【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

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5.永遠の愛を誓いますか?

二泊三日の新婚旅行

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***


「式も移動も結構疲れたね。結葉ゆいは、大丈夫?」

 結婚式後、偉央いお結葉ゆいはは土日を組み込む形で沖縄へ二泊三日の新婚旅行へ来ている。

 ホテルに荷物を置くなり、偉央いおがすぐそばの結葉ゆいはを振り返ったら、花がほころぶように微笑まれて「大丈夫です」と答えてくれた。

 今夜は、二人にとって初めての夜だ――。

 偉央いおは結局今日こんにちに至るまで、――キスこそすれど――、結葉ゆいはの身体に指一本触れることなく清い交際を続けてきた。

 さすがに結婚式も入籍も終えたとなれば、この新婚旅行中にになるのは結葉ゆいはも承知しているだろう。

 移動中からやたらと緊張しているように見えた妻の心を解きほぐして、夫婦生活をうまく営めるかどうかを考えると、実のところ偉央いお自身も不安だらけなのだ。

 本当ならばもっと長い期間を使って、海外旅行にでも連れて行けたなら、もう少しのんびり構えていられたかも、と思った偉央いおだ。
 しかし動物病院院長という立場もあって、実際にはなかなか難しくて――。


 自分以外に二名の獣医師がいるとはいえ、皆、得意分野に分かれた診察を行なっている『みしょう動物病院』だ。

 院長である偉央いおの担当はフェレット、うさぎ、ハムスターと言った、いわゆる小動物。

 犬猫を担当している第三診察室の佐藤英輔えいすけに比べれば圧倒的に患畜数は少ない。

 けれど、このところクチコミで新規の患者がグンと増えてきているのもまた事実で。
 いわゆるエキゾチックアニマルと呼ばれる、犬猫以外の生き物が診られる動物病院というのは、案外まだまだ少ないからだ。

 ましてや『みしょう動物病院』のように、それ専門に診ることの出来る獣医師を配している病院はさらに希少で、エキゾチックアニマルと暮らす飼い主たちのネットワークの中で口の端に登り、場合によっては「この病院がいい」などと勧められたりするらしい。

 偉央いおの担当している生き物で言うとフェレットと暮らしている飼い主なんかは特に、「何某だれそれさんにお聞きしてきました」と言うのが多めだ。
 概してそう言う場合の飼い主は、結構な遠方からわざわざ出向いてくれている。

 予防接種などの様な予防診療のみならば、どこの病院でもそこそこの割合で受け付けてもらえるらしいのだが、フェレットに多い副腎腫瘍に対する治療となると、お手上げになる病院が殆どだ。

 手術然り、症状を抑えるためのホルモン注射リュープリン然り。

 注射一本とっても、副腎疾患を患ったフェレットの数が多ければ一ロットを必要な飼い主たちでシェアすることを見越して病院側が経費として買うことが出来るけれど、数がいなければ断られるか、良くても一人の飼い主が病院を介する形で一ロット分を一気に買い取るなどになるらしい。
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