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一線を越える覚悟

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 そうです! 私が修太郎しゅうたろうさんをお部屋で待とうとするからいけないのかもしれないですっ。

 やはりここは、修太郎さんが出ていらしたら、「やっぱり私もシャワーを……」とお話してお風呂をいただけば良いのではないでしょうか?
 そうすれば、待つのは修太郎さんにシフトして、私はただお風呂から出てくるだけですみます。
 あれこれ思い悩んで、お部屋を右往左往しなくて良くなります。

 シャワーを使わせていただくからには、せめてショーツくらいは取り替えたいです。
 下着、余分に持ってきておいて正解でしたっ!
 いつだったか、修太郎さんに会議室で責められて、下着が使い物にならなくなったのを思い出してのことだったんですけれど、そういうことを考えている時点で、私はやはりエッチななんだと思います。

 私がこんなはしたないことを思う人間だなんて、修太郎さんには絶対に気付かれたくないですっ。

***

 とりあえず、修太郎さんが戻っていらっしゃるまでに、私は計画遂行すいこうのための準備をしておかなくてはいけません。

 荷物をガサガサして、新しい下着とスキンケアグッズを取り出すと、それを小さな袋に移し替えました。剥き出しの下着を持ち歩くのは、どう考えても恥ずかしくて無理なので、そういう支度したくもしてきました。そのぶん荷物が嵩増かさましてしまいましたが、私にしては優秀ですっ。

 下着を用意した後で、少し迷って、底の方から薄桃色にイチゴドット柄のルームウェアも取り出しました。フレアスリーブの半袖のTシャツに、共布の短パンがセットになっているものです。コットン素材で、肌触りが心地良くて気に入っています。

 お泊まりに際してインターネットでリサーチしてみたら、もっとセクシーなパジャマもありました。でも私のお子様体型にはセクシーなものは似合わないのでやめておきました。

 家では割とネグリジェも愛用していますが、あれは下手をすると眠っているうちにすそがまくれ上がって恥ずかしいことになり兼ねないので今回は選択肢から外しました。
 ネグリジェ、座ってお話ししたりする分には、女性らしくて可愛いと思いますし、本当問題ないんですけれどっ。……やはり私の寝相が悪いのがよくないんだと思います。

 シャンプーやボディソープは入れられなくて持参を諦めましたが、とすると私、お風呂上がりには修太郎さんと同じ香りになるんですねっ。きゃー、何だか照れますっ!

 あれこれ考えながらせっせと身支度を整えていたら、向こうのほうで扉の開く音がしました。
 次いで、フローリングを近づいてくる足音……。

(き、緊張しますっ)

 私は準備したものを一式胸に抱えると、一度深呼吸をして立ち上がりました。

 と同時にリビングの扉が開いて――。
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