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*不機嫌な修太郎さん
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「あのっ、……お手洗いに……」
それは自分がまだ先ほどの熱の名残を、身体に残したままだと告白するようで……とても恥ずかしかった。
それなのに。
「その必要はありません」
修太郎さんは私の身体をギュッと抱きしめると、私の求めを無下になさる。そればかりか、机に手をついて立つようにうながされて。
「しゅ、修太郎さんっ?」
その行動に驚いて思わず彼を振り返ると、修太郎さんが少し低めの声で「動かないで?」とおっしゃりながら、私の後ろにひざまずかれたのが見えた。
「な、何を――っ」
なさるおつもりですか?と聞こうとしたら、刹那お尻に彼の呼気を感じて。
「あ、ゃっ……ん」
次の瞬間、温かく湿ったものが下半身を這ってきて、その甘くとろかされるような刺激に、身体が痺れたようにびくりと反応した。
何が起こっているのか理解が追いつかないその感触に、私はもじもじと足をすり合わせる。
けれど、太腿を修太郎さんの両手に押さえられていて、思うようには動けなくて。
自由のきかないもどかしさが、余計にむずむずとした変な気持ちを呼んでしまう。
「んっ、あ、それ……ダメっ、しゅ、たろぉ、さんっ」
このままじゃ、さっきみたいにゾクゾクしたのが、きちゃう……。
「や、あんっ」
思った途端、また下腹部がじゅん、と切なく疼いて……熱い密が吐き出されたのがわかった。
下着を身につけていない現状で溢れ出たぬめりは、肌を伝うしかないはずで。
(どうしよう。私、スカートまで汚してしまったかもしれないのですっ)
そう思って、恐る恐る背後を振り返ったら――。
口許を片手で拭いながら、修太郎さんが立ち上がられるところだった。
「え、うそ……」
起こったことを認めたくなくて、はからずそんな声がもれる。
修太郎さんは、私に何をなさったのかはおっしゃらなかったけれど、彼の今し方の行動で、何があったのかを察した私は、恥ずかしさに彼の方を見られなくなる。
視界の端で、彼が眼鏡を手に取られたのが見えて。何となくその仕草で、これ以上酷いことはされないような、そんな気がした。
修太郎さんは私の背後に再度かがみ込むと、ご自身のハンカチで、私の太腿を濡らしている残留物を丁寧に拭ってくださる。
私は修太郎さんが背後におられる間、どうしていいか分からず、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
しばらく私が肌を拭われる音と、二人の息遣いだけが部屋の中にあって、どちらも何も喋らない状態が続いて――。
その沈黙を破ったのは修太郎さんだった。
「日織さん、ごめんなさい……」
私を清め終わった修太郎さんに、そっと身体の向きを変えられて、彼の方を向かされる。先ほどまでの強気が嘘みたいにどこかおろおろとした様子で頭をお下げになられた修太郎さんを、私はまるで他人ごとのようにうつろな心のまま、ぼんやりと見つめた。
私につむじをお見せになられたまま、
「――僕はただ……」
とつぶやくようにお続けになる修太郎さんの言葉ひとつひとつを、けれど私はまともに受け取れるような精神状態にはなくて――。
自分ではそのつもりもなく、気がつけば彼の後頭部からでさえも、視線を伏せるようにしてそらしてしまっていた。
そんな私の様子に気がついたらしい修太郎さんが、気遣わしげに私の両腕に触れていらっしゃる。
その感触ですら怖くて、思わずビクッと肩を震わせてしまった私に、修太郎さんはまるで腫れ物を扱うように、さらに柔らかく触れていらして。
それが逆に、さっきまでの強引な修太郎さんの触れ方と違いすぎて、私は誰に触れられているのか分からなくて混乱してしまった。
それは自分がまだ先ほどの熱の名残を、身体に残したままだと告白するようで……とても恥ずかしかった。
それなのに。
「その必要はありません」
修太郎さんは私の身体をギュッと抱きしめると、私の求めを無下になさる。そればかりか、机に手をついて立つようにうながされて。
「しゅ、修太郎さんっ?」
その行動に驚いて思わず彼を振り返ると、修太郎さんが少し低めの声で「動かないで?」とおっしゃりながら、私の後ろにひざまずかれたのが見えた。
「な、何を――っ」
なさるおつもりですか?と聞こうとしたら、刹那お尻に彼の呼気を感じて。
「あ、ゃっ……ん」
次の瞬間、温かく湿ったものが下半身を這ってきて、その甘くとろかされるような刺激に、身体が痺れたようにびくりと反応した。
何が起こっているのか理解が追いつかないその感触に、私はもじもじと足をすり合わせる。
けれど、太腿を修太郎さんの両手に押さえられていて、思うようには動けなくて。
自由のきかないもどかしさが、余計にむずむずとした変な気持ちを呼んでしまう。
「んっ、あ、それ……ダメっ、しゅ、たろぉ、さんっ」
このままじゃ、さっきみたいにゾクゾクしたのが、きちゃう……。
「や、あんっ」
思った途端、また下腹部がじゅん、と切なく疼いて……熱い密が吐き出されたのがわかった。
下着を身につけていない現状で溢れ出たぬめりは、肌を伝うしかないはずで。
(どうしよう。私、スカートまで汚してしまったかもしれないのですっ)
そう思って、恐る恐る背後を振り返ったら――。
口許を片手で拭いながら、修太郎さんが立ち上がられるところだった。
「え、うそ……」
起こったことを認めたくなくて、はからずそんな声がもれる。
修太郎さんは、私に何をなさったのかはおっしゃらなかったけれど、彼の今し方の行動で、何があったのかを察した私は、恥ずかしさに彼の方を見られなくなる。
視界の端で、彼が眼鏡を手に取られたのが見えて。何となくその仕草で、これ以上酷いことはされないような、そんな気がした。
修太郎さんは私の背後に再度かがみ込むと、ご自身のハンカチで、私の太腿を濡らしている残留物を丁寧に拭ってくださる。
私は修太郎さんが背後におられる間、どうしていいか分からず、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
しばらく私が肌を拭われる音と、二人の息遣いだけが部屋の中にあって、どちらも何も喋らない状態が続いて――。
その沈黙を破ったのは修太郎さんだった。
「日織さん、ごめんなさい……」
私を清め終わった修太郎さんに、そっと身体の向きを変えられて、彼の方を向かされる。先ほどまでの強気が嘘みたいにどこかおろおろとした様子で頭をお下げになられた修太郎さんを、私はまるで他人ごとのようにうつろな心のまま、ぼんやりと見つめた。
私につむじをお見せになられたまま、
「――僕はただ……」
とつぶやくようにお続けになる修太郎さんの言葉ひとつひとつを、けれど私はまともに受け取れるような精神状態にはなくて――。
自分ではそのつもりもなく、気がつけば彼の後頭部からでさえも、視線を伏せるようにしてそらしてしまっていた。
そんな私の様子に気がついたらしい修太郎さんが、気遣わしげに私の両腕に触れていらっしゃる。
その感触ですら怖くて、思わずビクッと肩を震わせてしまった私に、修太郎さんはまるで腫れ物を扱うように、さらに柔らかく触れていらして。
それが逆に、さっきまでの強引な修太郎さんの触れ方と違いすぎて、私は誰に触れられているのか分からなくて混乱してしまった。
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