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6.私を巻き込まないで下さいっ!
僕の下の名前覚えてる?
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「何故? ちょっと呼び方を変えるぐらいどうってことないでしょう? ――あ。まさか柴田さん。僕の下の名前を覚えていないとか?」
春凪ちゃん、が柴田さんになってしまったのにも、仕事をにおわせて、私を追い詰める意図がある気がしてしまう。
織田課長の場合、全ての言動に「たまたま」とか「うっかり」なんて存在していなくて、全て計算ずくに思えるんだもの。
初日に自己紹介したのに上司の名前を記憶してないなんて有り得ませんからね?と言わんばかりの冷ややかな声音に、私はいくら何でも好みのド・ストライクさまの御尊名を忘れるとかないですから!と腹立たしく思う。
「お、覚えてますっ! 課長の下のお名前は宗親さんですっ!」
それで、思わず勢いこんで言ったら、「よく出来ました。では春凪ちゃん。くれぐれもそれでお願いしますね?」と極上スマイルとともにふんわり頭を撫でられた。
その余りにスマートな流れに、わざと言うように仕向けられたのだと気が付いて、ハッとする。
それに! いきなり頭を撫でるなんて! こっ、これはセクハラというやつではないですかっ?
思いながらも心の奥底では分かっているの。
一目惚れの彼にこんな風に触れられることが、ご褒美にしか感じられていないこと。
***
上司との約束とあっては、いくらプライベートと言ってもなかなか反故にすることが出来ないもので。
私はプレートに載った残りの食べ物をかき込むように急いで食べた。
あーん。これじゃ、仕事してる時と変わらないじゃない。
せっかくのお休みの日。もっとじっくり味わってご飯、食べたかったなぁ。
そんなことを頭の片隅で思いながらも、逆にいつも通り、時間に追われたような食べ方をしたおかげで頭がビジネスモードにシフトした。
春凪ちゃん、が柴田さんになってしまったのにも、仕事をにおわせて、私を追い詰める意図がある気がしてしまう。
織田課長の場合、全ての言動に「たまたま」とか「うっかり」なんて存在していなくて、全て計算ずくに思えるんだもの。
初日に自己紹介したのに上司の名前を記憶してないなんて有り得ませんからね?と言わんばかりの冷ややかな声音に、私はいくら何でも好みのド・ストライクさまの御尊名を忘れるとかないですから!と腹立たしく思う。
「お、覚えてますっ! 課長の下のお名前は宗親さんですっ!」
それで、思わず勢いこんで言ったら、「よく出来ました。では春凪ちゃん。くれぐれもそれでお願いしますね?」と極上スマイルとともにふんわり頭を撫でられた。
その余りにスマートな流れに、わざと言うように仕向けられたのだと気が付いて、ハッとする。
それに! いきなり頭を撫でるなんて! こっ、これはセクハラというやつではないですかっ?
思いながらも心の奥底では分かっているの。
一目惚れの彼にこんな風に触れられることが、ご褒美にしか感じられていないこと。
***
上司との約束とあっては、いくらプライベートと言ってもなかなか反故にすることが出来ないもので。
私はプレートに載った残りの食べ物をかき込むように急いで食べた。
あーん。これじゃ、仕事してる時と変わらないじゃない。
せっかくのお休みの日。もっとじっくり味わってご飯、食べたかったなぁ。
そんなことを頭の片隅で思いながらも、逆にいつも通り、時間に追われたような食べ方をしたおかげで頭がビジネスモードにシフトした。
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