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3.近付くふたりのその裏で
寧ろもっと
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普通ならすぐにでも声を掛けて、結葉の暴走を止めた方がスムーズに診察が進んだはずで。
それをしなかったのは、もしかしたら偉央の方も診察室を見回す自分を観察していたのかも知れないと気が付いて、結葉はにわかに恥ずかしくなる。
「わ、私っ、診察室でキョロキョロしちゃって……」
突然恥ずかしそうに俯いた娘を見て、美鳥が小首を傾げた。
「御庄先生、何も言わずに私が先生の存在に気付くのを、待ってて下さってた……気がする……」
その時、偉央がどこを見ていたのかとか、何を考えていたのかまでは結葉には知る由もないのだけれど。
「それだけ?」
美鳥が結葉の横に再度腰掛けて問うてきて……。
結葉は「往診……」とつぶやいた。
「福助の飼育環境を見たいから……って。往診ついでにうちに寄りましょうか?って……言われた」
実はこれ、結葉が、帰宅後真っ先に両親に聞きたかったことだ。
思わず成り行きで「お願いします」とか言ってしまったけれど、
〝――御庄先生が家にきても大丈夫か否か〟
それをふたりに確認してから、OKならいつが都合がいいかを煮詰めていかないと、と思っていた。
「ゆいちゃんは先生に何てお答えしたの?」
美鳥が優しく手に触れてきて、結葉はグルグルと自分の中だけで考えていた思考を止めて、小さく吐息を落とした。
「つい勢いで『お願いします』って言っちゃって。でもお母さんたちの都合を聞かなくちゃって思い直して。両親に聞いて、またご連絡差し上げたんでも構いませんか、って……お話した……」
そんな結葉に、偉央は「ではどうなったか、直接僕の携帯に掛けていただけますか?」と、自分の携帯番号をメモ用紙に走り書きして、結葉に渡してきたのだった。
「私の携帯番号は問診票に書いてあったからお伝えしなかったのだけど」
何だか色々種明かしをされた後で、今日の先生とのやりとりを考えたら、無性に恥ずかしくなってきてしまった結葉だ。
「お母さんっ、御庄先生……私のこと」
ソワソワと言い募る娘を見て、少なくとも御庄偉央の方は、実物の結葉を見ても幻滅はしなかったのだろうと……。
いや寧ろもっと気に入って下さったのではないかと、美鳥はそんな風に思った。
それをしなかったのは、もしかしたら偉央の方も診察室を見回す自分を観察していたのかも知れないと気が付いて、結葉はにわかに恥ずかしくなる。
「わ、私っ、診察室でキョロキョロしちゃって……」
突然恥ずかしそうに俯いた娘を見て、美鳥が小首を傾げた。
「御庄先生、何も言わずに私が先生の存在に気付くのを、待ってて下さってた……気がする……」
その時、偉央がどこを見ていたのかとか、何を考えていたのかまでは結葉には知る由もないのだけれど。
「それだけ?」
美鳥が結葉の横に再度腰掛けて問うてきて……。
結葉は「往診……」とつぶやいた。
「福助の飼育環境を見たいから……って。往診ついでにうちに寄りましょうか?って……言われた」
実はこれ、結葉が、帰宅後真っ先に両親に聞きたかったことだ。
思わず成り行きで「お願いします」とか言ってしまったけれど、
〝――御庄先生が家にきても大丈夫か否か〟
それをふたりに確認してから、OKならいつが都合がいいかを煮詰めていかないと、と思っていた。
「ゆいちゃんは先生に何てお答えしたの?」
美鳥が優しく手に触れてきて、結葉はグルグルと自分の中だけで考えていた思考を止めて、小さく吐息を落とした。
「つい勢いで『お願いします』って言っちゃって。でもお母さんたちの都合を聞かなくちゃって思い直して。両親に聞いて、またご連絡差し上げたんでも構いませんか、って……お話した……」
そんな結葉に、偉央は「ではどうなったか、直接僕の携帯に掛けていただけますか?」と、自分の携帯番号をメモ用紙に走り書きして、結葉に渡してきたのだった。
「私の携帯番号は問診票に書いてあったからお伝えしなかったのだけど」
何だか色々種明かしをされた後で、今日の先生とのやりとりを考えたら、無性に恥ずかしくなってきてしまった結葉だ。
「お母さんっ、御庄先生……私のこと」
ソワソワと言い募る娘を見て、少なくとも御庄偉央の方は、実物の結葉を見ても幻滅はしなかったのだろうと……。
いや寧ろもっと気に入って下さったのではないかと、美鳥はそんな風に思った。
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