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18.飛ばしすぎ?
俺と一緒で重症だな
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ここまで自分のことを崇拝?してくれる大葉に、今日のお昼は倍相課長と公園でお弁当ランチをしちゃいました……だなんて言ったら、どうなってしまうんだろう?
(内緒にしておいた方がいい、よ、ね?)
そんなことを思ってから、別に大葉がどう思おうと今までの羽理ならそんなに気にならなかったはずなのに、何故今回はそんな風に考えてしまいましたかね!?と思い至って思考が停止する。
「あ、あの……私……」
「ん?」
――お昼に倍相課長と二人でお弁当を食べました。
分からない感情に支配されるくらいなら、いっそのことさらりと白状してしまえばいいと思うのに、羽理はやっぱりそれが出来なくて。
「好きとか嫌いとか……嫉妬するとかしないとか……よく分かりません……。ごめんなさい……」
気が付けば、全然違うことを口走ってしまっていた。
心にやましいことがあるからだろうか。
自然と視線がブレて、羽理はとうとう堪えきれなくなって、うつむいてしまう。
「ホントに……分からないのか?」
なのにまるでそれを許さないと言いたいみたいに、大葉にそっとあごに手を添えられて上向かされた羽理は、ソワソワと視線をそらせる。
「なぁ、羽理。例えば、なんだがな。――俺がお前を放っぽって羽理以外の女と親しげにしてたとしたらどうだ? 平気か?」
あごを掴まれたままそんなことを問われた羽理は「へ、平気に決まってますっ」と答えたのだけれど。
「だったら何で……俺が柚子と一緒にいたことを責めて、あんなに泣いたんだ?」
「そ、それは……た、大葉がっ。私のことを好きだって言ってたくせに……後で呼び出すって言う約束まで破って別の女性を優先させたと思ったからです! あの時はまだ、会社の受付で貴方と一緒にいた綺麗な女の人が……大葉のお姉さんだって知らなかった、から……」
「ん? お前、あん時ロビーにいたのか……?」
勢い込んでそこまで言ったら、大葉が「だったら声掛けてくれりゃ、よかったのに……」と付け足して、嬉し気に顔をほころばせてふっと笑うから。
羽理はその時のどうしようもなく苦しかった気持ちを思い出して、何だか腹立たしくなってきてしまう。
「し、仕事だって手に就かなくて早退までして……泣きながらお風呂に入ったのに……! 笑うとか酷い!」
「……ああ、俺と一緒で重症だな」
「え?」
「分からないのか? 羽理。それが〝ヤキモチを妬く〟ってことだ」
大葉の言葉に羽理はビクッと身体を震わせて……挙動不審に彷徨わせていた目線を恐る恐る大葉に合わせて……。
「やき、もち?」
確認するみたいにそう問いかけた。
「ああ、そうだ。――羽理はしんどかったかも知れねぇけど……すまん。俺はお前が妬いてくれてるって知って、ちょっと……いや、かなり嬉しかった」
「……え?」
「お前が俺のことを意識してくれてるんだなって分かって……。俺だけの一方通行じゃないって思えたの、すっげぇ幸せなことだったんだよ。羽理がクソ真面目に心臓が痛い、死ぬかもって悩んでんのも恋愛初心者な感じがして可愛くて……。けど一応俺なりにそれは恋煩いだぞって伝えたつもりだったんだがな? 結局、何か伝わってなくね?って分かってからも……お前が俺のことでいちいち戸惑う姿が可愛すぎて……つい訂正が遅れちまった。……すまん」
「ひょっとして大葉が最初に言ってた、お医者様でも草津の湯でもっていうの……」
「恋の病には治療法はねぇって良く言うだろ?」
大葉がほんの少し腕を緩めてくれて……間近で愛し気に羽理のことを見下ろしてくるから。
羽理はそんな大葉の顔を見上げて、胸がキュンと引き絞られるように痛むのを感じた。
「この、切ないくらいに痛いのが……恋の……?」
胸元の服をギュッと掴んで言ったら、「ああ、そうだ」と肯定されて。
羽理は、コレが俗に言う恋のときめきなのだと自覚した途端、頬がブワッと熱くなるのを感じた。
(内緒にしておいた方がいい、よ、ね?)
そんなことを思ってから、別に大葉がどう思おうと今までの羽理ならそんなに気にならなかったはずなのに、何故今回はそんな風に考えてしまいましたかね!?と思い至って思考が停止する。
「あ、あの……私……」
「ん?」
――お昼に倍相課長と二人でお弁当を食べました。
分からない感情に支配されるくらいなら、いっそのことさらりと白状してしまえばいいと思うのに、羽理はやっぱりそれが出来なくて。
「好きとか嫌いとか……嫉妬するとかしないとか……よく分かりません……。ごめんなさい……」
気が付けば、全然違うことを口走ってしまっていた。
心にやましいことがあるからだろうか。
自然と視線がブレて、羽理はとうとう堪えきれなくなって、うつむいてしまう。
「ホントに……分からないのか?」
なのにまるでそれを許さないと言いたいみたいに、大葉にそっとあごに手を添えられて上向かされた羽理は、ソワソワと視線をそらせる。
「なぁ、羽理。例えば、なんだがな。――俺がお前を放っぽって羽理以外の女と親しげにしてたとしたらどうだ? 平気か?」
あごを掴まれたままそんなことを問われた羽理は「へ、平気に決まってますっ」と答えたのだけれど。
「だったら何で……俺が柚子と一緒にいたことを責めて、あんなに泣いたんだ?」
「そ、それは……た、大葉がっ。私のことを好きだって言ってたくせに……後で呼び出すって言う約束まで破って別の女性を優先させたと思ったからです! あの時はまだ、会社の受付で貴方と一緒にいた綺麗な女の人が……大葉のお姉さんだって知らなかった、から……」
「ん? お前、あん時ロビーにいたのか……?」
勢い込んでそこまで言ったら、大葉が「だったら声掛けてくれりゃ、よかったのに……」と付け足して、嬉し気に顔をほころばせてふっと笑うから。
羽理はその時のどうしようもなく苦しかった気持ちを思い出して、何だか腹立たしくなってきてしまう。
「し、仕事だって手に就かなくて早退までして……泣きながらお風呂に入ったのに……! 笑うとか酷い!」
「……ああ、俺と一緒で重症だな」
「え?」
「分からないのか? 羽理。それが〝ヤキモチを妬く〟ってことだ」
大葉の言葉に羽理はビクッと身体を震わせて……挙動不審に彷徨わせていた目線を恐る恐る大葉に合わせて……。
「やき、もち?」
確認するみたいにそう問いかけた。
「ああ、そうだ。――羽理はしんどかったかも知れねぇけど……すまん。俺はお前が妬いてくれてるって知って、ちょっと……いや、かなり嬉しかった」
「……え?」
「お前が俺のことを意識してくれてるんだなって分かって……。俺だけの一方通行じゃないって思えたの、すっげぇ幸せなことだったんだよ。羽理がクソ真面目に心臓が痛い、死ぬかもって悩んでんのも恋愛初心者な感じがして可愛くて……。けど一応俺なりにそれは恋煩いだぞって伝えたつもりだったんだがな? 結局、何か伝わってなくね?って分かってからも……お前が俺のことでいちいち戸惑う姿が可愛すぎて……つい訂正が遅れちまった。……すまん」
「ひょっとして大葉が最初に言ってた、お医者様でも草津の湯でもっていうの……」
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羽理はそんな大葉の顔を見上げて、胸がキュンと引き絞られるように痛むのを感じた。
「この、切ないくらいに痛いのが……恋の……?」
胸元の服をギュッと掴んで言ったら、「ああ、そうだ」と肯定されて。
羽理は、コレが俗に言う恋のときめきなのだと自覚した途端、頬がブワッと熱くなるのを感じた。
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