんですか?」
どんな些細な違いだって、見逃すはずないじゃないですか。
大好きな人の表情だもの。
そんな言葉は飲み込んで、私は宗親さんをじっと見上げてただ小さくうなずいた。
「……参ったな」
途端、フイッと私から顔を背けた宗親さんの耳が赤くなっているのに気が付いた私は、そのことにもびっくりしてしまう。
前にも笑顔の違いについて彼自身に指摘したことがあったけれど、こんな風にあからさまに照れられたのは初めてかもしれない。
そういえば宗親さん、どんな時でも感情を表に出してはいけないって育てられてきたんだっけ。
だとしたら……残念ながらご両親のご苦労は実らなかったことになるのかな?
少なくとも私の知っている宗親さんは、結構な割合で感情を顔に出しちゃう人だもの。
でもそれが、もしも私の前でだけだとしたら――。
私、宗親さんが心を許してくれているのかな?って思えてすごく嬉しいな?
「私、人の上に立つってことがよく分かっていないので絶対とは言えないんですけど――」
そう前置きをして宗親さんに声をかける。
「お外ではダメだとしても……家にいらっしゃるときぐらいはもっともっと素を出してもいいと思います。少なくとも私とふたりきりのときくらい、宗親さんには気負って欲しくないんです。――夫婦って……きっとそういうものでしょう?」
私がこのままでいいとおっしゃるのなら、それはそのまま宗親さんにだって当てはまると思うの。
「だから……〝参られる〟必要なんて微塵もないと思うんです」
宗親さんが私に言って下さったように。
「私、どんな宗親さんでもあ……、えっと……み、見捨てないでいられる自信がありますっ」
危うく「愛せる自信がある」と言いそうになって、慌てて別の言葉に置き換えた私は、熱を持った宗親さんの耳にそっと触れた。
途端宗親さんが一瞬だけ泣きそうな、それでいてどこかホッとした顔をして。
伸ばしたままの私の手に自分の手を重ねていらした。
そんな宗親さんを見上げて、私は続けるの。
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