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8.それって絶対計画的犯行ですよね?

とりあえず明日いっぱい

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 織田おりた課長は2名のうちの左側――清楚系――の女性に

「あの、急なんですが、来客用の駐車場をひとつ使わせて頂きたいのですが」

 と仰った。

「お車はもう?」

 駐車区画の描かれた平面図をタブレットで見せられて、織田おりた課長が「勝手ながらここに停めさせていただいてます」と左端のひとつを指さした。

「もしどなたかと重なっているようでしたらご指定のスペースへ移動させますが」

 そう続ける織田おりた課長に、「そこでしたら向こう数日間は空いておりますので大丈夫です」とにこやかに女性が応じる。

 来客用駐車スペースは全部で10台分確保されているみたいで、幸いそこには予約が入っていないみたい。

 そういうのも全部この方達が管理なさっているんだなと思ったらますます凄い!って思ってしまって。

「どのくらいのお時間ご利用になられますか?」

 聞かれて、織田おりた課長が「とりあえず明日いっぱいまで」と仰って、私は仰天する。

 お話をするにしても数十分もあれば済みますし、考えてみれば独身男性の1人暮らしのお住まいに上がり込むとか、結婚前の娘がすることではない気がしてきましたっ!

「あ、あのっ」

 慌てて声を出した時には「さぁ行きましょう」って言われて。

 どうやら私がぐるぐるしている間に駐車場の件については話がついてしまったらしい。

「停めた時にも言いましたけど、駐車料金の件なら気にしなくていいですよ?」

 私の呼びかけをそれだと勘違いなさったらしい織田おりた課長が歩きながらこちらを振り返っていらして。

 ――いや、違うんですっ、そうではなくっ!

 言いたい言葉はてんこ盛りなのに、どう話したらいいのか分からなくて時間だけが過ぎてしまう。




「乗って?」

 いつの間にか目の前のかエレベーター扉が口を開けていて、織田おりた課長に箱の中へ誘導される。

 どうやらエレベーターも顔認証で作動するみたいで、利用階の指定などなしでも、住人が何階に住んでいるのかなど把握しているみたい。

 扉が閉まると同時。操作パネルをいじらなくても勝手に上昇を開始したエレベーターに、私は落ち着かずソワソワして。

 何階まで上がるんだろう?

 緊張のあまり箱内で、織田おりた課長から目一杯距離を取って隅っこで固まって階数表示に目を凝らしていたら、「何もそんなに警戒しなくても」とクスッと笑われる。

 いや、しますよっ。

 だって駐車時間っ!
 そんなに長く私を部屋に留めて、一体何を目論んでいらっしゃるのですかっ。

 ふとそんな抗議の言葉が脳裏をよぎったけれど、それを言ったら、逆に〝何かあることを期待している〟みたいに受け取られ兼ねないと口を閉ざす。

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