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*不機嫌な修太郎さん

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日織ひおりさん……」
 唇を離された折に切なくささやかれた修太郎しゅうたろうさんの声音に、私は閉じていたまぶたをゆっくりと開く。

 私の口元を濡らす唾液を片手で優しくぬぐってくださると、腰を抱く修太郎さんの手がゆるゆると下方へ伸ばされる。
 腰からお尻のラインをゆっくり、その手触りを味わうように下りてくる修太郎さんの大きな手の感触に、私の身体はビクッと震える。
 それは悪寒などでは決してなく、いわゆる甘美かんびな快感に近くて。
 思わず「はぁ……」と熱い吐息が口をついてしまった。

 そのことに驚いて慌てて両手で口をふさぐと、修太郎さんにその手をからめとられてしまう。
 そのまま両手を一纏ひとまとめにするように片手でいましめられた私は、会議室の机に突っ伏すような形で動きを封じられる。

「しゅう、たろぉさん……?」
 臀部でんぶを後ろに突き出すような格好になってしまって、私は戸惑いながら彼を振り返った。

 修太郎さんは私の問いかけなんてまるで聞こえないとでも言うように黙殺なさると、シフォン素材のスカートの上から私のヒップラインを撫でていらっしゃって。
 サラサラとした布地が、修太郎さんの手の動きに合わせて上下するたび、太腿ふともも膝裏ひざうらにスカートがこすれて、その感触がくすぐったいような心地いいような、何とも言えない刺激に変わる。
「ん、っ」
 手で口をふさぐことのできない私は、ギュッと目をつぶると、鳥肌がたつようなそのゾワリとした感覚に、懸命に耐えた。

 時折、柔肉やわにくをギュッと揉み込むように彼の指先がまろい皮膚に食い込む。その痛みですら甘やかな快感に変わるようで、私は必死で両足に力を入れてその刺激をこらえる。

 と、お尻の谷間に沿うように、修太郎さんの指先が背後から前の方へ伸びてきて。

「しゅう、たろうさんっ、ヤメ、ッ……」
 彼が目指す場所が直感的に分かってしまった私は、腰を揺すりながら修太郎さんの動きに一心不乱にあらがった。
 でも、そのせいで開いてしまった太腿ふとも隙間すきまを、みずからの片膝かたひざで割るように修太郎さんが立ち位置を変えていらして。

 足が閉じられなくなったことで、修太郎さんの指が容易にももあわいの秘所へ届いてしまう。

 そんなところを他者に触れられたことなんてもちろんなくて。
 私は恥ずかしさで目端めはしに涙をにじませた。
「ダメ、修太郎さんっ、そんな、ところ……、汚、いっ……」
 思わず非難めいた声音でそう言えば、私におおいかぶさるようにして下を責めていらした修太郎さんが、耳元でクスクスとお笑いになった。
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