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*不機嫌な修太郎さん

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 眉根を寄せて言えば、「僕の方こそ日織ひおりさんの下着をダメにしてしまいましたね」と言われて。

 私は修太郎しゅうたろうさんのその言葉に、いたたまれなくなって両膝りょうひざをギュッとすり合わせる。
 しとどに濡れそぼったままの秘部から、女性特有の香りが匂い立つようで、それがまた恥ずかしくて。

 すると、そんな私の様子を見た修太郎さんが、とんでもないことをおっしゃった。

「――濡れた下着なんて、いっそのこと脱いでしまえばいい」

 言って、私をじっと見つめていらして。

「……あ、あの……修太郎、さん?」

 彼の視線の意味が理解できなくて、疑問符混じりに名前をお呼びすると、「ご自分で脱がれますか? それとも僕が脱がせて差し上げましょうか?」と聞かれてしまう。


「え、あのっ、そ、それは……」

 ご冗談ですよね?と続けようとしたら、「本気ですよ?」と途中で言葉をさえぎられてしまった。
 私は修太郎さんの言葉に、真っ赤になってうつむく。

「どっちも……イヤ……ですっ」

 下を向いたまま小さくそう抗議の声を上げると、「それは却下します」とにべもなくて。

 私は修太郎さんの視線から逃れたい一心で身を横たえていた机の上から降りると、乱れたままのスカートを整える。
 急に立ち上がったのがいけなかったのか、瞬間トロリ……と、まるで残滓ざんしのように淫らな蜜が吐き出されて。
 私はその感触に、思わず一瞬動きを止めてしまった。

「ほら、そのままでは仕事にならないでしょう?」
 途端、修太郎さんに腕を引かれて、彼の胸元に抱き寄せられる。
「スカートに染みてしまう前に。……ね?」
 耳元に息を吹き込むようにそうおっしゃる修太郎さんに、私はすがり付くようにして立ちながら、羞恥心で顔を上げることが出来なかった。

「さぁ……」

 私は修太郎さんにわれるまま、濡れた下着に手をかける。
 恥ずかしくてこんなこと絶対に嫌だと思うのに、頭の芯がぼぉーっとして、何故か修太郎さんに逆らえない自分がいて――。

 ゆっくりと下着を下ろして片足ずつそっと抜き取ると、スカートの下でむき出しになった肌が所在なさにゾクリと粟立った。

「んっ」

 恥ずかしさに思わず顔をしかめた私をギュッと抱きしめると、スカートの下に何も身につけていないことを確認するように、修太郎さんの手が布地の内側へ伸びる。
 さらさらとお尻を撫でる彼の手の温もりに、じかに皮膚が触れ合っているのを実感させられた。

「修、太郎、さん……」

 下着は脱いだけれど、私の秘部はまだしっとりと濡れそぼっていて、このまま座ったりすれば確実にスカートを汚してしまう。
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