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7.今夜は泊まって行け
どらいやぁもしてくれましゅか?
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手を掴まえて羽理の頭上で一纏めに束ねたら、彼女に被せたバスタオルがはらりと二人の足元へ落ちた……。
そうしてまろび出た、決して大ぶりではないけれど形の良い、それこそ大葉好みの羽理の胸がツンと天を突いて揺れるから。
大葉は吸い寄せられるようにそこへ手を伸ばした――。
そんな淫らな想像をしてしまった大葉は、フルフルと首を振って危険な妄想を払いのけた。
「わらし、男の人のココ、触ったの初めれれす」
――感動しましらっ!とわけの分からない感想を述べている羽理を見下ろしながら、大葉は〝初めて〟と言うところにピクンと反応する。
「荒木。お前、彼氏、いたんじゃなかったのか」
「居ましらけろ……。恋人の居ら人間が皆自分みらいにエッチしらころあるろ思うなよぉ、屋久蓑大葉」
腕の中の羽理が、キッと大葉を睨んでくるのがたまらなく愛しくて。
(そうか。経験ないのか……)
やけにホッとしてしまったと言ったら、羽理をますます怒らせてしまいそうで、大葉は声に出さずにその事実を噛みしめた。
「とりあえず、タオルを身体に巻け。頭は俺が拭いてやる」
「どらいやぁもしてくれましゅか?」
「ああ、してやる」
「やったぁー。屋久蓑部長大好きれしゅ~♥」
酔っぱらいの言うことなんて宛てにはならないけれど……。
悪くないと思っている相手に〝大好き〟だと言われた大葉は、こういうのも悪くないなと思って。
自分の頭もまだ適当にしか拭けていないけれど、腕の中の羽理のことをとことん甘やかしてやろうと思った。
***
風呂から上がるなり頭から水滴を滴らせながら腰タオル姿のまま。
キッチンへ直行して、椅子を持ち運び始めた飼い主を不思議そうな顔で見上げながら、キュウリが爪音をカチャカチャ言わせながら大葉の後を付き歩く。
(ああ、そろそろ爪切ってやらねぇとな……)
その音を耳にしてそんなことを思いつつ洗面所へ戻ったら、大葉の足元を見た羽理が、「ああ~ん、ダックス~。可愛いれしゅねぇ~」とヘラリと笑った。
てっきり完全に猫派で犬には興味がないと思っていた羽理に手放しで愛犬を褒められた大葉は、嬉しくなって。「美人だろ。うちのう……、キュウリ」と答えた。
(やべっ。危うくコイツの前で〝ウリちゃん〟とか呼びそうになっちまった)
さすがにそれは変な誤解を招きそうだと思って。
「とりあえず座れ」
大葉は失態を誤魔化すみたいに羽理の手を引いて持ってきた椅子へ座らせた。
ふにゃふにゃと所在のない羽理を、いつも自分を拭くときみたく雑に扱ったりせず、壊れものに触れるみたいに丁寧に優しくタオルドライしてやる。
ドライヤーを手に、「熱かったらすぐ言えよ?」と言ったら、「はぁーい!」と羽理が勢いよく手を挙げて。
(バカっ。そんな激しく動いたらタオルが外れちまうだろ!)
無防備すぎて死ぬほど心臓と股間に悪い。
早いところ髪の毛を乾かしてやって、さっさと服を着せてしまわねば、と思った大葉だ。
そうしてまろび出た、決して大ぶりではないけれど形の良い、それこそ大葉好みの羽理の胸がツンと天を突いて揺れるから。
大葉は吸い寄せられるようにそこへ手を伸ばした――。
そんな淫らな想像をしてしまった大葉は、フルフルと首を振って危険な妄想を払いのけた。
「わらし、男の人のココ、触ったの初めれれす」
――感動しましらっ!とわけの分からない感想を述べている羽理を見下ろしながら、大葉は〝初めて〟と言うところにピクンと反応する。
「荒木。お前、彼氏、いたんじゃなかったのか」
「居ましらけろ……。恋人の居ら人間が皆自分みらいにエッチしらころあるろ思うなよぉ、屋久蓑大葉」
腕の中の羽理が、キッと大葉を睨んでくるのがたまらなく愛しくて。
(そうか。経験ないのか……)
やけにホッとしてしまったと言ったら、羽理をますます怒らせてしまいそうで、大葉は声に出さずにその事実を噛みしめた。
「とりあえず、タオルを身体に巻け。頭は俺が拭いてやる」
「どらいやぁもしてくれましゅか?」
「ああ、してやる」
「やったぁー。屋久蓑部長大好きれしゅ~♥」
酔っぱらいの言うことなんて宛てにはならないけれど……。
悪くないと思っている相手に〝大好き〟だと言われた大葉は、こういうのも悪くないなと思って。
自分の頭もまだ適当にしか拭けていないけれど、腕の中の羽理のことをとことん甘やかしてやろうと思った。
***
風呂から上がるなり頭から水滴を滴らせながら腰タオル姿のまま。
キッチンへ直行して、椅子を持ち運び始めた飼い主を不思議そうな顔で見上げながら、キュウリが爪音をカチャカチャ言わせながら大葉の後を付き歩く。
(ああ、そろそろ爪切ってやらねぇとな……)
その音を耳にしてそんなことを思いつつ洗面所へ戻ったら、大葉の足元を見た羽理が、「ああ~ん、ダックス~。可愛いれしゅねぇ~」とヘラリと笑った。
てっきり完全に猫派で犬には興味がないと思っていた羽理に手放しで愛犬を褒められた大葉は、嬉しくなって。「美人だろ。うちのう……、キュウリ」と答えた。
(やべっ。危うくコイツの前で〝ウリちゃん〟とか呼びそうになっちまった)
さすがにそれは変な誤解を招きそうだと思って。
「とりあえず座れ」
大葉は失態を誤魔化すみたいに羽理の手を引いて持ってきた椅子へ座らせた。
ふにゃふにゃと所在のない羽理を、いつも自分を拭くときみたく雑に扱ったりせず、壊れものに触れるみたいに丁寧に優しくタオルドライしてやる。
ドライヤーを手に、「熱かったらすぐ言えよ?」と言ったら、「はぁーい!」と羽理が勢いよく手を挙げて。
(バカっ。そんな激しく動いたらタオルが外れちまうだろ!)
無防備すぎて死ぬほど心臓と股間に悪い。
早いところ髪の毛を乾かしてやって、さっさと服を着せてしまわねば、と思った大葉だ。
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