【完結】【R18】キス先① あなたに、キスのその先を。

鷹槻れん(鷹槻うなの)

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連絡先と連絡手段

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 それは修太郎さんがdoconoドコノの袋を持ってくださって、私の片手が空いたのはこのためだったのかな?と思ってしまうくらい自然な流れで。

 そのまま歩き出す修太郎さんに手を引かれて歩きながら、ごく自然に繋がれた手を見つめて、私は何故か抱きしめられたときよりもドキドキしてしまった。

 少しゴツゴツとして固い、男らしさを感じさせる大きな手。私の手を握る修太郎しゅうたろうさんの手の甲に太い血管が浮いて見えるのが、女性である自分の手とは違うんだ、と感じさせられた。それに気づいた途端、彼のなかの男に魅了されてしまう。

 私の小さな手なんて、彼の大きな手で包まれたら、すっぽりと隠れて見えなくなってしまう。私の手はなんて頼りなくて……逆に修太郎さんの手は、何て頼もしいんだろう。

 意識すればするほど気持ちが高揚こうようして、緊張で指先が冷えてくる。

(手汗とかかいてしまったら申し訳ないのですっ)

 汗自体、滅多にかかないくせに、何故かそんなことが気になって、握り返すことを躊躇ためらってしまう。でも、それを補うように修太郎さんが私の手を握る力をほんの少し強めていらして。

日織ひおりさん、もしかして照れておられますか?」

 まるで私の心のうちなんてお見通しみたいに修太郎さんがそうおっしゃるから、小さな声で「はい……」と応えると、「――実は……僕も緊張しています」と返していらして。

 聞き間違いかと思って、少し手前を歩かれる修太郎さんのほうを思わず見つめたら、ちょうど通りかかった車のライトで、ほんの一瞬彼の横顔が照らされた。

「え?」

 見間違いでないとしたら……修太郎さん、お顔が赤くなっていらっしゃるかも?

 緊張しているのも、一緒にいて照れ臭いようなくすぐったいような気持ちがするのも、私一人の感情ではないと知ることができて、とても幸せな気持ちになる。

「修太郎さん」

 修太郎さんの名前を呼んで、彼の手をちょん、と軽く引いてから、振り返られた修太郎さんに向かって小さな声で「大好きです……」とつぶやく。

 言ってから、うつむいたまま彼の隣に並ぶと、私は思い切って、ほんの少しだけ修太郎さんのほうへ身体を寄せてみた――。

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