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27.勘違いしてしまいそうです*

こうちゃんと宗親さん

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 宗親むねちかさんが、あんまりにも大切に大切に私の身体をほぐしてくださるから、私は本当に彼に愛されているのではないかと勘違いしてしまいそうになる。

 キスだって私、こんなに丁寧にいつくしむような口づけをされたことがない。

 宗親むねちかさんからの、私の反応をうかがうように進められるキスは元カレこうちゃんから受けていたキスものとは全然違っていて。
 こうちゃんのはもっともっと性急で、ただただ自分本位に私の口の中をかき回していただけだったんだと、今更のように気が付いた。

 キスって……本来はこんな風に相手の気持ちいいところを探るように進められるものなのね。

 それは、もしかしたらただ単に経験値の差なのかも知れない。
 こうちゃんだって、あと数年もしたら宗親むねちかさんのような相手をいたわわれるキスが出来るようになったのかも?


 その思いは、宗親むねちかさんが私の身体に触れるときにも感じさせられて。

 私が濡れてこないことに苛立つようにいつもローションを使っていたこうちゃんとは違って、宗親むねちかさんはそんなもの必要ないのだと私に自信を与えてくださる。


「あ、ぁっ、……んっ」

 ゆるゆると無理なく拡げられていく隘路あいろは、宗親むねちかさんが内壁を探るようにこするたびに甘く切ない刺激をもたらすから、その度に小さな声が漏れて……。
 私は自分のその反応にただただ驚かされて羞恥心を掻き立てられ、さらに高みへ昇らされてしまう。

 指一本だってしんどいと思っていたはずの入り口が、気が付けば宗親むねちかさんの大きくて長い指を何本も受け入れていて。
 彼が手を動かすたびにクチュクチュと恥ずかしいぐらいの水音を響かせた。


「あ、あのっ……私っ……」

 それが信じられなくて熱に浮かされたように宗親むねちかさんを見上げたら、宗親むねちかさんが「もう大丈夫かな」って私の額に掛かった髪の毛を払いのけて、額に優しくキスをしてくださった。

 その瞬間、「好き」がぶわりと膨らんだ私の下腹部はキュンとうずいて、宗親むねちかさんの指をギュッと締め付けてしまう。
 その感触が、恥ずかしいくらいに自分にも分かってしまった。

(私、宗親むねちかさんにキスされるの、大好きです)

 身体全体がそう叫んでいるみたいで、それが宗親むねちかさんに伝わってしまいそうでにわかに恥ずかしくなる。
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