【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

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2.みしょう動物病院

休日の土曜日

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 結葉ゆいはの勤め先の縫製工場は、毎月第二、第四土曜日が休み、それ以外は出勤日になっている。

「病院、土曜なら一日中やっているみたいだから福助連れて行ってくるね」

 健康診断も兼ねて、休日の土曜に当たる今日、結葉ゆいはは隣町の動物病院へ行こうと思っている。

「『みしょう動物病院』ってどんな漢字を書くんだろ?」

 母親に勧められた病院をスマートフォンで調べてみたら、ひらがなで〝みしょう〟と書かれていて。恐らくは先生の苗字なんだろうな、と思った結葉ゆいはだ。けれど、それがどんな字を当てるのかは皆目検討が付かなくて。

 行けば、どこかに漢字表記があるかしら、とか思いつつスニーカーに足を通す。

結葉ゆいは、病院まで父さんが車に乗せて行ってやろうか?」

 運転免許は持っているけれど、車を持たない結葉ゆいははいわゆるペーパードライバーだ。

 ハムスターは小さめの移動用ケージに移しているとはいえ、いつもより手荷物が多めに見える一人娘を心配して、父親の茂雄しげおが靴を履いている結葉ゆいはに声をかけてきた。

「有難う、お父さん。でも……いつも乗せて行ってもらえるとは限らないし。今日はバスで行ってみようと思うの」

 母――美鳥みどり――は車の免許自体を持っていない。

 基本的には仕事で不在なことが多い父を頼るのは、有事に備えて極力避けておこうと思った結葉ゆいはだ。

 自分がふんわりしていて周りに流されやすかったり、抜けているところが多いことを自覚している結葉ゆいはは、なるべくそういうのを表に出さないようにしたいと常日頃から考えている。

 今回の福助の通院にしても、一週間以上前から計画を練っていたから、恐らく抜かりはないはずで。

 だからこそ自力でやり遂げてみたいと思った。

「分かったよ。でも本当、何かあったら遠慮なく電話してくるんだよ? 今日は父さんも仕事休みだからね」

 幼い頃から結葉ゆいはを溺愛してやまない父は、今日も娘にデロデロに甘い。

「うん。分かった。有難う。行ってきます」

 結葉ゆいははそんな父親の心配そうな顔ににっこり笑いかけると、両手が空くようにと選んだ小さめのリュックサックと、マチのひろい手作りトートバッグ――美鳥みどりが作ってくれた――に入った福助とともに自宅を後にした。


***


「おや、結葉ゆいはちゃん。今日はお仕事お休みかい?」

 すぐ隣の山波やまなみ建設の前を通りかかったら、外で廃材整理をしていたらしいそうの父親公宣きみのぶに声をかけられた。
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