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17.ちぐはぐな二人
普通、裸の女の子が目の前にいたら襲いたくならない?
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そのタイミングを推し測ったみたいに柚子の足元からテトテトと離れたキュウリが、羽理の股座へやけにご執心になって。
羽理が懸命にブランケットでカバーするも、執拗にその上からフンフンと羽理の股間の匂いを嗅ごうとするから。
結局、余りのしつこさに羽理が困ったように眉根を寄せて大葉を見上げてきた。
(ひょっとして羽理がノーパンだからそんなに反応してるのかっ!?)
「こらっ、ウリちゃん!」
言って、キュウリを抱き上げて羽理から引き剥がした大葉だったけれど、内心(羨ましいでちゅよ、ウリちゃん!)とか思っているのは内緒だ。
そのまましれっと羽理の横へ座った大葉は、キュウリを抱き抱えたまま「――でな、柚……、こいつが言うんだ。ワープするようになっちまった原因があるんじゃねぇか?って」と柚子にちらりと視線を投げ掛けて本題に入った。
羽理がさり気なく座布団の端っこに寄って、大葉から距離をあけたすぐそばで、大葉の手をキュウリがペロペロペロペロ……しつこいぐらいにエンドレスで舐め始める。
抱き上げると割といつもそんな感じなので大葉は気にしていないのだが、すぐそばでそんなキュウリの様子を目の当たりにした羽理は、さっきまで自分の危ういところに張り付いていたワンコの口元が今度は大葉の手を舐めている様に、落ち着かない様子でソワソワと視線を彷徨わせた。
柚子はそんな二人の様子――主にオロオロしている羽理の姿――を、真正面から目を細めて見守っているのだけれど、もちろんあえて指摘はしない。
代わりに「こいつって……お姉さまとか柚子さまとか言えないの?」と抗議しながら、スッと立ち上がって大葉の手からキュウリを奪い取った。
「ところでたいちゃんと羽理ちゃんって……」
柚子の抗議に「はいはい」と適当な返事をする大葉の横で、羽理が「原因……」と真剣な様子で考え込んでいる。
そんな二人を交互に見遣って、柚子が口を開いた。
***
大葉の姉だと言う一羽柚子との初邂逅は、お互い真っ裸と言う最悪なものだった。
女同士だからいいかと言うと、そう言うこともなくて……。
例えば最初からお互い裸でいることが前提の温泉などなら心の準備も出来ている。
でも、今回は余りに突然過ぎたから。
何と言うかフルンと揺れた柚子の大きなおっぱいに、羽理は正直滅茶苦茶怯んだのだ。
いや、怯んだと言うより僻んだ、に近いかも知れない。
一番最初に思ったのは、(あんな大きなお胸の女性には〝勝てっこない〟!)と言うこと。
大葉に彼女は姉だと説明された後も、あんな巨乳のお姉さんを見て育った大葉には、羽理のちっぱいはさぞかしささやかに映っただろうなと言うことで。
大葉、一応に羽理の裸に反応はしてくれていた気がするけれど、それすら何となく心許なく思えて泣きたくなってしまった。
だって――。
(普通、裸の女の子が目の前にいたら襲いたくならない?)
襲われても困るけれど、自分のことを好きだと明言してくれた後のつい今し方だって、大葉は淡々と羽理にバスタオルを掛けてくれただけ。
二人きりになった後でさえも、大葉はとっても〝紳士的〟で……思わず抱き付いてしまいそうになるとか、衝動に駆られて迫ろうとしてくるとか……そんな素振りは微塵もなかった。
心臓がバクバクするのはいつも羽理だけな気がして、何だかとっても理不尽に思えたと言ったらワガママだろうか?
羽理が懸命にブランケットでカバーするも、執拗にその上からフンフンと羽理の股間の匂いを嗅ごうとするから。
結局、余りのしつこさに羽理が困ったように眉根を寄せて大葉を見上げてきた。
(ひょっとして羽理がノーパンだからそんなに反応してるのかっ!?)
「こらっ、ウリちゃん!」
言って、キュウリを抱き上げて羽理から引き剥がした大葉だったけれど、内心(羨ましいでちゅよ、ウリちゃん!)とか思っているのは内緒だ。
そのまましれっと羽理の横へ座った大葉は、キュウリを抱き抱えたまま「――でな、柚……、こいつが言うんだ。ワープするようになっちまった原因があるんじゃねぇか?って」と柚子にちらりと視線を投げ掛けて本題に入った。
羽理がさり気なく座布団の端っこに寄って、大葉から距離をあけたすぐそばで、大葉の手をキュウリがペロペロペロペロ……しつこいぐらいにエンドレスで舐め始める。
抱き上げると割といつもそんな感じなので大葉は気にしていないのだが、すぐそばでそんなキュウリの様子を目の当たりにした羽理は、さっきまで自分の危ういところに張り付いていたワンコの口元が今度は大葉の手を舐めている様に、落ち着かない様子でソワソワと視線を彷徨わせた。
柚子はそんな二人の様子――主にオロオロしている羽理の姿――を、真正面から目を細めて見守っているのだけれど、もちろんあえて指摘はしない。
代わりに「こいつって……お姉さまとか柚子さまとか言えないの?」と抗議しながら、スッと立ち上がって大葉の手からキュウリを奪い取った。
「ところでたいちゃんと羽理ちゃんって……」
柚子の抗議に「はいはい」と適当な返事をする大葉の横で、羽理が「原因……」と真剣な様子で考え込んでいる。
そんな二人を交互に見遣って、柚子が口を開いた。
***
大葉の姉だと言う一羽柚子との初邂逅は、お互い真っ裸と言う最悪なものだった。
女同士だからいいかと言うと、そう言うこともなくて……。
例えば最初からお互い裸でいることが前提の温泉などなら心の準備も出来ている。
でも、今回は余りに突然過ぎたから。
何と言うかフルンと揺れた柚子の大きなおっぱいに、羽理は正直滅茶苦茶怯んだのだ。
いや、怯んだと言うより僻んだ、に近いかも知れない。
一番最初に思ったのは、(あんな大きなお胸の女性には〝勝てっこない〟!)と言うこと。
大葉に彼女は姉だと説明された後も、あんな巨乳のお姉さんを見て育った大葉には、羽理のちっぱいはさぞかしささやかに映っただろうなと言うことで。
大葉、一応に羽理の裸に反応はしてくれていた気がするけれど、それすら何となく心許なく思えて泣きたくなってしまった。
だって――。
(普通、裸の女の子が目の前にいたら襲いたくならない?)
襲われても困るけれど、自分のことを好きだと明言してくれた後のつい今し方だって、大葉は淡々と羽理にバスタオルを掛けてくれただけ。
二人きりになった後でさえも、大葉はとっても〝紳士的〟で……思わず抱き付いてしまいそうになるとか、衝動に駆られて迫ろうとしてくるとか……そんな素振りは微塵もなかった。
心臓がバクバクするのはいつも羽理だけな気がして、何だかとっても理不尽に思えたと言ったらワガママだろうか?
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