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僕は今日どうしても

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「私、……その……、つ……、つ……」
 塚田つかだ日織ひおりになったのですか?とお伺いしたいのに、何だか照れてしまってその一言が言い出せません――。
 もじもじしながら修太郎しゅうたろうさんのお顔を見上げたら、「貴女は今日から塚田日織です」とにっこりされました。

 ひゃーっ。つ……塚田日織っ。何だか照れてしまいますっ。

 私は一人真っ赤になって、新しい名前を噛み締めました。

「――それでね、日織さん。実は結婚を機にひとつご提案なんですが……」


 照れながら、片頬かたほほに自由な方の手――左手――を当ててひゃーひゃー言っていた私のほうへ、修太郎さんが右手を絡めたままグイッと身を乗り出していらっしゃいました。

提案てへっあん……?」

 急に距離を削られてびっくりした私は、思わず声が裏返ってしまいました。
 恥ずかしさに、慌てて口を押さえると、私のすぐ目の前に迫る修太郎さんのお顔をドキドキしながら見つめました。

「はい。……これからはなるべく、お互いを呼び捨てで呼び合うようにしてみませんか? その方が、貴女との距離がグッと近くなる気がするんです。――いかがでしょう? えっと……その、ひ、……?」

 修太郎さんからの、多分に照れを含まれた突然の抜きに、私の心臓は今にも爆発してしまいそうですっ。

 そういえば、前に一度だけ……気持ちのたかぶられた彼から「日織っ」と切なく呼ばれて、ひどくときめいたのを覚えています。
 なので、呼び捨てにされるのは全然構わないのです。いえ、むしろ大歓迎なくらいで。

 でも……。お互いに、というと……私も、その……修太郎さんを……ゴニョゴニョ……。そっ、それは……余りにもハードルが高すぎます……!

「あ、……あの、えっと……。……ぜ、善処……します……」

 私は真っ赤になりながらも、何とかそうお答えしました。

「はい。無理をさせるつもりはありませんので……。でも……僕もやはり貴女から呼び捨てにされてみたいので……なるべく頑張っていただけると嬉しいです」
 修太郎さんの、どこか意地悪な笑顔に、いつもとは違う意味でドキドキしてしまいました……。

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