【完結】【R18】あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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3.半裸・ノーブラ会議

ちょっとくらい教えてくれたって

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(今のセリフ。やっぱり彼女、俺がてちまってたところを見たってことだよな!? マジかぁぁぁ!)

 そう気が付いたら、『こんな可愛い子に嘘だろ⁉︎』と叫び出したいような気恥ずかしさと情けなさに、机へ突っ伏したくなった大葉たいようだ。

 だが。

 そうしたところで現状を打開出来るわけではない。

 長く社会人をしていれば、いま目の前にいる彼女みたいに、本筋とはひどくかけ離れた突拍子もないことを言ってくる人間と言うものは少なからず存在する。

 そういう不思議人種の軌道修正をさり気なく行うことも、上に立つ人間には必要不可欠なスキルだ。

 大葉たいようは動揺してしまった自分を落ち着けるため、一度姿勢を正すと、「バカなことを言ってないでさっさと座れ」と、打ち上げられた破廉恥はれんち質問トスをあえて黙殺する。

 大葉たいようの言葉に、今度こそ渋々と言った調子で従ってくれた女性に、「キミは俺のことを知っているようだが、俺はキミのことを知らない。申し訳ないが、まずは名前を教えてくれないか?」と、ごくごく当たり障りのない部分から攻めることにした。


***


 羽理うりにだって、妙なことを口走ってしまったという自覚はある。

 だから、屋久蓑やくみの大葉たいようの、全身全霊を掛けたみたいな「はぁ!?」には正直ひるみそうになった。

 でも――。

 残念ながら一度口にしてしまった言葉は取り消せないことも十分理解しているつもりだ。

 ならば、せっかく恥ずかしい思いをしてまで投げ掛けた質問をスルーされてしまうのは、何とも悔しいではないか。

 そう思った結果、羽理うりは(もぅ! 教えてくれたっていいじゃない! ケチ!)と心の中でプンスカしていた。

 そもそも、ひどく整ったハンサムぶりに誤魔化されてしまいそうだけれど、目の前の男は人様の家の風呂場へ〝裸で〟不法侵入してくるような変態部長だ。

 そんな変態さん相手に、少々エッチな質問を投げかけところで叱られる義理はない!……と、思う。

(むぅー。腰のタオルをピラリとめくって確認するわけにはいかないんだから、ちょっとくらい教えてくれたっていいのにぃーっ!)

 実は自分の身体が異性にとって魅力的なのかそうでないのか。
 それ自体が、未通女おぼこの羽理には未知の領域だったから。

 このところリアルな恋愛に前のめり気味な羽理は、例えば桃色吐息的戦法で、自分が男性を魅了できるかどうかを知りたいなと思っていて――。
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