【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

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28.初めての夜

タイミングの良し悪し

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***


(びっくりしたぁ~っ)

 いきなりそうから「好き」だのなんだの言われた結葉ゆいはは、思わず呼吸をするのを忘れてしまうぐらい驚かされてしまった。

 確かにそうは幼い頃から、それこそ今日こんにちに至るまでずっと、結葉ゆいはにとことん甘々で優しかったけれど、それは実妹いもうとせりに対しても同様で。

 大きくなってからも変わらず〝妹扱い〟されていると感じていた結葉ゆいはは、そうへの恋心を持て余した結果、そうのそういう言動に異性扱いされていないと感じて切なくなったりしていたのだ。

 なのに――。


「もぉ、そうちゃんったらぁ! そんな素振りちっともなかったのに……。冗談が過ぎるよぅ! 危うく信じそうになっちゃったじゃない」

 きっと、結葉ゆいはが緊張のあまり変なことを言ってしまったから、そうもそれに合わせてくれただけなのだ。

(ちょっぴり変な間があいちゃったけど、ちゃんと冗談として受け止めたよって感じで返せたかな?)


 薄暗がりの中。

 自分はベッドの上。
 そうはそれより三十センチ以上低い床の上にいるから、きっとドギマギしてしまっている結葉ゆいはの表情は見えないと思う。

 思うけれど、何だか恥ずかしくて布団を額の辺りまで引き上げてしまった結葉ゆいはだ。


 一応自分の恋心は偉央いおとの出会いをキッカケに一旦ひと区切りつけたよと言うつもりで、「好きだった」と告げた結葉ゆいはだったけれど、そうの方はまるで現在進行形ででもあるかのように「好き」表現だったことにも結葉ゆいははソワソワさせられている。

 偉央いおとのこともまだ片付いていないというのに、元々大好きだったそうからそんなことを言われて、不埒ふらちにもときめかずにはいられなくて。

 でも同時に、こんな大変な時に何を浮き足立っているの⁉︎と自分をいさめるもう一人の自分がいることも確かだった。


***


 結葉ゆいはに冗談と言い切られたそうは、「本気なんだけど?」という言葉をグッと喉の奥に押さえ込んだ。

 考えてみれば、いま結葉ゆいはは旦那とのことで頭が一杯のはずなのだ。

 それなのに。

(こんな時に俺の気持ちを押し付けられても困るだけだよな)

 と反省して。


「そりゃ~お前がいきなり『好きだった』とか言ってくれるからさ、こっちだってそう言いたくもなんだろ」

 わざとククッと笑って軽口を叩くみたいにそう返したら、結葉ゆいはが「うん。ごめんね」とどこかくぐもった声で返してくる。

 ふと視線を転じてみたら、どうやら結葉ゆいは、布団の中に潜り込んでしまったらしい。


(動揺……させちまったか)

 何だかすごく申し訳ない気持ちがしてしまったそうだ。

 結葉ゆいはが謝ってきたから、それに便乗するように「俺のほうこそ調。悪かったな」と、まるでいまの告白自体結葉ゆいはが言うように〝冗談だったのだ〟と認めるような言葉を返してしまう。


 本心を押し殺して嘘をついてしまったからだろうか。

 ギュッと胸の奥が痛んで。


(俺、こうやって結葉ゆいはのこと、他の男にられちまったんだよなぁ)

 思ったけれど、過去を悔やんでも仕方がないと、小さく吐息を落とすついで。
 そんな後悔も、思い切って身体の中から追い出してしまう。


 タイミングの良し悪しはあるだろうけれども。

 結葉ゆいはがこのまま旦那と訣別して……。
 晴れて独身になったなら。

 その時こそはちゃんと茶化さず自分の気持ちを結葉ゆいはにぶつけよう、と心に誓ったそうだった。





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いつもお越しくださり本当に有難うございます!

今日は章の変わり目のため、更新量がかなり少なめです。
読みごたえなくてすみません!

あと、私事なんですが、本日午前中に三回目のコロワク接種を予定しています。
もしかしたら副作用で明日の更新がものすごく遅れるか、ヘタをすると落ちてしまう可能性もあります。
本当にもうしわけありません。(何事もなく更新できるといいなと願いつつ)

Ren Takatsuki
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