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■番外編/『相性がいいみたいなのですっ』
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「修太郎さん、くすぐったいですか? それとも――」
僕の肌に浮かび上がった鳥肌を見て、日織さんがクスクス笑って。
そこで僕の耳元に唇を近づけていらっしゃると「それとも気持ちいいですか?」と、彼女から与えられた刺激に勃ちあがった乳首を爪弾きながら問いかけてくる。
それだけでも堪らないのに、日織さんの吐息が耳朶をかすめた途端、下腹部にドクンと血が集まったのが分かった。
日織さんから薫る吟醸香と、彼女がまとっていらっしゃる桃の香り。
どちらもが、甘くむせかえるように僕の身体を侵食していく。
「あ……。修太郎さんの、……いま……」
日織さんが座っていらっしゃるのは僕の股間の上で……。
となれば彼女に僕の身体の変化が分からないはずがない。
「素直なしゅーたろぉさん、可愛くて大好きなのです……っ。私としゅ、たろぉさんは……とっても相性がいいみたいなのですっ」
固く張り詰めた僕のそこにそっとご自分の敏感なところを擦り付けるように腰を動かしていらっしゃると、日織さんが僕にギュッと抱きついて熱い吐息混じりにそうおっしゃった。
何の相性、とはおっしゃらなかったけれど、それって多分身体の。
前に日織さんから、「日本酒と相性がいいみたいなのですっ」と聞かされた時とは違った意味で、――というよりあの時とは比べ物にならないくらい激しく――ドキッとさせられてしまった。
僕は頭の上に掲げたままだった両手を下ろして日織さんを腕の中に掻き抱くと、彼女の耳元でそっと強請る。
「もう限界です、日織。――キミの中に挿入らせて?」
途端、日織さんの身体がビクッと跳ねて、僕を熱に潤んだ瞳でじっと見つめていらした。
「……あの、赤ちゃん、できないようにしないといけないので……、…………ん……ぐは、どこですか?」
と、ゴニョゴニョとおっしゃる。
〝避妊具〟が言えなくて、そこだけ小声になってしまうところ、すごく可愛らしいんですけど。
「寝室にあります。――移動しますか?」
そっと問いかけると、小さくうなずいていらして。
さっきまで攻める気満々だった日織さんが急にしおらしくなったのが、僕にはまたたまらなく愛しく思えた。
「そういえば。今日は先にお風呂、入らなくてよろしいんですか?」
お湯は自動的に溜まる様に設定してあるし、温度調節も勝手にしてくれている。
いつでも快適に入れるはずだ。
前にお風呂の後でないと嫌なのです、と日織さんから言われたことを思い出した僕が、ふとお聞きすれば、「今日はお酒……たくさん飲んでるので」とか……。
もしかしてご自分が酔っていらっしゃる自覚がおありなのかな?と思う。
ちなみに僕の方はというと、日織さんがたくさんおどろかせて下さったからかな?
案外スッキリと酒が抜けてきていて。
日織さんを抱きしめたままソファに起き上がってみたけれどさっきみたいに頭に靄がかかったような感じもしなくなっていた。
酒が覚めつつある僕と、ほろ酔いを自覚しつつある日織さん。
これは案外チャンスかもしれない、と思った僕は、試しに今まで一度も許してもらえなかったことを言ってみることにした。
「ねぇ日織。お互いひとりで入るのは危ないかもしれませんし、安全のためにも今から一緒にお風呂に入りませんか?」
いつもなら「恥ずかしいので無理ですっ」と即座に返ってくるところなのに、今日の日織さんはやはり違って。
「お風呂でも……仲良しの続きって……出来たりしますか?」
とか。
可愛すぎて死にそうなんですがっ!
「もちろんです」
と僕がお答えしたのは言うまでもない。
ねぇ日織。
ゴムはいくつ持っていきましょう?
END(2020/12/15-12/28)
僕の肌に浮かび上がった鳥肌を見て、日織さんがクスクス笑って。
そこで僕の耳元に唇を近づけていらっしゃると「それとも気持ちいいですか?」と、彼女から与えられた刺激に勃ちあがった乳首を爪弾きながら問いかけてくる。
それだけでも堪らないのに、日織さんの吐息が耳朶をかすめた途端、下腹部にドクンと血が集まったのが分かった。
日織さんから薫る吟醸香と、彼女がまとっていらっしゃる桃の香り。
どちらもが、甘くむせかえるように僕の身体を侵食していく。
「あ……。修太郎さんの、……いま……」
日織さんが座っていらっしゃるのは僕の股間の上で……。
となれば彼女に僕の身体の変化が分からないはずがない。
「素直なしゅーたろぉさん、可愛くて大好きなのです……っ。私としゅ、たろぉさんは……とっても相性がいいみたいなのですっ」
固く張り詰めた僕のそこにそっとご自分の敏感なところを擦り付けるように腰を動かしていらっしゃると、日織さんが僕にギュッと抱きついて熱い吐息混じりにそうおっしゃった。
何の相性、とはおっしゃらなかったけれど、それって多分身体の。
前に日織さんから、「日本酒と相性がいいみたいなのですっ」と聞かされた時とは違った意味で、――というよりあの時とは比べ物にならないくらい激しく――ドキッとさせられてしまった。
僕は頭の上に掲げたままだった両手を下ろして日織さんを腕の中に掻き抱くと、彼女の耳元でそっと強請る。
「もう限界です、日織。――キミの中に挿入らせて?」
途端、日織さんの身体がビクッと跳ねて、僕を熱に潤んだ瞳でじっと見つめていらした。
「……あの、赤ちゃん、できないようにしないといけないので……、…………ん……ぐは、どこですか?」
と、ゴニョゴニョとおっしゃる。
〝避妊具〟が言えなくて、そこだけ小声になってしまうところ、すごく可愛らしいんですけど。
「寝室にあります。――移動しますか?」
そっと問いかけると、小さくうなずいていらして。
さっきまで攻める気満々だった日織さんが急にしおらしくなったのが、僕にはまたたまらなく愛しく思えた。
「そういえば。今日は先にお風呂、入らなくてよろしいんですか?」
お湯は自動的に溜まる様に設定してあるし、温度調節も勝手にしてくれている。
いつでも快適に入れるはずだ。
前にお風呂の後でないと嫌なのです、と日織さんから言われたことを思い出した僕が、ふとお聞きすれば、「今日はお酒……たくさん飲んでるので」とか……。
もしかしてご自分が酔っていらっしゃる自覚がおありなのかな?と思う。
ちなみに僕の方はというと、日織さんがたくさんおどろかせて下さったからかな?
案外スッキリと酒が抜けてきていて。
日織さんを抱きしめたままソファに起き上がってみたけれどさっきみたいに頭に靄がかかったような感じもしなくなっていた。
酒が覚めつつある僕と、ほろ酔いを自覚しつつある日織さん。
これは案外チャンスかもしれない、と思った僕は、試しに今まで一度も許してもらえなかったことを言ってみることにした。
「ねぇ日織。お互いひとりで入るのは危ないかもしれませんし、安全のためにも今から一緒にお風呂に入りませんか?」
いつもなら「恥ずかしいので無理ですっ」と即座に返ってくるところなのに、今日の日織さんはやはり違って。
「お風呂でも……仲良しの続きって……出来たりしますか?」
とか。
可愛すぎて死にそうなんですがっ!
「もちろんです」
と僕がお答えしたのは言うまでもない。
ねぇ日織。
ゴムはいくつ持っていきましょう?
END(2020/12/15-12/28)
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