上 下
158 / 233
*あなたに、キスのその先を。〜第二夜〜

7

しおりを挟む
 この感覚は昨日も経験しました。

 私は修太郎しゅうたろうさんの背中にそっと腕を回しながら考えます。
 そう、前のも、やっぱり修太郎さんに胸を触られた時です。

 確かあのとき、修太郎さんはそんな私をご覧になられて「いってしまいましたか……?」とおっしゃいました。

 その時は勉強不足で、それに対して頓珍漢とんちんかんなことを返してしまいましたが、少し学んだ今なら分かります。

「私、いま、った、んで……しょうか? ……そういう認識で……合って、います、か?」

 ぼんやりした頭でつぶやくと、修太郎さんがハッとなさったように私から身体を離すと、顔を見つめていらっしゃいました。

日織ひおりさん……」

「私、昨日より、少しだけ……賢く……なったん、です、よ?」

 乱れた呼吸の隙間を縫うように、途切れ途切れにそう申し上げてニコッと微笑んだら、修太郎さんに優しく唇をなぞられました。

「驚きました。まさか日織さんから……そんな言葉が聞けるなんて」

 うっとりとつぶやかれた修太郎さんが、吐息まじりに
「――気持ち、よかったですか?」
 と聞いていらして。

 改めてそう問いかけられてしまうと、恥ずかしくて素直になれません。

「は、恥ずかしいのでっ、そ、それに関してはノーコメントですっ」
 修太郎さんから瞳を逸らすようにしてそう申し上げたら、クスッと笑われました。

 修太郎さんに触れていただいた胸は、今もじんじんと甘く張り詰めていて、他の場所も触って欲しい、と私を焚きつけてきます。

 私は不意に恥ずかしくなって、ツン、と天を仰いだままの胸を覆い隠すように修太郎さんにギュッとしがみつきました。

 修太郎さんの唾液でしっとりと濡れた先端は、気化熱で少し冷たくなっていて、押しつぶされただけで、電気が走るような快感を訴えてきました。

「……んっ」

 自分でそこを押しつけておいて声を漏らすとか……恥ずかしすぎますっ。

 修太郎さんが、そんな私の髪の毛に鼻を擦り付けるようにして耳を探り当てていらして、「ねぇ、日織、下に……触れても……構いませんか?」とおっしゃいました。

 さっきまでとは違って、かすれるようなその甘いささやきは、修太郎さんが興奮していらした時に出されるお声だと、私は経験から知っています。

 私は修太郎さんを抱きしめる腕を少し緩めると、小さくうなずきました。

***

 修太郎さんの手が下に伸びてきて、そっと私の秘所に触れます。

 下着とズボンを介していても、そこが汗だけではない湿り気を帯びているのが分かる気がして、私は修太郎さんにしがみつくようにして顔を隠しました。

「日織さんの身体、とても……熱いです」

 修太郎さんが、吐息混じりにぽつりとつぶやかれます。

「……、んっ」

 私は首筋にかかる彼の吐息にゾクッとして、首をすくめました。

「修太、郎さん、も……」

 意識しなくても、下肢に触れる修太郎さんの熱を感じてしまって、私はもじもじします。

 私に触れて、いつもは物静かな修太郎さんが、こんなにも男性として反応して下さるんだと思うと、身体の中心からキュン、とした何かがこみ上げてきます。

 先ほど見たウェブページに、「子宮がうずく」という表現があったのですが、これがそういうことなのでしょうか。

 好きな人に求められるのって、何て幸せなことなんだろう、と思いました。

 私が、ほんの少し修太郎さんと触れ合うだけで恥ずかしいくらい濡れてきてしまうのも、修太郎さんからすれば……同じように愛しかったりなさるのでしょうか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

大好きな背中

詩織
恋愛
4年付き合ってた彼氏に振られて、同僚に合コンに誘われた。 あまり合コンなんか参加したことないから何話したらいいのか… 同じように困ってる男性が1人いた

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

処理中です...