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21.朝チュンではないけれど
子供だと思えないからこそ
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(大葉の大きな舌で、ベロとか口の中コショコショされるの……何かくすぐったくてムズムズした……)
触れられたのは口なのに、下腹部がキュンと疼くような何とも言えない不思議な感覚で、気が付けば羽理は足をもじもじと擦り合わせていた。
心臓バクバクジェットコースターも、キュンと甘く締め付けられるような下腹部の反応も、大葉と経験したんだと思ったら、何だか嬉しくて照れ臭い。
結果――。
(私っ! ホントに大葉と、最後までしちゃったんだぁ~!)
なんてことを激しく実感してしまって。
(夏乃トマト! 作品の描写に深みが増しそうですっ!)
そう宣言して、布団を頭から被って心の中でキャーキャー悲鳴を上げながら悶えていたら、盛大にゴン!と壁に頭を打ち付けてしまった。
「はぅっ!」
予期せぬ痛みに、今度こそしっかり声を出してしまった羽理だったのだけれど。
「どうしたっ!?」
当然と言うべきか。
大葉がフライ返しを手にしたまま寝室へ飛び込んできた。
***
チキンライスの上に乗っけるフワとろ卵を焼いていたら、隣室からゴン!という音が響いてきた。
それと同時、「はぅ!」とうめき声が聞こえて来て、大葉は慌てて火を止めて仕切り戸を開けたのだけれど。
見れば、ベッドの上に布団をかぶったお化け――ではなく羽理がいて――。「どうしたっ!?」と声を掛けながらも心の中、『何をやってるんだ、こいつは! くっそ可愛いじゃねぇか!』と、他者からすればちょっぴりズレたことを思わずにはいられない。
バナナの皮をむくみたいに被った布団をめくって痛みに震える羽理の顔を中から取り出してみれば、額のところが赤くなってちょっぴり腫れている。
「頭、打ちましたぁぁぁ」
うるりと瞳に涙をにじませて、布団にくるまったまま自分を見上げてくる羽理に、大葉は心臓をズキュン!と撃ち抜かれて。
(俺の彼女、可愛すぎだろ!)
昨夜こんな可愛いのを〝頂いた〟んだと思うと、何となくイケナイことをしたような気持ちに苛まれて心臓がバクバクする。
「痛いの痛いの飛んでいけー!」
いつだったか、公園で羽理に股間を撫でさすられながらそんなことを言われたことがあったのを思い出しつつ羽理の頭をヨシヨシしたら「むぅー。私、子供じゃありませんよぅ!」とか。
「いや、お前もこれ、俺にやったことあるぞ?」
つい本音がポロリ。
「あ、アレは忘れてください! 忘れるべきですっ! 忘れてしまえー!」
結果、羽理と二人、あの時のことを思い出して妙に気恥ずかしくなってしまった。
「とっ、とにかくっ! 俺はお前のことを子供だなんてこれっぽっちも思ってねぇからな?」
そう思えないから大変なんじゃないか、と心の中。フライ返しを手にしたままの間抜けな姿で付け加えつつ。
今だって腕の中の羽理は布団の中で素っ裸なのだと知っているから……布の隙間から見え隠れする胸の膨らみに、大葉は〝愚息〟をなだめるので一杯一杯なのだ。
触れられたのは口なのに、下腹部がキュンと疼くような何とも言えない不思議な感覚で、気が付けば羽理は足をもじもじと擦り合わせていた。
心臓バクバクジェットコースターも、キュンと甘く締め付けられるような下腹部の反応も、大葉と経験したんだと思ったら、何だか嬉しくて照れ臭い。
結果――。
(私っ! ホントに大葉と、最後までしちゃったんだぁ~!)
なんてことを激しく実感してしまって。
(夏乃トマト! 作品の描写に深みが増しそうですっ!)
そう宣言して、布団を頭から被って心の中でキャーキャー悲鳴を上げながら悶えていたら、盛大にゴン!と壁に頭を打ち付けてしまった。
「はぅっ!」
予期せぬ痛みに、今度こそしっかり声を出してしまった羽理だったのだけれど。
「どうしたっ!?」
当然と言うべきか。
大葉がフライ返しを手にしたまま寝室へ飛び込んできた。
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チキンライスの上に乗っけるフワとろ卵を焼いていたら、隣室からゴン!という音が響いてきた。
それと同時、「はぅ!」とうめき声が聞こえて来て、大葉は慌てて火を止めて仕切り戸を開けたのだけれど。
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バナナの皮をむくみたいに被った布団をめくって痛みに震える羽理の顔を中から取り出してみれば、額のところが赤くなってちょっぴり腫れている。
「頭、打ちましたぁぁぁ」
うるりと瞳に涙をにじませて、布団にくるまったまま自分を見上げてくる羽理に、大葉は心臓をズキュン!と撃ち抜かれて。
(俺の彼女、可愛すぎだろ!)
昨夜こんな可愛いのを〝頂いた〟んだと思うと、何となくイケナイことをしたような気持ちに苛まれて心臓がバクバクする。
「痛いの痛いの飛んでいけー!」
いつだったか、公園で羽理に股間を撫でさすられながらそんなことを言われたことがあったのを思い出しつつ羽理の頭をヨシヨシしたら「むぅー。私、子供じゃありませんよぅ!」とか。
「いや、お前もこれ、俺にやったことあるぞ?」
つい本音がポロリ。
「あ、アレは忘れてください! 忘れるべきですっ! 忘れてしまえー!」
結果、羽理と二人、あの時のことを思い出して妙に気恥ずかしくなってしまった。
「とっ、とにかくっ! 俺はお前のことを子供だなんてこれっぽっちも思ってねぇからな?」
そう思えないから大変なんじゃないか、と心の中。フライ返しを手にしたままの間抜けな姿で付け加えつつ。
今だって腕の中の羽理は布団の中で素っ裸なのだと知っているから……布の隙間から見え隠れする胸の膨らみに、大葉は〝愚息〟をなだめるので一杯一杯なのだ。
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