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6-1.年末年始ハプニング①

勃っちょるんがバレんようによ!

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 くるみの部屋のシングルベッドに二人で寝るのはちょっぴりキツイので、実篤が泊まりに行った時は仏間の隣の居間に布団を二つ並べて一緒に眠るのが常になっている。

実篤さねあつさん、色々気ぃつこぉてくれてホンマに有難ぉーね」

「全然。――お腹、大丈夫? いとぉない?」

 布団は二組並べられているけれど、グッとくっ付けて敷いてあるから、境界線なんてないに等しい。
 実質二人で引っ付きもっ付きな感じで布団に潜り込んでいる。

 いつもならイチャイチャしながらエッチなことに突入してしまう流れだけど、今日はさすがにそういうわけにはいかないから。

 くるみを寒さから守るみたいに腕の中に包み込んで、実篤はじっと我慢の子だ。

 シーリングライトは消してあるけれど、頭部側壁のコンセントプラグに挿してあるLED常夜灯ナイトライトのお陰でほんのりと明るい。

 真っ暗闇ではないので、隣にいるくるみの表情がぼんやりと見えている。

 ギュゥッと実篤にしがみ付くと、くるみが胸の辺りに顔を埋めたまま「実篤さんのお陰で寒ぅ~ないし、平気」とつぶやいて。

 お風呂上がりのくるみからふんわりとシャンプーの甘い香りが立ち上った。

(う~。くるみちゃんっ! 今日はそれ、めっちゃ毒じゃわぁー)

 なんて、自分を抱きしめている実篤こいびとが必死に本能と闘いながらソワついているだなんて、天然無自覚小悪魔のくるみはつゆほども思っていない。

実篤さねあつさん、ええ匂い」

 うっとりとつぶやいて、スリスリと額を実篤の胸元に擦り寄せてくる。

(ちょっ、待っ! ええ匂いなんはくるみちゃんの方じゃって!)

 気持ち下半身をくるみの身体から離すように後ろに引いたら「何で離れるん? 寒いじゃ?」と聞いてくるとか、マジか!と思った実篤だ。

(勃っちょるんがバレんようによ!)

 なんて直球、今のくるみに言えるはずがないではないか。

「ちょっと……いま下の方〝さわり〟があるけん」

 古風な言い回しで誤魔化してみたけれど、くるみに可愛い顔でキョトンと見上げられてノックアウト寸前の実篤だ。

(わ、話題っ。なんか違う話にして気持ちを切り替えんとっ)

 慌ててそう思った実篤は、「そっ、そういえば同窓会っ。結局どうするん?」と宙ぶらりんになってしまった話を蒸し返すことにした。
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