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だから話を聞いて!?
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でも私、「お腹の虫」の気持ちも少しは分かるのよ?
だってだって!
お寿司よ!? お肉よ!? フレンチにイタリアンよ!? 断れるわけないじゃない?
思わず口の端にヨダレが滲んできて、慌てて唇にグッと力を込めた。
***
「ほ、本当に……何でも。う、う、な……ぎ……とかでもいいんですか?」
ややして、恐る恐る問いかけたら「ん?」と聞き返された。
あー、やっぱり選択肢にも上がってなかったうなぎとか出してくるとか、図々しかったですか!?
うなぎ、絶滅危惧種ですもんねっ!?
「ま、間違いましたっ。コンビニのお弁当でも十分ですっ!」
慌てて言ったら、「コンビニにもうなぎがあるのかね?」と聞かれて。
ないことはないと思いますけど……もしかしてうなぎOKだったりします?
思わず期待に満ちあふれた目で御神本さんを見つめてしまって、フッ、と小さく笑われてしまった。
「まるで餌をチラつかせた途端よく懐く子犬みたいだな、花々里」
あんなに強く肩を掴んでいた手をあっさり離すと、今度は犬にするみたいに頭を「よぉーしよし」と撫でてくる。
ミディアムロングの、オリーブベージュ色の髪の毛をかき乱されて、せっかく綺麗に内巻きにできてるのに崩れちゃう!と思って、
「ちょっ、なっ、何するんですかっ」
言いながら思わず頭を押さえたら、まだ頭上に載せられたままだった御神本さんの手の上に手のひらを重ねてしまった。
「ひぁっ」
異性の手に触れたのなんて、小学生の頃のダンス以来だよぅ。
あ、待って! そういえば中学生の頃に更新したわっ。運動会で迷子になっていた、幼稚園児の男の子の手を引いてママを探して歩いたもの!
ん!? 幼児はカウントしちゃダメ?
ちっさくても異性だからいいよね?
まぁ、でも。それを含めたとして……いずれにしても何年も前なことに変わりはないわけで。
劇的に異性に免疫のない私は、不覚にも想定外の接触事故にドキッとしてしまった。
「ご、ごめんなさっ」
ドギマギしながら慌てて手をのけようとしたら、ニヤリと不敵に微笑まれて手首を掴まれた。
「では、行こうか、俺の可愛い子犬ちゃん」
言われて、否応なしにぐいぐい手を引っ張られる。
私、子犬なんて可愛いものじゃありません。
強いて言うなら「はらぺこヨダレむし」ですっ。
***
「――ときに、コンビニのはよく分からないから俺の馴染みの店ので構わないか?」
半ば無理矢理高級車――黒のレクサス!――の助手席に押し込まれてガチャリと拘束――ではなくシートベルトをされて。
じょ、助手席とか……彼女でもないのにいいのっ?
とか戸惑っているうちに身体の上に覆い被さるようにされたまま、超絶美形に目の前で問いかけられたら言葉の内容なんて吟味できずにうなずいちゃうよね?
私も御多分に洩れず、半ば夢現で「はいっ!」って答えて、背筋をぴーんと伸ばしてから、御神本さんの顔の近さに慌ててそっぽを向いたの。
「素直で宜しい」
途端、再度頭を優しく撫でられて、私の意識はトロリと蕩けてしまう。
男のくせになんだかいい匂いもするし!
香水とか疎くてなんの、とかは分かんないけど、とにかく爽やかな香り。
御神本頼綱、恐るべし!
出会ってたかだか数分。
私、気がついたら「名前」と「母の知り合い」だと言うことくらいしかよく分からない「産婦人科の跡取り息子」に飼い慣らされかけてます。
だってだって!
お寿司よ!? お肉よ!? フレンチにイタリアンよ!? 断れるわけないじゃない?
思わず口の端にヨダレが滲んできて、慌てて唇にグッと力を込めた。
***
「ほ、本当に……何でも。う、う、な……ぎ……とかでもいいんですか?」
ややして、恐る恐る問いかけたら「ん?」と聞き返された。
あー、やっぱり選択肢にも上がってなかったうなぎとか出してくるとか、図々しかったですか!?
うなぎ、絶滅危惧種ですもんねっ!?
「ま、間違いましたっ。コンビニのお弁当でも十分ですっ!」
慌てて言ったら、「コンビニにもうなぎがあるのかね?」と聞かれて。
ないことはないと思いますけど……もしかしてうなぎOKだったりします?
思わず期待に満ちあふれた目で御神本さんを見つめてしまって、フッ、と小さく笑われてしまった。
「まるで餌をチラつかせた途端よく懐く子犬みたいだな、花々里」
あんなに強く肩を掴んでいた手をあっさり離すと、今度は犬にするみたいに頭を「よぉーしよし」と撫でてくる。
ミディアムロングの、オリーブベージュ色の髪の毛をかき乱されて、せっかく綺麗に内巻きにできてるのに崩れちゃう!と思って、
「ちょっ、なっ、何するんですかっ」
言いながら思わず頭を押さえたら、まだ頭上に載せられたままだった御神本さんの手の上に手のひらを重ねてしまった。
「ひぁっ」
異性の手に触れたのなんて、小学生の頃のダンス以来だよぅ。
あ、待って! そういえば中学生の頃に更新したわっ。運動会で迷子になっていた、幼稚園児の男の子の手を引いてママを探して歩いたもの!
ん!? 幼児はカウントしちゃダメ?
ちっさくても異性だからいいよね?
まぁ、でも。それを含めたとして……いずれにしても何年も前なことに変わりはないわけで。
劇的に異性に免疫のない私は、不覚にも想定外の接触事故にドキッとしてしまった。
「ご、ごめんなさっ」
ドギマギしながら慌てて手をのけようとしたら、ニヤリと不敵に微笑まれて手首を掴まれた。
「では、行こうか、俺の可愛い子犬ちゃん」
言われて、否応なしにぐいぐい手を引っ張られる。
私、子犬なんて可愛いものじゃありません。
強いて言うなら「はらぺこヨダレむし」ですっ。
***
「――ときに、コンビニのはよく分からないから俺の馴染みの店ので構わないか?」
半ば無理矢理高級車――黒のレクサス!――の助手席に押し込まれてガチャリと拘束――ではなくシートベルトをされて。
じょ、助手席とか……彼女でもないのにいいのっ?
とか戸惑っているうちに身体の上に覆い被さるようにされたまま、超絶美形に目の前で問いかけられたら言葉の内容なんて吟味できずにうなずいちゃうよね?
私も御多分に洩れず、半ば夢現で「はいっ!」って答えて、背筋をぴーんと伸ばしてから、御神本さんの顔の近さに慌ててそっぽを向いたの。
「素直で宜しい」
途端、再度頭を優しく撫でられて、私の意識はトロリと蕩けてしまう。
男のくせになんだかいい匂いもするし!
香水とか疎くてなんの、とかは分かんないけど、とにかく爽やかな香り。
御神本頼綱、恐るべし!
出会ってたかだか数分。
私、気がついたら「名前」と「母の知り合い」だと言うことくらいしかよく分からない「産婦人科の跡取り息子」に飼い慣らされかけてます。
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