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20.逃避行
よく頑張ったな
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「ん? 言いかけたこと途中でやめんなよ、結葉。聞きたいことがあんなら遠慮なく聞け。俺、包み隠さずちゃんと答えるから」
言いながら、「まぁ、でも――」と前置きするように言って、想は「続きは部屋ん中に入ってからにすっか」と結葉のひざの上に載っていた雪日入りのトートバッグを持ち上げた。
「あっ」
急に軽くなった足に、結葉が驚いて想の方へ手を伸ばしたら、「とりあえず気ぃつけてそっから降りてくるのが先な?」と空いた方の手でその手を握られる。
結葉がそれに小さく頷いて、足をそっとステップに差し出した瞬間、想が瞳を見開いたのが分かって。
ストッキングも靴下もなしで、運動靴を直接履いていた自分の足首に残る、生々しい傷跡を見られたんだと気が付いた結葉は、それを誤魔化すみたいに慌てて地面に降り立った。
「あ、あのっ、想ちゃん、ありがとう」
わざと想の視線を足首から引き剥がすように声を掛けて、努めて明るくニコッと微笑んだら、その場で頭をぐしぐしと撫でられた。
「……ひゃっ、想ちゃ……何っ?」
驚く結葉に、想が「結葉、よく頑張ったな」と小さくつぶやいた。
その言葉に、自分が言うまではこの傷のことも想は聞かないでいてくれるんだ、と気が付いた結葉は、幼なじみの優しさに胸が切なく疼いて。
(想ちゃんには、辛くても何もかもちゃんと話さないといけない……)
顔をうつむけて眉根を寄せながら、結葉は心の中でそう決意した。
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すみません。
章替えの関係でこのページ、文字数少なめです。
鷹槻れん
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言いながら、「まぁ、でも――」と前置きするように言って、想は「続きは部屋ん中に入ってからにすっか」と結葉のひざの上に載っていた雪日入りのトートバッグを持ち上げた。
「あっ」
急に軽くなった足に、結葉が驚いて想の方へ手を伸ばしたら、「とりあえず気ぃつけてそっから降りてくるのが先な?」と空いた方の手でその手を握られる。
結葉がそれに小さく頷いて、足をそっとステップに差し出した瞬間、想が瞳を見開いたのが分かって。
ストッキングも靴下もなしで、運動靴を直接履いていた自分の足首に残る、生々しい傷跡を見られたんだと気が付いた結葉は、それを誤魔化すみたいに慌てて地面に降り立った。
「あ、あのっ、想ちゃん、ありがとう」
わざと想の視線を足首から引き剥がすように声を掛けて、努めて明るくニコッと微笑んだら、その場で頭をぐしぐしと撫でられた。
「……ひゃっ、想ちゃ……何っ?」
驚く結葉に、想が「結葉、よく頑張ったな」と小さくつぶやいた。
その言葉に、自分が言うまではこの傷のことも想は聞かないでいてくれるんだ、と気が付いた結葉は、幼なじみの優しさに胸が切なく疼いて。
(想ちゃんには、辛くても何もかもちゃんと話さないといけない……)
顔をうつむけて眉根を寄せながら、結葉は心の中でそう決意した。
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すみません。
章替えの関係でこのページ、文字数少なめです。
鷹槻れん
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