【完結】【R18】キス先① あなたに、キスのその先を。

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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*あなたに、キスのその先を。

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「承知しました」

 修太郎しゅうたろうさんの、情欲をはらんだ熱い吐息が、承服の言葉とともに私の耳にかかります。
 その感触にぞくっとして身をすくませたのと、修太郎さんの左手が、Tシャツの裾から侵入してきたのとがほぼ同時で。
 少しひんやりとした修太郎さんのてのひらが、脇腹を撫でるようにしながら上に這い上がってきます。

「ひ、……あっ、」

 その感触に、ぶわりと全身に鳥肌が立って、それに呼応するように胸の先端がさらに硬くしこって服を押し上げます。

 修太郎さんはじかに肌へ手を沿わせてはいらっしゃいますが、色付きの先は愚か、胸の膨らみにもまだ触れてはくださいません。
 彼の手が今あるのは、私の右脇のあたりで。

Tシャツうえ、脱がせますね?」
 肌の上を焦らすように撫でながら、修太郎さんがそうおっしゃって……。
 私は修太郎さんのその言葉に、全身がカーッと熱くなるのを感じました。

 今ここで服を脱いでしまったら、下着を身につけていない胸が剥き出しになってしまいます……っ。
 修太郎さんに触っていただくことを期待して、はしたなくピンと張り詰めた胸を見られてしまうのはイヤです。
 真っ暗闇ではないここで。明度を落とした照明にも目が慣れてきたこの状態で。
 修太郎さんにそんな風になった身体を暴かれてしまうと思ったら、途端、羞恥心で身体が震えました。

「あ、あのっ、少し……待っ……――」
 てください。そう続けようとしたら、
「ねぇ、日織ひおり。先程、じかに触れて欲しいとおっしゃったのはどなたでしたっけ?」
 まるで先は言わせないと言う風に、修太郎しゅうたろうさんが声を被せていらっしゃいました。

「……で、でも、あの……」
 それでもやっぱり待っていただきたくて、懸命に言い募ろうとした私に、「――頑張って、くださるんでしょう?」と、とどめを刺されてしまいました。

「…………は、い」
 どうしても修太郎さんに敵わないと思った私は、力なくうなずきました。

 修太郎さんはそんな私ににっこり微笑まれると、
「じゃあ僕に協力していただけますね? 身体、少し浮かせられますか?」
 あくまでも私の意思で服を脱ぐのだと知らしめたいみたいに、そう、おっしゃいました。

 修太郎さんの求めに応じて身体の角度を小さく変えながら、恥ずかしさで目端に涙が滲んでくるのを感じました。

 修太郎さんは……時々とても意地悪で怖いです……。

***

 修太郎さんは、「汚れる前に下も脱いでおきましょうね?」と当たり前のようにおっしゃって、部屋着の短パンも私から剥ぎ取ってしまわれました。
 それで、結局私は今、ベッドの上でショーツ一枚だけです――。
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