229 / 273
33.痛いことはしないから
後の祭り
しおりを挟む
「でもっ。そのままだと黒くてツヤツヤした虫が出てきちゃいますよっ?」
「ん? ……ゴキブリのことか?」
せっかく隠語で言ったのに、サラリとその名を告げてくる大葉にコクコクとうなずいたら、「ウリちゃんがいるから大丈夫だ」とはどういうことだろう?
「え……?」
キョトンとして大葉を見上げたら、「俺にもよく分かんねぇんだけど……ウリちゃんが来てから見かけなくなったんだよ、あの虫」とか。
そこでふと、地元の友人が「猫を飼い始めたらGやヤモリを見かけなくなった」と言っていたのを思い出した羽理である。
(ワンちゃんでも効果があるのっ!?)
羽理自身は動物が飼えないアパートに住んでいるので未知の世界だが、もし可愛いモフモフが気持ちの悪いG避けになるというのなら、なんて素敵なんだろう! と思って。
「キュウリちゃん、すごい……」
現状も忘れてうっとりとキュウリちゃんを称えたら、大葉が一瞬驚いたような顔をしてから、すぐさま嬉しそうにふわりと笑った。
「だろ? ウリちゃんはすごいんだ」
まるで自分が褒められたみたいに喜ぶ大葉が可愛くて、無意識に彼の頬へ手を伸ばしたら、その手を愛しそうに包み込まれた。
「羽理……」
あ、マズイ……と思った時には後の祭り。
「……んンっ」
一気に距離を削ってきた大葉に唇を奪われて口腔内を彼の熱い舌で余すところなく探られた羽理は、それだけで身体の芯に熱を点されたのが分かった。
***
(痛くしない、の意味!)
羽理が、足を広げたら痛いということを大葉はお見通しだったらしい。
結局背後から横抱きに抱き締められるような格好で大葉に思うさま愛された羽理は、確かに足をギュッと閉じたままの状態で彼を受け入れることが出来て、そういう意味での痛みはほとんど感じなかった。
最初は側位、次はうつぶせに寝そべった状態で大葉が背後から覆い被さるような形の寝バック、次は動物の交尾さながらな後背位……と、足を閉じたままのエッチにも色々あるのだと学ばされた羽理である。
当然のことながら一晩中あんな体位やこんな体位で何度も求められた結果、羽理は見事な寝不足だ。
翌日にはお仕事に行きますと告げたのに、それはダメでしょう! と思ってしまった。
結局あんなことやこんなことをされ尽くされて、余りの気持ちよさに何度も意識が飛びかけて……最終的には本当に気を失ってしまったらしい。
「えっ?」
ホワホワと温かな心地よさに意識を再浮上させた羽理は、大葉に抱き抱えられる格好で、何と湯船の中だった。
「しんどいところ、ないか?」
背後から気遣うように問い掛けられて、しんどいところはないけれど、恥ずかしい気持ちならてんこ盛りです! と心の中でアワアワする。
「ん? ……ゴキブリのことか?」
せっかく隠語で言ったのに、サラリとその名を告げてくる大葉にコクコクとうなずいたら、「ウリちゃんがいるから大丈夫だ」とはどういうことだろう?
「え……?」
キョトンとして大葉を見上げたら、「俺にもよく分かんねぇんだけど……ウリちゃんが来てから見かけなくなったんだよ、あの虫」とか。
そこでふと、地元の友人が「猫を飼い始めたらGやヤモリを見かけなくなった」と言っていたのを思い出した羽理である。
(ワンちゃんでも効果があるのっ!?)
羽理自身は動物が飼えないアパートに住んでいるので未知の世界だが、もし可愛いモフモフが気持ちの悪いG避けになるというのなら、なんて素敵なんだろう! と思って。
「キュウリちゃん、すごい……」
現状も忘れてうっとりとキュウリちゃんを称えたら、大葉が一瞬驚いたような顔をしてから、すぐさま嬉しそうにふわりと笑った。
「だろ? ウリちゃんはすごいんだ」
まるで自分が褒められたみたいに喜ぶ大葉が可愛くて、無意識に彼の頬へ手を伸ばしたら、その手を愛しそうに包み込まれた。
「羽理……」
あ、マズイ……と思った時には後の祭り。
「……んンっ」
一気に距離を削ってきた大葉に唇を奪われて口腔内を彼の熱い舌で余すところなく探られた羽理は、それだけで身体の芯に熱を点されたのが分かった。
***
(痛くしない、の意味!)
羽理が、足を広げたら痛いということを大葉はお見通しだったらしい。
結局背後から横抱きに抱き締められるような格好で大葉に思うさま愛された羽理は、確かに足をギュッと閉じたままの状態で彼を受け入れることが出来て、そういう意味での痛みはほとんど感じなかった。
最初は側位、次はうつぶせに寝そべった状態で大葉が背後から覆い被さるような形の寝バック、次は動物の交尾さながらな後背位……と、足を閉じたままのエッチにも色々あるのだと学ばされた羽理である。
当然のことながら一晩中あんな体位やこんな体位で何度も求められた結果、羽理は見事な寝不足だ。
翌日にはお仕事に行きますと告げたのに、それはダメでしょう! と思ってしまった。
結局あんなことやこんなことをされ尽くされて、余りの気持ちよさに何度も意識が飛びかけて……最終的には本当に気を失ってしまったらしい。
「えっ?」
ホワホワと温かな心地よさに意識を再浮上させた羽理は、大葉に抱き抱えられる格好で、何と湯船の中だった。
「しんどいところ、ないか?」
背後から気遣うように問い掛けられて、しんどいところはないけれど、恥ずかしい気持ちならてんこ盛りです! と心の中でアワアワする。
11
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
イケメンエリート軍団の籠の中
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
唯一の女子、受付兼秘書係が定年退職となり
女子社員募集要項がネットを賑わした
1名の採用に300人以上が殺到する
松村舞衣(24歳)
友達につき合って応募しただけなのに
何故かその超難関を突破する
凪さん、映司さん、謙人さん、
トオルさん、ジャスティン
イケメンでエリートで華麗なる超一流の人々
でも、なんか、なんだか、息苦しい~~
イケメンエリート軍団の鳥かごの中に
私、飼われてしまったみたい…
「俺がお前に極上の恋愛を教えてやる
他の奴とか? そんなの無視すればいいんだよ」
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる