【R18】温和はオトメをもっと上手に愛したい

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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*ふたりの初めて

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 ややして、意を決したように音芽おとめが言うんだ。

「し、下は……温和はるまさが…………脱が、せて?」

 顔や耳だけじゃない。
 全身を真っ赤に染めて、消え入りそうな声で俺におねだりしてくる。

 マジで何なんだよ、この可愛いちっこいのは!

 思わず込み上げてくる笑みが抑えられなくて……でも、音芽に対して余裕あるところも見せたくて。

 そんなのないに等しいくせに、俺は懸命に自分の欲望と葛藤しながら音芽を見下ろす。

 努めて表情に「嬉しい」って気持ちを出さないように。

 10代のガキじゃあるまいに、こういう場面で感情剥き出しにして喜ぶのとか……さすがに恥ずかしすぎんだろ?
 

「――世話の焼けるヤツだな。まぁ、お前はこういうのは初めてらしいし、今回は特別に望み、叶えてやるよ。――けどな、音芽。脱がされる時、腰くらいは浮かせろよ?」

 必要以上に感情を抑えたら、いつもより冷たい声音になってしまった。

 でもそれすらも音芽おとめには心地良さそうで。

 音芽にとって、俺が命令するという行為は、ある種の〝免罪符めんざいふ〟になるのかもしれない。

 彼女が自分のなかの欲求を俺のせいにして、恥ずかしさを乗り越えるための。

 俺の言葉に小さくうなずく音芽の表情が、俺に与えられた極上のにえみたいに見えて、俺は思わず生唾を飲み込んだ。



 音芽の腰元にわだかまったワンピースに手をかけると、本当は一気に取り払ってしまいたいのをグッと我慢する。

 そうして、わざと焦らすように布地が音芽の肌を這うようにゆっくりと下ろしていく。


 俺の思惑通り、その刺激に音芽の全身が粟立つのを見て、意地悪く問いかけてやるんだ。
「鳥肌すごいけど、寒い?」
 ってな。

 俺の問いかけに、フルフルと小さく首を横に振る音芽に、彼女が罠に掛かったのを感じながら
「そう」
 満足したように柔らかく微笑む。

 そうしてその表情とは裏腹。
 反論の余地なんて与えないような低い声音で問いかける。
「寒くないなら、全部脱がせて構わないよな?」
 ってな。

 無論、音芽おとめを裸にしてしまうことは決定事項だ。

 でもわざと音芽本人に意思確認をして、〝お前を征服しているのは俺だ〟と深く音芽の胸に刻み込んでやらねぇとな。


 と、俺の予想に反して音芽のやつ、「……イヤだって言ったら、脱がさないで……いてくれるの?」とか聞いてきやがって。

 俺は内心「そうきたか!」って驚かされたんだ。

 けど悪いな音芽。
 俺はお前の性格を熟知してんだよ。


「……お前がそれでいいんなら」


 却下されると期待してたんだろ?
 残念だったな。それには乗ってやれねぇよ。

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