【完結】【R18】好みの彼に弱みを握られていますっ!

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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13.最低男と一緒にしないで?*

罠にかかった獲物

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 恐る恐る寝室の扉を開けると、期待に反して宗親むねちかさんはガッツリ起きていらして。

 ばかりか、「おいで」とベッド縁に大股開きで男らしく腰掛けたまま、私に手招きするの。

 宗親むねちかさんが、見慣れないハーフパンツを履いているせいで、膝下ひざしたにのぞく生足が見えてしまっているのも何だかやたらと恥ずかしくて。

 その姿があまりになまめかしく感じられた私は、思わず立ち止まってうっとりそんな彼に見惚みとれてしまった。

 綺麗すぎる人って何やってもさまになって、ズルイ。


「あ、あのっ」

 寝室内、天井のシーリングライトはオフになっていて、一応ベッドサイドの間接照明だけにしてくださっているのは、いわゆる私に対する配慮かな?

 それにしたって真っ暗闇じゃないのがしんどくて。

 そもそもベッド傍に灯りがあるってことは、そこに近付けばあれもこれも結構しっかり見えてしまうってことで。

「で、んき……」

 って言ったら「ああ、暗過ぎました? シーリングライトもオンにしましょうか?」って……逆です、宗親むねちかさん!


「あ、明る、すぎ!なんですが……」

 しどろもどろになりながら言ったら、薄暗がりの中、宗親むねちかさんが嬉しそうに目をすがめたのが分かった。


春凪はなが無事に僕のそばまでたどり着けたら、ね?」

 私がちゃんとベッドまで行けるように真っ暗闇にしていないんだよ?って言われているんだと気が付いた私は、現状から逃れたい一心でベッドまで足早に近付いて。

「もう大丈夫ですので――」

 照明を落としてくださいって言おうとしたら、まるで罠に掛かった羽虫えものを待ち構えていた蜘蛛みたいな宗親むねちかさんに、素早くグイッと手を引っ張られてベッドに縫い止められていた。

 手を引かれた拍子に抱えていたタンクトップとトランクスがベッドサイドに落ちたけれど、それを気にしていられるゆとりなんてなくて。

 あまりのことに驚きで言葉を紡げないままに目を白黒させて口をパクパクする私に、「結局僕はここで1分以上待たされたんですけど」ってとがめるように宗親むねちかさんが追い討ちをかけていらっしゃる。

「ごめ、なさ……」

 考えてみたら謝る必要なんて微塵もなかったはずなのに、その場の雰囲気と美形の迫力って怖い。

 思わず謝罪の言葉を口走ってしまった私に、宗親むねちかさんがニヤリと笑う。
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