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5.俺はただ、風呂に入る時間がかち合うのが嫌なだけ
裸男って誰⁉︎
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「はぁーい♥ 楽しく飲んれますよぉ~? 悪いれしゅかぁ?」
「えー。誰と、ってぇ? ……ふふふっ。内緒れすぅ~」
とか。
まるで気心の知れた友人か、ラブラブな恋人との会話のように展開する羽理の声と、電話から時折漏れ聞こえてくるイケメンボイスに仁子は一人、(裸男って誰!?)と疑問を深めていた。
羽理の電話が終わるのを見計らった仁子は、「ちょっとぉ、羽理、裸男って誰なのよぅ?」と、酒の勢いを借りて問うてみたのだけれど。
羽理はニマニマして「いちゅも裸でいる男の人のことらよー? チラッとしか見たことないけろぉ~、めっちゃご立派しゃんなのぉー♥」と、こちらも酔った勢いのままとんでもない説明をする。
もしこの場に屋久蓑大葉がいたならばきっと、「誤解を招くような発言をするな、痴女!」とこれまた話をややこしくしていただろう。
「いつも裸って……。何それ、何それ! 羽理ぃー、アンタいつの間に彼氏が出来たのよぅ!?」
だが、酔っぱらい仁子は諸々肝心なところを突っ込まずにそこへ集約して。
目の前でそんな二人のやり取りを無言で見詰める倍相岳斗が、仁子の質問にピクッと反応したのだが、二人とも気付かなかった。
「彼氏なわけないじゃぁーん。ただ裸でいたらけらもん」
「何それー。どういうシチュエーション!」
「分かんなぁーい」
キャハハッと羽理が笑って、「そうか、そうかぁ。分かんないなら仕方ないかぁ~」と仁子がつられて笑う。
倍相がそんな仲の良い酔っ払い部下二人を見詰めながら「え、そこ、もっと詳しく突っ込んで!」とつぶやいたのだけれど、キャッキャと楽し気に笑い合う羽理と仁子の耳には届かなかった。
結局、当然と言うべきか。
飲め飲めぇ~と羽理と二人でお酒を飲み合いっこしていた仁子も酔いつぶれてしまって、倍相岳斗は方向が一緒だと言う仁子を送って行くことになって。
「荒木さん、本当に大丈夫なの? あれだったら一緒に乗って行ってキミも……」
二人が乗り込むタクシーに、ゆらゆら揺れながらひらひらと楽し気に手を振る羽理に、倍相が心配そうな視線を投げかけてきたのだけれど。
すぐに手にしたままのスマートフォンが着信を知らせてきて、羽理は画面にちらりと視線を走らせてから、「大丈夫れす。わらしにもお迎えが来ましたのれぇ」と携帯をふりふりと振って見せた。
倍相岳斗と法忍仁子を乗せたタクシーが走り去ったと同時、まるでどこかでその様子を見計らっていたみたいに羽理のすぐそばへ、ラメ掛かったブロンド色にルーフが黒というツートンカラーのSUV車が停まる。
羽理は車が嫌いじゃないので、すぐにそれが何と言う車か分かって。
「えー。誰と、ってぇ? ……ふふふっ。内緒れすぅ~」
とか。
まるで気心の知れた友人か、ラブラブな恋人との会話のように展開する羽理の声と、電話から時折漏れ聞こえてくるイケメンボイスに仁子は一人、(裸男って誰!?)と疑問を深めていた。
羽理の電話が終わるのを見計らった仁子は、「ちょっとぉ、羽理、裸男って誰なのよぅ?」と、酒の勢いを借りて問うてみたのだけれど。
羽理はニマニマして「いちゅも裸でいる男の人のことらよー? チラッとしか見たことないけろぉ~、めっちゃご立派しゃんなのぉー♥」と、こちらも酔った勢いのままとんでもない説明をする。
もしこの場に屋久蓑大葉がいたならばきっと、「誤解を招くような発言をするな、痴女!」とこれまた話をややこしくしていただろう。
「いつも裸って……。何それ、何それ! 羽理ぃー、アンタいつの間に彼氏が出来たのよぅ!?」
だが、酔っぱらい仁子は諸々肝心なところを突っ込まずにそこへ集約して。
目の前でそんな二人のやり取りを無言で見詰める倍相岳斗が、仁子の質問にピクッと反応したのだが、二人とも気付かなかった。
「彼氏なわけないじゃぁーん。ただ裸でいたらけらもん」
「何それー。どういうシチュエーション!」
「分かんなぁーい」
キャハハッと羽理が笑って、「そうか、そうかぁ。分かんないなら仕方ないかぁ~」と仁子がつられて笑う。
倍相がそんな仲の良い酔っ払い部下二人を見詰めながら「え、そこ、もっと詳しく突っ込んで!」とつぶやいたのだけれど、キャッキャと楽し気に笑い合う羽理と仁子の耳には届かなかった。
結局、当然と言うべきか。
飲め飲めぇ~と羽理と二人でお酒を飲み合いっこしていた仁子も酔いつぶれてしまって、倍相岳斗は方向が一緒だと言う仁子を送って行くことになって。
「荒木さん、本当に大丈夫なの? あれだったら一緒に乗って行ってキミも……」
二人が乗り込むタクシーに、ゆらゆら揺れながらひらひらと楽し気に手を振る羽理に、倍相が心配そうな視線を投げかけてきたのだけれど。
すぐに手にしたままのスマートフォンが着信を知らせてきて、羽理は画面にちらりと視線を走らせてから、「大丈夫れす。わらしにもお迎えが来ましたのれぇ」と携帯をふりふりと振って見せた。
倍相岳斗と法忍仁子を乗せたタクシーが走り去ったと同時、まるでどこかでその様子を見計らっていたみたいに羽理のすぐそばへ、ラメ掛かったブロンド色にルーフが黒というツートンカラーのSUV車が停まる。
羽理は車が嫌いじゃないので、すぐにそれが何と言う車か分かって。
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