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わーん、ごめんなさいっ!
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――のはいいけれどっ。
頼綱の部屋、どこっ!?
私の部屋とそんなに離れた位置にはなかったはずなのに、頼綱の部屋が消えてしまった。
これはきっと緊張のせいに違いないっ。
ぺたぺたと素足で板張りの廊下を歩きながら、スリッパ履き忘れてきちゃった……とかどうでもいいことを思ってしまう。
と、手の中のスマートフォンが急に鳴り始めて、私はビクッとしてしまった。
見ると、ちゃんと頼綱からの着信って分かって、前の携帯から電話帳がきちんと引き継げているのが実感出来てホッとする。
「もしもし?」
恐る恐る出たら、「あまりにも遅いんで、もしかして迷子になっていたりしてないかと思ってね」とまるで見てきたみたいなお言葉が。
迷子ではなくて……そちらのお部屋が消えたのですっ。
なんてバカなこと、言えるわけもなく。
「あ、あのっ、ち、近くにはいると思うんですっ。もうじき辿り着くはずなんですっ」
ソワソワしすぎて、思わず敬語になる。
「花々里、近くにはって――」
そこで堪えきれなくなったらしい頼綱に、思い切り笑われてしまった。
「同じ家の中にいるんだからそりゃあ近くに決まっているよね?」
笑いながら至極当然な指摘をされて、「やはり迷子か……」とつぶやかれた私はぶわりと顔が熱くなる。
そんな私に、
「まさか庭にまでは出ていないだろうね?」
と頼綱が追い討ちを掛けるの。
「さっ、さすがにそこまでじゃないですっ。廊下にいますっ」
――どこかの。
小さく聞こえないように通話口を押さえて付け足したら、頼綱が少し考え込んでから、「一旦切って、もう1度鳴らすから。出ずにそのまま鳴らし続けておいて。いいね?」と提案してくれた。
どうやら、私の着信音を頼りに迎えにきてくれるみたい?
幸い位置的に八千代さんたちのお部屋の近くではない――気がする――ので、こんな夜更けに音が鳴っても大丈夫かな?と思う。
「はい」
と答えるとすぐ通話が切れて、宣言通り再度頼綱からの着信が入った。
無機質な電子音を聞きながら、スマホを手にしたまま落ち着かない気持ちで廊下に立ちんぼしていたら、
「花々里」
程なくして、頼綱がちゃんと私を見つけてくれた。
――のはいいけれどっ。
頼綱の部屋、どこっ!?
私の部屋とそんなに離れた位置にはなかったはずなのに、頼綱の部屋が消えてしまった。
これはきっと緊張のせいに違いないっ。
ぺたぺたと素足で板張りの廊下を歩きながら、スリッパ履き忘れてきちゃった……とかどうでもいいことを思ってしまう。
と、手の中のスマートフォンが急に鳴り始めて、私はビクッとしてしまった。
見ると、ちゃんと頼綱からの着信って分かって、前の携帯から電話帳がきちんと引き継げているのが実感出来てホッとする。
「もしもし?」
恐る恐る出たら、「あまりにも遅いんで、もしかして迷子になっていたりしてないかと思ってね」とまるで見てきたみたいなお言葉が。
迷子ではなくて……そちらのお部屋が消えたのですっ。
なんてバカなこと、言えるわけもなく。
「あ、あのっ、ち、近くにはいると思うんですっ。もうじき辿り着くはずなんですっ」
ソワソワしすぎて、思わず敬語になる。
「花々里、近くにはって――」
そこで堪えきれなくなったらしい頼綱に、思い切り笑われてしまった。
「同じ家の中にいるんだからそりゃあ近くに決まっているよね?」
笑いながら至極当然な指摘をされて、「やはり迷子か……」とつぶやかれた私はぶわりと顔が熱くなる。
そんな私に、
「まさか庭にまでは出ていないだろうね?」
と頼綱が追い討ちを掛けるの。
「さっ、さすがにそこまでじゃないですっ。廊下にいますっ」
――どこかの。
小さく聞こえないように通話口を押さえて付け足したら、頼綱が少し考え込んでから、「一旦切って、もう1度鳴らすから。出ずにそのまま鳴らし続けておいて。いいね?」と提案してくれた。
どうやら、私の着信音を頼りに迎えにきてくれるみたい?
幸い位置的に八千代さんたちのお部屋の近くではない――気がする――ので、こんな夜更けに音が鳴っても大丈夫かな?と思う。
「はい」
と答えるとすぐ通話が切れて、宣言通り再度頼綱からの着信が入った。
無機質な電子音を聞きながら、スマホを手にしたまま落ち着かない気持ちで廊下に立ちんぼしていたら、
「花々里」
程なくして、頼綱がちゃんと私を見つけてくれた。
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