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4.会社では別人
余計な一言
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***
そこまで口を挟む余地もないくらい一気にまくし立てられた大葉は、キラキラと瞳を輝かせて不思議現象の原因が分かったと言わんばかりの羽理に、マジか……と思わずにはいられない。
「――なぁ、お前が俺の着るモン買いに行ってくれてた間、俺がお前ん家でひとり留守番してたの、忘れてねぇか?」
「え?」
「だからっ。そのタグ切り離したのは俺だよ」
「……嘘ッ!」
「嘘じゃねぇわ。普通見たこともねぇ妖精へ行く前にそっちの可能性考えんだろ」
「た、確かにその通りですけど。――あ。けど……えっ!? ってことは……。ちょっと待ってくださいっ。部長って実は妖精さんだったんですか?」
「はっ? 何でそうなる! どう見ても俺は普通の人間だろーが。――荒木、お前一回そのメルヘン世界から脳みそ切り離せ」
告げられた言葉が信じられないと言わんばかりに瞳を見開く羽理に、大葉は苦笑せざるを得なくて。
(そう言えばコイツ、俺のこと魔法使いにしようとしたこともあったな)
童貞呼ばわりとともに、そんなことを言われたことまで思い出してしまう。
「でも……部長が妖精さんじゃないってことは……えっと……つまり……普通の人間の部長がっ! 私が服にタグを付けたままだったことに気付いてこっそり外して下さってたってことですか……?」
ややしてポツンと落とされた言葉に、大葉は(メルヘン女め、やっとまともな思考回路になったか)と胸を撫でおろして。
「ああ、そういうこった。なぁ、荒木。俺があんとき首んトコ、チクチクしないか?って聞いたの、覚えてねぇか?」
そのまま吐息交じりにそう問いかけたら、そのやり取りに思い至ったらしい羽理に、ぷぅっと頬を膨らまされてしまった。
「あ、あれ、そういう意味だったんですか!? もう! もっと分かるように言ってくださいよぅ。屋久蓑部長ってば人が悪いです! ホント、ドS! 意地悪! キョコン!」
さも言わなかったことが悪いみたいに責め立てられた大葉は、(いや、言わない優しさってのもあんだろ)と心の中でひとり言い訳をして。
最後に一つ巨根とか言われた気がしたが、さすがに会社でうら若き女子社員がそんなことを口走るわけないし、気のせいだよな?とスルーすることにした。
そうして気を取り直したように
「ってことで妖精の線は消えたわけだが……ほかに何か心当たりはねぇか?」
無駄だと知りながらも、一応聞いてみた。
そこまで口を挟む余地もないくらい一気にまくし立てられた大葉は、キラキラと瞳を輝かせて不思議現象の原因が分かったと言わんばかりの羽理に、マジか……と思わずにはいられない。
「――なぁ、お前が俺の着るモン買いに行ってくれてた間、俺がお前ん家でひとり留守番してたの、忘れてねぇか?」
「え?」
「だからっ。そのタグ切り離したのは俺だよ」
「……嘘ッ!」
「嘘じゃねぇわ。普通見たこともねぇ妖精へ行く前にそっちの可能性考えんだろ」
「た、確かにその通りですけど。――あ。けど……えっ!? ってことは……。ちょっと待ってくださいっ。部長って実は妖精さんだったんですか?」
「はっ? 何でそうなる! どう見ても俺は普通の人間だろーが。――荒木、お前一回そのメルヘン世界から脳みそ切り離せ」
告げられた言葉が信じられないと言わんばかりに瞳を見開く羽理に、大葉は苦笑せざるを得なくて。
(そう言えばコイツ、俺のこと魔法使いにしようとしたこともあったな)
童貞呼ばわりとともに、そんなことを言われたことまで思い出してしまう。
「でも……部長が妖精さんじゃないってことは……えっと……つまり……普通の人間の部長がっ! 私が服にタグを付けたままだったことに気付いてこっそり外して下さってたってことですか……?」
ややしてポツンと落とされた言葉に、大葉は(メルヘン女め、やっとまともな思考回路になったか)と胸を撫でおろして。
「ああ、そういうこった。なぁ、荒木。俺があんとき首んトコ、チクチクしないか?って聞いたの、覚えてねぇか?」
そのまま吐息交じりにそう問いかけたら、そのやり取りに思い至ったらしい羽理に、ぷぅっと頬を膨らまされてしまった。
「あ、あれ、そういう意味だったんですか!? もう! もっと分かるように言ってくださいよぅ。屋久蓑部長ってば人が悪いです! ホント、ドS! 意地悪! キョコン!」
さも言わなかったことが悪いみたいに責め立てられた大葉は、(いや、言わない優しさってのもあんだろ)と心の中でひとり言い訳をして。
最後に一つ巨根とか言われた気がしたが、さすがに会社でうら若き女子社員がそんなことを口走るわけないし、気のせいだよな?とスルーすることにした。
そうして気を取り直したように
「ってことで妖精の線は消えたわけだが……ほかに何か心当たりはねぇか?」
無駄だと知りながらも、一応聞いてみた。
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