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■特典①『羽の生えたうさぎ』
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頼綱に連れられて、可愛らしい羽の生えたうさぎがモチーフのホテルに来た。
ホテル名もズバリそのまま、そのモチーフをフランス語に言い換えただけの「羽の生えたうさぎ」を意味する『ル・ラパン・エレ』と言うらしい。
頼綱に手を引かれて、羽うさぎのついた黒い門をくぐって、石畳を歩く。
***
頼綱に「今日はこれを着るように」と言い渡されたオリーブグリーンのマキシ丈ワンピースは、何となく異国感があって、まるで英国のお茶会などへのお呼ばれワンピみたいな印象。
馬子にも衣装なんて言葉があるけれど、私に関してはそれ、当てはまらないみたい。
だって……なんて言うかとっても落ち着かない。
首周りと袖口にふんわりと柔らかなレースがあしらわれた仕様も、お嬢様風が過ぎてソワソワしてしまう。
それだけでもハードルが高いのに、襟の真ん中に、袖などを飾っているのと同じレースで作られたコサージュが付いていて、そこからキャメルカラーのベルベット紐が2本伸びているところを見ると、この花飾りはタイみたいな扱いなのかしら?
可愛いやら煌びやかやらで、とにかくこれ、私が着るような服じゃない感が甚だしいの。
「こっ、こんなお嬢様でござーいな服、私には無理っ」
手渡された包みを開いてそのワンピースと対面したとき、私、そう言って固辞しようとしたのだけれど。
「それを着ればディナーに美味しいものが食べられるよ?」
って言われたら頑張るしかないって気になって。
一緒に添えられていた黒いパンプスに足を通してみたらサイズがピッタリだった時にはちょっぴり怖かった。
そういえばワンピースもジャストサイズだったし、何、頼綱の目、スケールか何かなの?
でもいくらサイズが合っていても、やっぱり靴はいつもの履き慣れた、こなれたローファーなどがいい。
たかだか3センチ足らずのヒールでも、私にはしんどくて。
結果、頼綱にギュッとしがみつかないとスムーズに歩けないとか。
ほら、日頃からヒールなんて履かないんだから仕方ないじゃないっ。
でも何だかそれさえも頼綱の計算通りな気がして悔しくて。
ホテル名もズバリそのまま、そのモチーフをフランス語に言い換えただけの「羽の生えたうさぎ」を意味する『ル・ラパン・エレ』と言うらしい。
頼綱に手を引かれて、羽うさぎのついた黒い門をくぐって、石畳を歩く。
***
頼綱に「今日はこれを着るように」と言い渡されたオリーブグリーンのマキシ丈ワンピースは、何となく異国感があって、まるで英国のお茶会などへのお呼ばれワンピみたいな印象。
馬子にも衣装なんて言葉があるけれど、私に関してはそれ、当てはまらないみたい。
だって……なんて言うかとっても落ち着かない。
首周りと袖口にふんわりと柔らかなレースがあしらわれた仕様も、お嬢様風が過ぎてソワソワしてしまう。
それだけでもハードルが高いのに、襟の真ん中に、袖などを飾っているのと同じレースで作られたコサージュが付いていて、そこからキャメルカラーのベルベット紐が2本伸びているところを見ると、この花飾りはタイみたいな扱いなのかしら?
可愛いやら煌びやかやらで、とにかくこれ、私が着るような服じゃない感が甚だしいの。
「こっ、こんなお嬢様でござーいな服、私には無理っ」
手渡された包みを開いてそのワンピースと対面したとき、私、そう言って固辞しようとしたのだけれど。
「それを着ればディナーに美味しいものが食べられるよ?」
って言われたら頑張るしかないって気になって。
一緒に添えられていた黒いパンプスに足を通してみたらサイズがピッタリだった時にはちょっぴり怖かった。
そういえばワンピースもジャストサイズだったし、何、頼綱の目、スケールか何かなの?
でもいくらサイズが合っていても、やっぱり靴はいつもの履き慣れた、こなれたローファーなどがいい。
たかだか3センチ足らずのヒールでも、私にはしんどくて。
結果、頼綱にギュッとしがみつかないとスムーズに歩けないとか。
ほら、日頃からヒールなんて履かないんだから仕方ないじゃないっ。
でも何だかそれさえも頼綱の計算通りな気がして悔しくて。
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