【完結】【R18】好みの彼に弱みを握られていますっ!

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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13.最低男と一緒にしないで?*

私、不感症なんです!

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「ふ、っ、ぁ……」

 声なんて微塵も出したくないのに、宗親むねちかさんが口付けの角度を変えるたび、口の端を割って甘い吐息が漏れてしまう。

 なんでこの人のキスはこんなに気持ちいいんだろう。

 私、元カレコウちゃんとのキスでこんなにとろかされたこと、ないのに。

 宗親むねちかさんからの口付けにうっとりと翻弄ほんろうされていたら、不意に胸元に手を乗せられて、私はビクッと身体を強張らせた。

「あ、ダメっ、待っ……」

 服越しで胸に触れらることは事前に打診済みで、実際に見なければOKですよね?と言質げんちだって取られたのに。

 私はまだ覚悟が足りていなかったみたいです……。

「ダメ? 却下ですね、春凪はな。先に申し上げた通り、僕は先程1分以上キミのことを何も言わずに待って差し上げました。なので、残念ながらそんな余裕はもう、微塵も持ち合わせていません」

 そこでフッと意地悪く口角を上げる宗親むねちかさんを見て、余裕がないとか嘘だって確信した。

 なのに、彼の大きな手でやんわりと左の乳房ちぶさを包み込むように押しつぶされた私は、逆に宗親むねちかさんに抗議するゆとりを奪われてしまう。

「んっ、やぁ……」

 ――胸なんてそんなところ、触らないで。

 コンプレックスのかたまりでしたかない、胸のふくらみは、だけど大きさだけはEカップとそこそこにボリュームがあって。

 私の忌まわしい〝陥没乳首ひみつ〟を知らない男の子たちは、しばしばその大きさに騙されて吸い寄せられる。

 だけど脱いだら残念がられることを誰よりも知っている私は、異性がそこに興味を持つことに強い抵抗があって。


 生まれて初めてのエッチのとき、元カレこうちゃんにその見た目で明らかにガッカリされたのを思い出した私は、思わずギュッと身体を固くした。

 こうちゃんにだって、エッチのそうなる前に、胸のことを話していなかったわけじゃない。

 なのに触れてもらってもち上がらなかった乳首に、愛想を尽かされてしまった。

 きっと、宗親むねちかさんだって……。

「……わ、私っ。不、感症……なんですっ。……お、男の人に面白みがない女だって……ガッカリされるのはっ、もう、イヤなん、です……」

 腕を頭上で束ねられていて、宗親むねちかさんが胸部に触れる手を止めることのできない私は、涙目で彼を見上げて訴えた。

 こんなところまで来て、今更これ。
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