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20.起きないと襲いますよ?
襲いますよ?
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***
「春凪、そんな所で眠ったりしたら風邪をひきますよ?」
言って、トロリとした目の春凪の頬に恐る恐る触れてみる。
――と、
「宗親しゃんの手、大きくて男らしくてカッコいいれしゅね」
ふにゃんと微笑まれて、伸ばした手を小さな手でギュッと押さえられてしまった。
「大好きれす」
スリスリと手に頬ずりされてそんなことを言われたら、手のことを言われていると分かっていても、もしや僕自身のことを好きになってくれたのかな?と勘違いしたくなる。
「春凪?」
――マズイ。可愛すぎて困るんですけど。
だなんて、僕がポーカーフェイスのまま考えているとか、この幸せそうな顔をした女の子は露ほども思っていないんでしょうね。
頬に当てた僕の手を握ったまま、スースーと寝息を立て始めた彼女に、僕は小さく吐息を落とした。
「――起きないと……襲いますよ?」
低めた声で春凪の耳に唇を寄せるようにしてわざとそうつぶやいてみたけれど、「耳元でゴチャゴチャうるしゃーい!」とムニャムニャ声で一蹴されてしまった。
さすがに意識のない女の子をどうこうしようと言う気にはなれなくて、僕は小さく吐息を落とす。
――そう言うところも含めて大好きですよ、春凪。
心の中でこぼした本音を、さっきみたいに春凪の耳元でささやいたなら、彼女はどんな反応をするだろう?
同じように「うるさーい!」と切り捨てられてしまうかな?
***
「春凪、寝入ってしまう前に歯磨きだけしてしまいましょうか」
意識のない彼女のことならば、僕は目一杯甘やかしてあげることが出来る。
ラグの上に横座りで、ソファーにもたれ掛かるようにして眠る春凪をそっと横抱きに抱き上げると、僕は彼女を洗面所に連れて行った。
「座れますか?」
行儀はよろしくないけれど、緊急事態だからまぁ構わないか。
春凪を洗面台横のスペースに座らせると、壁に寄り掛からせるようにしてそっと手を離す。
「春凪、そんな所で眠ったりしたら風邪をひきますよ?」
言って、トロリとした目の春凪の頬に恐る恐る触れてみる。
――と、
「宗親しゃんの手、大きくて男らしくてカッコいいれしゅね」
ふにゃんと微笑まれて、伸ばした手を小さな手でギュッと押さえられてしまった。
「大好きれす」
スリスリと手に頬ずりされてそんなことを言われたら、手のことを言われていると分かっていても、もしや僕自身のことを好きになってくれたのかな?と勘違いしたくなる。
「春凪?」
――マズイ。可愛すぎて困るんですけど。
だなんて、僕がポーカーフェイスのまま考えているとか、この幸せそうな顔をした女の子は露ほども思っていないんでしょうね。
頬に当てた僕の手を握ったまま、スースーと寝息を立て始めた彼女に、僕は小さく吐息を落とした。
「――起きないと……襲いますよ?」
低めた声で春凪の耳に唇を寄せるようにしてわざとそうつぶやいてみたけれど、「耳元でゴチャゴチャうるしゃーい!」とムニャムニャ声で一蹴されてしまった。
さすがに意識のない女の子をどうこうしようと言う気にはなれなくて、僕は小さく吐息を落とす。
――そう言うところも含めて大好きですよ、春凪。
心の中でこぼした本音を、さっきみたいに春凪の耳元でささやいたなら、彼女はどんな反応をするだろう?
同じように「うるさーい!」と切り捨てられてしまうかな?
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「春凪、寝入ってしまう前に歯磨きだけしてしまいましょうか」
意識のない彼女のことならば、僕は目一杯甘やかしてあげることが出来る。
ラグの上に横座りで、ソファーにもたれ掛かるようにして眠る春凪をそっと横抱きに抱き上げると、僕は彼女を洗面所に連れて行った。
「座れますか?」
行儀はよろしくないけれど、緊急事態だからまぁ構わないか。
春凪を洗面台横のスペースに座らせると、壁に寄り掛からせるようにしてそっと手を離す。
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