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25.初めての*
ささやかなお願い事
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慌てて言い募ろうとしたら「聞いてませんでしたか? 僕は〝可愛い女の子〟とも言ったはずです」ってめちゃくちゃ怖い顔で睨んでいらっしゃるとか。
嘘でしょ、嘘でしょ、嘘でしょー!?
いくら仮初の夫婦だからってリップサービスが過剰ですよ、宗親さんっ!
突然の誉め殺しに、社交辞令とは分かっていても、照れて真っ赤になってしまう。
「あ、有難うございます?」
一応ここは偽装妻として旦那様のお気遣いにお礼を申し上げなくては。
しどろもどろ、語尾が疑問系みたいに持ち上がった言い方をしたのに、宗親さんは
「どういたしまして」
と穏やかに微笑み返してくださって。
その笑顔がいつもの腹黒スマイルとは違ったから私、ドキン!と心臓が大きく飛び跳ねてしまった。
さすがにそんな宗親さんを直視出来なくてソワソワと瞳を逸らしたら、いきなり額の髪の毛をかき上げられておでこにキスを落とされる。
「ひゃっ」
そんなっ。
甘々な恋人みたいなキス。
エッチなディープキスより逆に恥ずかしいではないですかっ。
予期せぬ出来事に、血液がザザァーッと全身を駆け巡ったみたいに身体中が熱くなってしまった。
「そんな春凪に、僕からささやかなお願い事があります」
と、いきなり声のトーンを落とした宗親さんに、私は思わず彼の方を見てしまう。
「さっき春凪は〝一人の男性を萎えさせた〟って言いましたよね?」
ええ、確かに言いました。
だって事実だし、と思って私がコクッと頷いたら、宗親さんが小さく吐息を落として。
「以前Misokaでも元カレに酷いことを言われたって愚痴ってましたよね?」
はい。その通りです。あの話を聞かれて「下しか脱がない宣言」も宗親さんに聞かれてしまったの、よぉ~く覚えています!
聞かれてしまった時はすっごくすっごく恥ずかしかったですけど、今は要らない説明をしなくてもいいと言うの、とっても有難いなって感じています。
もちろん今日もその戦法でいこうと思っているんですが、事情をご存知ですもの。問題ないですよね?
嘘でしょ、嘘でしょ、嘘でしょー!?
いくら仮初の夫婦だからってリップサービスが過剰ですよ、宗親さんっ!
突然の誉め殺しに、社交辞令とは分かっていても、照れて真っ赤になってしまう。
「あ、有難うございます?」
一応ここは偽装妻として旦那様のお気遣いにお礼を申し上げなくては。
しどろもどろ、語尾が疑問系みたいに持ち上がった言い方をしたのに、宗親さんは
「どういたしまして」
と穏やかに微笑み返してくださって。
その笑顔がいつもの腹黒スマイルとは違ったから私、ドキン!と心臓が大きく飛び跳ねてしまった。
さすがにそんな宗親さんを直視出来なくてソワソワと瞳を逸らしたら、いきなり額の髪の毛をかき上げられておでこにキスを落とされる。
「ひゃっ」
そんなっ。
甘々な恋人みたいなキス。
エッチなディープキスより逆に恥ずかしいではないですかっ。
予期せぬ出来事に、血液がザザァーッと全身を駆け巡ったみたいに身体中が熱くなってしまった。
「そんな春凪に、僕からささやかなお願い事があります」
と、いきなり声のトーンを落とした宗親さんに、私は思わず彼の方を見てしまう。
「さっき春凪は〝一人の男性を萎えさせた〟って言いましたよね?」
ええ、確かに言いました。
だって事実だし、と思って私がコクッと頷いたら、宗親さんが小さく吐息を落として。
「以前Misokaでも元カレに酷いことを言われたって愚痴ってましたよね?」
はい。その通りです。あの話を聞かれて「下しか脱がない宣言」も宗親さんに聞かれてしまったの、よぉ~く覚えています!
聞かれてしまった時はすっごくすっごく恥ずかしかったですけど、今は要らない説明をしなくてもいいと言うの、とっても有難いなって感じています。
もちろん今日もその戦法でいこうと思っているんですが、事情をご存知ですもの。問題ないですよね?
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