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*車の中
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その間に修太郎さんも、ご自身の問題を解決してくださるといいなと思ったけれど、声には出さずにおいた。
その件は、私が強要することではないから。
彼の左腕を抱きしめたまま、そんなことをあれこれと考えていたら、緊張からか、胸がドキドキと高鳴ってきて。きっと修太郎さんにも伝わってしまっているだろうな、とソワソワした気持ちになる。
それでも私の本気を知っていただくには、やはりこういう方法しか思いつけなくて。
修太郎さんは、そんな私の顔をしばらくの間じっと見つめていらしてから、おもむろにそっと右手を伸ばすと私の頬を撫でていらした。
「また、日織さんを泣かせてしまいましたね……。僕はただ、貴女を笑顔にしたいと思っているだけなのに、いつも気が付いたらこんな風に日織さんを追い詰めてしまってばかりです。でも、――それでもごめんなさい。僕はキミを手放してあげられそうにない。だからせめて……僕のほうでも処理しておかなくてはいけないこと、ちゃんと済ませるようにしておきますね」
修太郎さんは噛んで含めるようにそうおっしゃると、私の唇に指の腹をそっと滑らせる。
「日織さんこそ、こんな僕で本当に構わないのですか?」
それからとても不安そうにそう問いかけていらして。
私は、修太郎さんの手をぎゅっと強く抱きしめると、彼の目をまっすぐに見つめてにっこり微笑んだ。
「もうっ、愚問ですよ? 修太郎さん。私が好きなのは修太郎さんだけだと何度もお伝えしたじゃないですか」
私が、普段では考えられないくらいはっきりとそう意思表示できたのは、いつもは自信満々の修太郎さんの手が、微かに震えているのを感じたから。
「それに……。キスのその先も……、私だけでは分からないのです。すべて済んだら……。その、あ、あのときの約束、果たしてくださるんですよ、ね?」
小さくつぶやくようにそう付け加えたら、修太郎さんが驚いた顔をなさった。
そうしてふっと微かに声を出してお笑いになると、
「日織さんの口からそんなおねだりが聞けるとは思ってもみませんでした。……これは弱音を吐いている場合じゃないですね。――僕も、頑張らないと」
そうおっしゃって、今まで見たなかで一番最高の笑顔を見せてくださった。
彼のその笑顔を見ただけで、私の胸はキューッと痛みを感じるぐらいに強く締め付けられる。
(私も修太郎さんのためなら頑張れるのですっ!)
そう思えた。
その件は、私が強要することではないから。
彼の左腕を抱きしめたまま、そんなことをあれこれと考えていたら、緊張からか、胸がドキドキと高鳴ってきて。きっと修太郎さんにも伝わってしまっているだろうな、とソワソワした気持ちになる。
それでも私の本気を知っていただくには、やはりこういう方法しか思いつけなくて。
修太郎さんは、そんな私の顔をしばらくの間じっと見つめていらしてから、おもむろにそっと右手を伸ばすと私の頬を撫でていらした。
「また、日織さんを泣かせてしまいましたね……。僕はただ、貴女を笑顔にしたいと思っているだけなのに、いつも気が付いたらこんな風に日織さんを追い詰めてしまってばかりです。でも、――それでもごめんなさい。僕はキミを手放してあげられそうにない。だからせめて……僕のほうでも処理しておかなくてはいけないこと、ちゃんと済ませるようにしておきますね」
修太郎さんは噛んで含めるようにそうおっしゃると、私の唇に指の腹をそっと滑らせる。
「日織さんこそ、こんな僕で本当に構わないのですか?」
それからとても不安そうにそう問いかけていらして。
私は、修太郎さんの手をぎゅっと強く抱きしめると、彼の目をまっすぐに見つめてにっこり微笑んだ。
「もうっ、愚問ですよ? 修太郎さん。私が好きなのは修太郎さんだけだと何度もお伝えしたじゃないですか」
私が、普段では考えられないくらいはっきりとそう意思表示できたのは、いつもは自信満々の修太郎さんの手が、微かに震えているのを感じたから。
「それに……。キスのその先も……、私だけでは分からないのです。すべて済んだら……。その、あ、あのときの約束、果たしてくださるんですよ、ね?」
小さくつぶやくようにそう付け加えたら、修太郎さんが驚いた顔をなさった。
そうしてふっと微かに声を出してお笑いになると、
「日織さんの口からそんなおねだりが聞けるとは思ってもみませんでした。……これは弱音を吐いている場合じゃないですね。――僕も、頑張らないと」
そうおっしゃって、今まで見たなかで一番最高の笑顔を見せてくださった。
彼のその笑顔を見ただけで、私の胸はキューッと痛みを感じるぐらいに強く締め付けられる。
(私も修太郎さんのためなら頑張れるのですっ!)
そう思えた。
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