94 / 342
16.その女性(ひと)は誰ですか?
大葉のバカ
しおりを挟む 殿下とのお茶会当日――――
フィーリアは普段着ない色のドレスを身に付けていた。
普段は王族の婚約者であり大公家の令嬢という地位に見合った気品あるドレスを選んで着るように心がけていたが、今日のお茶会は普段とは違う事をコンセプトに挑む為、普段のフィーリアなら選ばない淡いレモン色のドレスを選んだ。
シフォン素材の軽やかなドレスは、袖口と裾にレースとフリルが施してあり、甘い砂糖菓子のような令嬢が着るようなドレスである。
しかし、首回りは露出が大きくなっており、フィーリアの細い鎖骨は勿論のこと、胸元ギリギリの見えそうで見えない部分まで開いていた。
前日にそのドレスをフィーリアが選んだ事を知った出来る侍女達がコレはけしからんと鎖骨より下の部分に薄いレース地の布を縫い付けたのだが、それがまたフィーリアの豊かな部分に艶めかしさを添えていた。
可憐で甘い黄色いドレスに艶めかしいフィーリア。
侍女達は目線で語り合う。
『これって外に出していいフィーリア様じゃない気がするわ』と。
普段は露出が殆どなく、公の場では首元まで詰まった襟のドレスを着ることもある。
それはそれで禁欲的な姿に妄想を捻らす殿方の注目の的であるのだが。
体に沿ったドレスを着ない為、フィーリアのメリハリのある体型は外部に漏れていないが、実は――――なフィーリア。
「フィーリア様、今日ドレスにはこの純白のレースのショールがお似合いですわ。」
侍女はフィーリアの肩に繊細な総レースのショールをかける。
「ありがとう。」
フィーリアはにっこり微笑んで侍女のアドバイスを受け入れた。
侍女は、フィーリアの艶めかしさが少し薄らぎホッと息を吐いた。
色んな噂を訊くが、最近になって女遊びを覚えたらしい殿下が婚姻前に何かやらかしても困るのだ。
自衛といえる自衛でもないが、しないよりマシである。
今日は愛らしさ満載のフィーリア様である。
艶やかな髪を緩く編み込み左側に流し、右耳には殿下から送られた藤の花を模したイヤリングが見えるように右側をスッキリとさせている。
その右側に申し訳程度に後れ毛を残しているのだが、その後れ毛が首筋を滑る様が何とも……
フィーリア様の美貌は有名で、指摘しようとすればアレコレとなるので、侍女たちはこれ以上は言うまいと口を閉じた。
「では、いってくるわね」
フィーリア様は送り出しに現れた使用人たちに笑顔を向け、淑やかな仕草で馬車に乗り込んで王宮へ向かった。
「フィーリアは……来てくれるだろうか。」
フィーリアとのお茶の時間を少しでも長く捻出する為に、シリウスはせっせと書類を捌いていく。
それでも時々ポツリと独り言を口にしていた。
「あー、どうですかねー、こないかもしれませんねー」
朝から両手の指では数えきれない程に独り言を訊く羽目になっているルークは段々と受け答えが雑になってきている。
とうとう「こないかもしれませんねー」と嫌味も言いたくなるほど。
「なっ!? お前、不吉な事を言うな!」
カッと目を見開いてこちらを凝視するシリウス。
美貌の男がそんな顔をするとちょっと怖い。
「朝から何度目ですか殿下。フィーリア様からは楽しみにしていると了承のお返事を頂いたのでしょう? いくら殿下の日頃の行いが悪いからといって一度了承したものを撤回なさるような方ではないでしょうに。」
「うう……」
側近のルークの容赦ない攻撃にシリウスは胸を押さえる。
「悪手だと申し上げましたでしょう。何度も。嫉妬されたいが為と他の令嬢と仲良くする姿を見て男として好きになって貰えるとかどうやったら思えるのですか。
殿下の美貌と地位と名誉に群がる令嬢と違うんですよ、フィーリア様は。
あのように高潔な方に今までのような振る舞いを見せ続けていれば、むしろ嫌われて然るべきかと思います。」
「……そうだよな。」
ズーーンと暗く堕ちていくシリウスを見遣り「あ、やべ、言い過ぎた」と気付くルーク。あまりにもバカに振り切れた振る舞いをフィーリアにしているのを見続けていた鬱憤が漏れ過ぎてしまったと反省した。
幾度も幾度も強く諫めても聞き入れて貰えなかった八つ当たりも。
「それでも、まぁ……手遅れかもしれませんが、今、気付いてどうにかしようとしているのですから。まだ挽回できる余地はほんの少しあります。
今日のお茶会で素直になることです。
まずは謝罪、そして、気持ちを打ち明けるんですよ?
あ、その重たい愛すべてを話したら逃げられますからね?
一般的な量の愛をお伝えくださいね。」
ぐっと何かを堪えるように口を引き結ぶシリウス。
重たい愛の自覚はあるようだ。
「しっかり謝罪はする。
愚かな私の振る舞いを反省し、平身低頭で謝罪する。
赦して貰えるかは分からないが、罵られてもいいから婚約だけは続けて貰えるよう請うつもりだ。」
「最近、不穏な噂が出てますからね……。
侯爵の動きも何となく怖いですし。
救いがあるとしたら、あれだけいちゃいちゃしていた令嬢たちとは肉体関係がないというだけですね。
口付けもしてないですよね?」
「肉体関係がある訳ないだろう! 私にはフィーリアがいるんだぞ!!
他の女と口づけもするものか! フィーリアともしてないのに!」
「…………いやしてなくて良かったですけど。
フィーリア様としてたら他の方ともしてるってことですか?」
「はぁ!? しない、絶対に、しない!
私の初めては全てフィーリアに捧げると決めているんだ。
閨教育ですら実地は拒否した。
では見るだけでもと勧められたのを拒否したのもお前なら訊いていただろう?」
「ああー、まあ、はい。」
あの時はシリウスが大騒ぎして面倒くさい感じになったのを覚えている。
王妃様が呆れて、陛下が怒って見るだけてもって強制的にしようとしたら、殿下は胃にあるもの全て嘔吐したという。
それも、実地に呼び出した娼婦と男娼が裸になる前の状態で吐いていた。
騒然とした現場には当然のこと箝口令が敷かれ、殿下は講義と書物で異例の閨教育を済ませたのだった。
「フィーリア様に万が一婚約破棄されたら、国の一大事になることだけは分かっていますよ。殿下、死ぬ気で頑張って下さいね。」
「……ああ。」
シリウスは苦悶に満ちた顔で頷く。
そこまで分かっていて、何であんな馬鹿な振る舞いを試してみようと思ったんだろうなぁ。
ホントにこいつフィーリア様関連になるとポンコツ過ぎだわ……と幼馴染であり側近であるルークは思うのだった。
扉がノックされ入室を許可された侍従が執務室に入って来る。
「レイゼンベルグ大公令嬢が到着致しました。今、庭園にご案内中です。」
「ああ、今向かう!……ぐっ」
ガンッと強かに机に脚を打ち付けたシリウス。
フィーリアの到着に嬉しさに飛び上がるように立ったせいである。
その姿にため息を零すルーク。
侍従が不安そうにルークとシリウスを交互に見つめている。
退室のタイミングを失したようだ。
ルークは侍従に無言で行っていいと指先で扉を指してやる。
侍従は不安気になっていた表情をパっと明るくして、コクコクと頷き退室した。
「殿下、痛みが引いたら参りましょうね。」
手のかかるシリウスに冷静に告げるルークであった。
フィーリアは普段着ない色のドレスを身に付けていた。
普段は王族の婚約者であり大公家の令嬢という地位に見合った気品あるドレスを選んで着るように心がけていたが、今日のお茶会は普段とは違う事をコンセプトに挑む為、普段のフィーリアなら選ばない淡いレモン色のドレスを選んだ。
シフォン素材の軽やかなドレスは、袖口と裾にレースとフリルが施してあり、甘い砂糖菓子のような令嬢が着るようなドレスである。
しかし、首回りは露出が大きくなっており、フィーリアの細い鎖骨は勿論のこと、胸元ギリギリの見えそうで見えない部分まで開いていた。
前日にそのドレスをフィーリアが選んだ事を知った出来る侍女達がコレはけしからんと鎖骨より下の部分に薄いレース地の布を縫い付けたのだが、それがまたフィーリアの豊かな部分に艶めかしさを添えていた。
可憐で甘い黄色いドレスに艶めかしいフィーリア。
侍女達は目線で語り合う。
『これって外に出していいフィーリア様じゃない気がするわ』と。
普段は露出が殆どなく、公の場では首元まで詰まった襟のドレスを着ることもある。
それはそれで禁欲的な姿に妄想を捻らす殿方の注目の的であるのだが。
体に沿ったドレスを着ない為、フィーリアのメリハリのある体型は外部に漏れていないが、実は――――なフィーリア。
「フィーリア様、今日ドレスにはこの純白のレースのショールがお似合いですわ。」
侍女はフィーリアの肩に繊細な総レースのショールをかける。
「ありがとう。」
フィーリアはにっこり微笑んで侍女のアドバイスを受け入れた。
侍女は、フィーリアの艶めかしさが少し薄らぎホッと息を吐いた。
色んな噂を訊くが、最近になって女遊びを覚えたらしい殿下が婚姻前に何かやらかしても困るのだ。
自衛といえる自衛でもないが、しないよりマシである。
今日は愛らしさ満載のフィーリア様である。
艶やかな髪を緩く編み込み左側に流し、右耳には殿下から送られた藤の花を模したイヤリングが見えるように右側をスッキリとさせている。
その右側に申し訳程度に後れ毛を残しているのだが、その後れ毛が首筋を滑る様が何とも……
フィーリア様の美貌は有名で、指摘しようとすればアレコレとなるので、侍女たちはこれ以上は言うまいと口を閉じた。
「では、いってくるわね」
フィーリア様は送り出しに現れた使用人たちに笑顔を向け、淑やかな仕草で馬車に乗り込んで王宮へ向かった。
「フィーリアは……来てくれるだろうか。」
フィーリアとのお茶の時間を少しでも長く捻出する為に、シリウスはせっせと書類を捌いていく。
それでも時々ポツリと独り言を口にしていた。
「あー、どうですかねー、こないかもしれませんねー」
朝から両手の指では数えきれない程に独り言を訊く羽目になっているルークは段々と受け答えが雑になってきている。
とうとう「こないかもしれませんねー」と嫌味も言いたくなるほど。
「なっ!? お前、不吉な事を言うな!」
カッと目を見開いてこちらを凝視するシリウス。
美貌の男がそんな顔をするとちょっと怖い。
「朝から何度目ですか殿下。フィーリア様からは楽しみにしていると了承のお返事を頂いたのでしょう? いくら殿下の日頃の行いが悪いからといって一度了承したものを撤回なさるような方ではないでしょうに。」
「うう……」
側近のルークの容赦ない攻撃にシリウスは胸を押さえる。
「悪手だと申し上げましたでしょう。何度も。嫉妬されたいが為と他の令嬢と仲良くする姿を見て男として好きになって貰えるとかどうやったら思えるのですか。
殿下の美貌と地位と名誉に群がる令嬢と違うんですよ、フィーリア様は。
あのように高潔な方に今までのような振る舞いを見せ続けていれば、むしろ嫌われて然るべきかと思います。」
「……そうだよな。」
ズーーンと暗く堕ちていくシリウスを見遣り「あ、やべ、言い過ぎた」と気付くルーク。あまりにもバカに振り切れた振る舞いをフィーリアにしているのを見続けていた鬱憤が漏れ過ぎてしまったと反省した。
幾度も幾度も強く諫めても聞き入れて貰えなかった八つ当たりも。
「それでも、まぁ……手遅れかもしれませんが、今、気付いてどうにかしようとしているのですから。まだ挽回できる余地はほんの少しあります。
今日のお茶会で素直になることです。
まずは謝罪、そして、気持ちを打ち明けるんですよ?
あ、その重たい愛すべてを話したら逃げられますからね?
一般的な量の愛をお伝えくださいね。」
ぐっと何かを堪えるように口を引き結ぶシリウス。
重たい愛の自覚はあるようだ。
「しっかり謝罪はする。
愚かな私の振る舞いを反省し、平身低頭で謝罪する。
赦して貰えるかは分からないが、罵られてもいいから婚約だけは続けて貰えるよう請うつもりだ。」
「最近、不穏な噂が出てますからね……。
侯爵の動きも何となく怖いですし。
救いがあるとしたら、あれだけいちゃいちゃしていた令嬢たちとは肉体関係がないというだけですね。
口付けもしてないですよね?」
「肉体関係がある訳ないだろう! 私にはフィーリアがいるんだぞ!!
他の女と口づけもするものか! フィーリアともしてないのに!」
「…………いやしてなくて良かったですけど。
フィーリア様としてたら他の方ともしてるってことですか?」
「はぁ!? しない、絶対に、しない!
私の初めては全てフィーリアに捧げると決めているんだ。
閨教育ですら実地は拒否した。
では見るだけでもと勧められたのを拒否したのもお前なら訊いていただろう?」
「ああー、まあ、はい。」
あの時はシリウスが大騒ぎして面倒くさい感じになったのを覚えている。
王妃様が呆れて、陛下が怒って見るだけてもって強制的にしようとしたら、殿下は胃にあるもの全て嘔吐したという。
それも、実地に呼び出した娼婦と男娼が裸になる前の状態で吐いていた。
騒然とした現場には当然のこと箝口令が敷かれ、殿下は講義と書物で異例の閨教育を済ませたのだった。
「フィーリア様に万が一婚約破棄されたら、国の一大事になることだけは分かっていますよ。殿下、死ぬ気で頑張って下さいね。」
「……ああ。」
シリウスは苦悶に満ちた顔で頷く。
そこまで分かっていて、何であんな馬鹿な振る舞いを試してみようと思ったんだろうなぁ。
ホントにこいつフィーリア様関連になるとポンコツ過ぎだわ……と幼馴染であり側近であるルークは思うのだった。
扉がノックされ入室を許可された侍従が執務室に入って来る。
「レイゼンベルグ大公令嬢が到着致しました。今、庭園にご案内中です。」
「ああ、今向かう!……ぐっ」
ガンッと強かに机に脚を打ち付けたシリウス。
フィーリアの到着に嬉しさに飛び上がるように立ったせいである。
その姿にため息を零すルーク。
侍従が不安そうにルークとシリウスを交互に見つめている。
退室のタイミングを失したようだ。
ルークは侍従に無言で行っていいと指先で扉を指してやる。
侍従は不安気になっていた表情をパっと明るくして、コクコクと頷き退室した。
「殿下、痛みが引いたら参りましょうね。」
手のかかるシリウスに冷静に告げるルークであった。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
【R18・完結】甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
花室 芽苳
恋愛
【本編完結/番外編完結】
この人なら愛せそうだと思ったお見合い相手は、私の妹を愛してしまった。
2人の間を邪魔して壊そうとしたけど、逆に2人の想いを見せつけられて……
そんな時叔父が用意した新しいお見合い相手は大企業の御曹司。
両親と叔父の勧めで、あっという間に俺様御曹司との新婚初夜!?
「夜のお相手は、他の女性に任せます!」
「は!?お前が妻なんだから、諦めて抱かれろよ!」
絶対にお断りよ!どうして毎夜毎夜そんな事で喧嘩をしなきゃならないの?
大きな会社の社長だからって「あれするな、これするな」って、偉そうに命令してこないでよ!
私は私の好きにさせてもらうわ!
狭山 聖壱 《さやま せいいち》 34歳 185㎝
江藤 香津美 《えとう かつみ》 25歳 165㎝
※ 花吹は経営や経済についてはよくわかっていないため、作中におかしな点があるかと思います。申し訳ありません。m(__)m
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。
渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!?
合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡――
だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。
「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき……
《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる