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24.桁違い
デート?
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元々宗親さんの所に越してきてからは私、基本的には歩いて通勤しているの。
通帳残高を三桁に減らすまでして買った愛車は、通勤用としては今、使っていない感じ。
考えてみたら、今日も徒歩で家まで帰り着いたところで何ら問題はないわけで。
そう思っていたのだけれど。
『一緒に食事でもと思っているので【Red Roof】でカフェラテでも買って、テラス席で飲みながら待っていてもらえますか? 拾いに行きます』
そう返信があっては『分かりました』と返すしかない。
一緒に食事ってことは、まるでデートみたい!って思ったら、自然と顔がほころんでしまった。
***
「ひゃー、お腹いっぱいですね。やばーい。ちょっと苦しぃ~かもぉ~」
今日は私、宗親さんと二人で、久々にお寿司をたらふく食べました。
つい美味しくて、私、胃袋の許容量をかなりオーバーしてしまったみたい。
大きな声では言えないけれど……確実にお腹がぽっこりしていて、ちょっとどころかめっちゃ苦しいです。
「春凪があんなに寿司が好きだなんて意外でした」
宗親さんが、お腹をさする私を見てクスッと笑って……。
その視線に慌ててぽこっと膨らんだ胃の辺りから手を外した私は、「だっ、だって! 一皿いくらって分かるから安心して食べられたんですよぅっ」と庶民的な返しをしてしまう。
というのも、宗親さんは最初「時価いくら」みたいな回らないお寿司屋さんに私を連れて行こうとなさって。
私は「そんなお寿司、いくらなの?って思ったら怖くて喉を通りません!」ってゴネたの。
いつもなら、そんな私をするりと丸め込んでしまう宗親さんなのに、何故か今日は私のわがまま?をすんなり通してくださって。
「春凪が安心して食べられたのなら良かったです」
ニッコリ笑ってそう言ってくださったから、私、ますます調子に乗っちゃった。
「回るお寿司も案外バカにならなかったでしょう? 安くても美味しいものはたっくさんあるんですっ!」
得意げに言ったら「ですね。結構美味しくて驚きました」って微笑んで、「じゃあ、僕はとりあえずお風呂のスイッチを入れてきますね」って何の脈絡もなく話を変えちゃうの。
私はその言葉に、ピクッと身体が跳ねてしまった。
お風呂っ。
そうだ――。
今日はご飯、めちゃくちゃ早く済んでしまった。
作る時間要らなかったし、家で作ってないから片付けも不要。
何より、今日はふたりして残業を回避してるからっ。
「あ、あのっ」
ソワソワしながら宗親さんを呼び止めたら「春凪は恥ずかしがり屋さんですし、お風呂が先の方がいいですよね?」って……。
やっぱりその「先」の比較対象は、朝の続きのことです、よ、ね?
私はコクコクとうなずいて。
それでもこう言わずにはいられなかった。
「宗親さん、先に入ってください」
って。
それは、前に宗親さんとの初夜を拒んだ日のリベンジだったから。
あの日、宗親さんは珍しく私より先にお風呂に入って……それから――。
通帳残高を三桁に減らすまでして買った愛車は、通勤用としては今、使っていない感じ。
考えてみたら、今日も徒歩で家まで帰り着いたところで何ら問題はないわけで。
そう思っていたのだけれど。
『一緒に食事でもと思っているので【Red Roof】でカフェラテでも買って、テラス席で飲みながら待っていてもらえますか? 拾いに行きます』
そう返信があっては『分かりました』と返すしかない。
一緒に食事ってことは、まるでデートみたい!って思ったら、自然と顔がほころんでしまった。
***
「ひゃー、お腹いっぱいですね。やばーい。ちょっと苦しぃ~かもぉ~」
今日は私、宗親さんと二人で、久々にお寿司をたらふく食べました。
つい美味しくて、私、胃袋の許容量をかなりオーバーしてしまったみたい。
大きな声では言えないけれど……確実にお腹がぽっこりしていて、ちょっとどころかめっちゃ苦しいです。
「春凪があんなに寿司が好きだなんて意外でした」
宗親さんが、お腹をさする私を見てクスッと笑って……。
その視線に慌ててぽこっと膨らんだ胃の辺りから手を外した私は、「だっ、だって! 一皿いくらって分かるから安心して食べられたんですよぅっ」と庶民的な返しをしてしまう。
というのも、宗親さんは最初「時価いくら」みたいな回らないお寿司屋さんに私を連れて行こうとなさって。
私は「そんなお寿司、いくらなの?って思ったら怖くて喉を通りません!」ってゴネたの。
いつもなら、そんな私をするりと丸め込んでしまう宗親さんなのに、何故か今日は私のわがまま?をすんなり通してくださって。
「春凪が安心して食べられたのなら良かったです」
ニッコリ笑ってそう言ってくださったから、私、ますます調子に乗っちゃった。
「回るお寿司も案外バカにならなかったでしょう? 安くても美味しいものはたっくさんあるんですっ!」
得意げに言ったら「ですね。結構美味しくて驚きました」って微笑んで、「じゃあ、僕はとりあえずお風呂のスイッチを入れてきますね」って何の脈絡もなく話を変えちゃうの。
私はその言葉に、ピクッと身体が跳ねてしまった。
お風呂っ。
そうだ――。
今日はご飯、めちゃくちゃ早く済んでしまった。
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何より、今日はふたりして残業を回避してるからっ。
「あ、あのっ」
ソワソワしながら宗親さんを呼び止めたら「春凪は恥ずかしがり屋さんですし、お風呂が先の方がいいですよね?」って……。
やっぱりその「先」の比較対象は、朝の続きのことです、よ、ね?
私はコクコクとうなずいて。
それでもこう言わずにはいられなかった。
「宗親さん、先に入ってください」
って。
それは、前に宗親さんとの初夜を拒んだ日のリベンジだったから。
あの日、宗親さんは珍しく私より先にお風呂に入って……それから――。
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