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40.噂話
最低なふたり
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「わー、お前ホント鋭すぎて性質悪いわぁー。それに俺より悪人じゃね?」
「何でですか」
「だってさ、そこまで分かってたら普通、哀れな子羊ちゃんのために動くもんだろ」
「えー? イヤですよぉー。笹尾さんと安井さんを敵に回してしんどい思いをするくらいなら、笹尾さんがやったこと知った上でなお、俺は味方ですよー? ってアピールしといたほうが簡単に甘い蜜吸えそうでいいじゃないっすか」
「ホントお前ってヤツは……」
「だからこそ笹尾さん、俺のこと可愛がってくれてるんでしょう?」
「まぁな」
日和見主義で強いモノの味方。そんな後輩だからこそ気に入っているのだと言い切ったササオに、岳斗は眉根を寄せる。そういうズルイ人間の気持ちが分からないこともないと感じてしまう自分が、心の奥底にいるのを感じたからだ。
かつて屋久蓑大葉を妬んで、陰でコソコソと画策していた自分は、確かに彼らと同類だったから。
だが、だからと言って杏子をこんな目に遭わせる人間を許してやる理由にはならない。
「それにしても安井さんみたいな綺麗な彼女がいるのに何で他の女に手ぇ出そうとするんっすか」
不意にシバの声のトーンが変った気がして、岳斗は再度気を引き締める。
「あ? いや、何でって……。お前、四六時中彼女面してアレコレ言われるの想像してみろ。いくら綺麗な女でも嫌気がさすから」
「えー? けど……実際安井さんは笹尾さんの彼女じゃないっすか」
「そりゃそうなんだけどさぁー、いちいちアレコレ指図されるの、嫌いなんだよ。最近は俺が食うモンにもいちいち口出してきやがるし、いい加減乗り換えてぇのよ」
はぁーと盛大な溜め息を吐くササオに、シバがククッと笑う。
「ひっでぇーなぁ、笹尾さん。それ、結局は笹尾さんの体調を心配してくれてのことでしょうに」
「そうだとしても、だ。女が男のすることに口出しすんなって思うんだよね。――それ言ったら逆切れするし。マジ面倒くせぇ」
チッと忌々し気に舌打ちするササオの声に、すぐさまシバが同意する。
「ああ、それ、分かる気がします。女のくせにうるせぇってなりますよね。……まぁその点美住さんは強めに言えばしゅんと大人しく従ってくれそうな従順タイプですもんね。すっげぇ御しやすそう!」
「そうそう。男の理想の女ってやつ? それに……彼女、一見垢抜けない感じだけどさ、よく見たら案外可愛いのよ。知ってた?」
「何でですか」
「だってさ、そこまで分かってたら普通、哀れな子羊ちゃんのために動くもんだろ」
「えー? イヤですよぉー。笹尾さんと安井さんを敵に回してしんどい思いをするくらいなら、笹尾さんがやったこと知った上でなお、俺は味方ですよー? ってアピールしといたほうが簡単に甘い蜜吸えそうでいいじゃないっすか」
「ホントお前ってヤツは……」
「だからこそ笹尾さん、俺のこと可愛がってくれてるんでしょう?」
「まぁな」
日和見主義で強いモノの味方。そんな後輩だからこそ気に入っているのだと言い切ったササオに、岳斗は眉根を寄せる。そういうズルイ人間の気持ちが分からないこともないと感じてしまう自分が、心の奥底にいるのを感じたからだ。
かつて屋久蓑大葉を妬んで、陰でコソコソと画策していた自分は、確かに彼らと同類だったから。
だが、だからと言って杏子をこんな目に遭わせる人間を許してやる理由にはならない。
「それにしても安井さんみたいな綺麗な彼女がいるのに何で他の女に手ぇ出そうとするんっすか」
不意にシバの声のトーンが変った気がして、岳斗は再度気を引き締める。
「あ? いや、何でって……。お前、四六時中彼女面してアレコレ言われるの想像してみろ。いくら綺麗な女でも嫌気がさすから」
「えー? けど……実際安井さんは笹尾さんの彼女じゃないっすか」
「そりゃそうなんだけどさぁー、いちいちアレコレ指図されるの、嫌いなんだよ。最近は俺が食うモンにもいちいち口出してきやがるし、いい加減乗り換えてぇのよ」
はぁーと盛大な溜め息を吐くササオに、シバがククッと笑う。
「ひっでぇーなぁ、笹尾さん。それ、結局は笹尾さんの体調を心配してくれてのことでしょうに」
「そうだとしても、だ。女が男のすることに口出しすんなって思うんだよね。――それ言ったら逆切れするし。マジ面倒くせぇ」
チッと忌々し気に舌打ちするササオの声に、すぐさまシバが同意する。
「ああ、それ、分かる気がします。女のくせにうるせぇってなりますよね。……まぁその点美住さんは強めに言えばしゅんと大人しく従ってくれそうな従順タイプですもんね。すっげぇ御しやすそう!」
「そうそう。男の理想の女ってやつ? それに……彼女、一見垢抜けない感じだけどさ、よく見たら案外可愛いのよ。知ってた?」
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