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Epilogue
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「そんなに心配しなくても大丈夫だよ?」
ってクスクス笑いながら言ったら、
「俺が心配してるのは……子供のことももちろんだけど、1番は出産を控えた花々里のことだからね?」
って眉根を寄せられた。
こんな時まで私をドキドキさせてくれるとかっ。
うちの旦那様は溺愛が過ぎて困ります!
そう思いつつも照れながら「ありがとう」って言おうとしたら、頼綱が「今夜の当直は杉本先生だけど、もし日付がズレたらその限りではないと言うのが気になって仕方がないんだよ」とつぶやいて。
「えっ!? ちょっと待って、そっちなの!?」
1番に心配しているって言ってくれたから、私の身体のことかと思いきや、「それは言うまでもないことだろう?」らしい。
頼綱としては、私が臨月に入った辺りから、お産は院長先生や浅田先生には任せたくないという思いが強くなっていたみたいで。
「杉本先生が当直じゃない日にキミが産気づいたら……その時は誰がなんと言おうと僕が取り上げる。それだけは了承しておいておくれね?」
至極真剣な顔をしてそんなことを言ってくる頼綱に、私は小さく吐息を落とした。
いざとなると、産む側と寄り添う側とではちょっぴり温度差が出ちゃうの、仕方ないのかな?
頼綱も分かっているはずなんだけど、きっとお産の時って女性はそれどころじゃないはずなのに。
平常心でいられる健診の時ならともかく、いざ出産ともなると、赤ちゃんを無事に取り上げてくれるなら正直誰が担当でも構わないって私、思ってる。
ただ、頼綱には――出来れば取り上げる側ではなく、産む側から〝父親として〟サポートしてもらいたいっていうのが本音。
そんな諸々の感情を飲み込んで、私、頼綱ににっこり微笑んだ。
「きっと大丈夫だから」
この子は今日中に生まれてきてくれる。母親の勘がそうささやいてるもの。
自分の提案にイエスともノーとも答えない私に、頼綱がキョトンとして。
「花々里、それは――」
どう取ればいい?と言いたげな頼綱に、
「ほらっ。遅刻しちゃうよ? その時が来たらちゃんといの一番に頼綱に連絡するから。スパッと気持ちを切り替えて行ってらっしゃい!」
土間に降りて、頼綱の背中をグイグイ押して外に押し出すと、尚も不満そうに私を振り返ってくる彼の頬にチュッとキスを落として、もう1度トドメのように「行ってらっしゃい」と告げる。
そうして、このお話はこれでおしまい、とばかりに手を振って、半ば強引に彼を仕事場へ送り出した。
ってクスクス笑いながら言ったら、
「俺が心配してるのは……子供のことももちろんだけど、1番は出産を控えた花々里のことだからね?」
って眉根を寄せられた。
こんな時まで私をドキドキさせてくれるとかっ。
うちの旦那様は溺愛が過ぎて困ります!
そう思いつつも照れながら「ありがとう」って言おうとしたら、頼綱が「今夜の当直は杉本先生だけど、もし日付がズレたらその限りではないと言うのが気になって仕方がないんだよ」とつぶやいて。
「えっ!? ちょっと待って、そっちなの!?」
1番に心配しているって言ってくれたから、私の身体のことかと思いきや、「それは言うまでもないことだろう?」らしい。
頼綱としては、私が臨月に入った辺りから、お産は院長先生や浅田先生には任せたくないという思いが強くなっていたみたいで。
「杉本先生が当直じゃない日にキミが産気づいたら……その時は誰がなんと言おうと僕が取り上げる。それだけは了承しておいておくれね?」
至極真剣な顔をしてそんなことを言ってくる頼綱に、私は小さく吐息を落とした。
いざとなると、産む側と寄り添う側とではちょっぴり温度差が出ちゃうの、仕方ないのかな?
頼綱も分かっているはずなんだけど、きっとお産の時って女性はそれどころじゃないはずなのに。
平常心でいられる健診の時ならともかく、いざ出産ともなると、赤ちゃんを無事に取り上げてくれるなら正直誰が担当でも構わないって私、思ってる。
ただ、頼綱には――出来れば取り上げる側ではなく、産む側から〝父親として〟サポートしてもらいたいっていうのが本音。
そんな諸々の感情を飲み込んで、私、頼綱ににっこり微笑んだ。
「きっと大丈夫だから」
この子は今日中に生まれてきてくれる。母親の勘がそうささやいてるもの。
自分の提案にイエスともノーとも答えない私に、頼綱がキョトンとして。
「花々里、それは――」
どう取ればいい?と言いたげな頼綱に、
「ほらっ。遅刻しちゃうよ? その時が来たらちゃんといの一番に頼綱に連絡するから。スパッと気持ちを切り替えて行ってらっしゃい!」
土間に降りて、頼綱の背中をグイグイ押して外に押し出すと、尚も不満そうに私を振り返ってくる彼の頬にチュッとキスを落として、もう1度トドメのように「行ってらっしゃい」と告げる。
そうして、このお話はこれでおしまい、とばかりに手を振って、半ば強引に彼を仕事場へ送り出した。
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