【完結】【R18】好みの彼に弱みを握られていますっ!

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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11.だったら試してみればいい

打倒、彼シャツ

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***


 お風呂上がり。

 脱いだ下着をしっかりと2枚重ねにしたビニール袋に包んで密封してから、鞄の底の方へ仕舞い込んだ。

 本当はすぐにでも洗いたいけれど、現実問題濡らしてしまったら「どこに干すの?問題」が浮上してくるので今日は我慢。

 明日帰ったらすぐに洗うから許してねって下着たちにご免なさいをして鞄を閉じる。


 そうして、先ほどコンビニで買ってきたばかりのカップ付きキャミソールとショーツを身につけてから、宗親むねちかさんが貸してくださった白の半そでTシャツを着る。

 身長差が20センチ以上あるお陰で、太ももの半ばまで丈があるけれど、ミニスカートですか!?みたいな危うい印象はどうしても拭えない。

 ふっふっふ。でもね、大丈夫。

 さっき金銭感覚云々うんぬんで褒められたばかりなことを考えると、大顰蹙だいひんしゅくを買ってしまうかもしれないけれど、必要経費だと思って許して欲しい。

 ――そもそも、あのプリペイドカードの残高がありすぎるからいけないのよ!

 などと手前勝手な理由を頭の中で並べ立ててから、私はショーツの上にチェック柄の黒っぽい男性用下着トランクスを重ねた。

 股のところが前開きになっているのが少し気になるけれど、そこはもう目をつぶろうと思う。


 さっきまで短かすぎてショーツが見えそうだった格好が、短パンがわりに重ねたトランクスのお陰でかなり安心できる見栄えになった。

 ドラマや漫画などでは〝彼シャツ〟の破壊力がよく描かれているけれど、お生憎あいにく様。
 私と宗親むねちかさんは別に本当の恋人同士ではないのだし、こっちの方がいいに決まってる。


***


「お風呂、有難うございました」


 少し悩んだけれど、普段からそんなに化粧を塗りたくっているわけではないし、眠るだけだからいいよねって思って、化粧水などで肌を整えただけのスッピンノーメイクでリビングに入った。


 一応の配慮にマスクをして顔半分を覆ったけれど、暗くなったら息苦しいから外してしまおうとか目論んでいたりします。


 宗親むねちかさんは、今日私がうたた寝してしまった例のキングサイズベッドで一緒に寝ましょう、みたいなことをおっしゃっていたけれど、あれはきっと私の覚悟を試すための冗談だよね?

 リビングに置かれていたソファーが、フラットになってベッドみたいになる仕様だというのはチェック済みだもの。


 私、今夜はそちらで眠らせていただこうと思ってます。
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