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*キスのその先

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 それを修太郎しゅうたろうさんに見咎みとがめられたように刺激された途端、今まで感じたことのない刺激が身体を突き抜けて、その未知の快感に、私は思わず喉をのけぞらせて反応してしまう。

「ぃ、あンっ」
 同時に、自分のものとは思えない、甘えたような悲鳴が口をついて……私はその声に驚いて一気に恥ずかしくなった。

 余りの痴態に修太郎さんのお顔をまともに見られなくて……顔を横向けたままギュッと下唇を噛む。

(い、今の……何?)
 胸がドキドキと高鳴って、全身がブワッと熱を持ったみたいに火照ほてっている。

 経験したことのない感覚に、思わず身体を震わせると、刹那、下腹部からトロリと生温かいものが流れ出て下着を濡らしたのが分かった。

(……っ!?)


 感じると、女性は「濡れる」ものだということは、短大時代の友人たちから聞いて、知識としては持っていた。
 けれど、今まで自らの身体では、そういうのを体験したことはなかったから……。そんなのは自分とは無縁の、遠い世界のことだと思っていた。

 それなのに――。

(……やだっ、どうしようっ)

 大好きな人にほんの少し胸に触れられただけ。
 たったそれだけのことでこんなになってしまう自分が、とてもみだらではしたない存在に思えた――。

 こんなエッチな女の子だと修太郎さんに知られてしまったらと思うと、恥ずかしさに穴に隠れてしまいたくなる。

 思わずギュッと太腿ふとももを閉じると、修太郎さんに気づかれませんように、と心の底から願った。

✳︎✳︎✳︎

日織ひおりさん、すごく可愛いです……」

 修太郎さんが耳許みみもとで、熱を含んだ声音でそうおっしゃる。

「あ、んっ……」
 その声にさえ身体がビクッと反応してしまって、誘うような声まで口をついて――。

 同時に下の方からクチュッと小さく濡れた音がした気がして……私はその音を修太郎さんに聞かれてしまったのではないかとドキドキしてしまう。

 なるべく足を動かさないようにしないといけない、と思うのに、意思に反して修太郎さんの一挙手いっきょしゅ一投足いっとうそくはおろか、その呼気にさえも全身が敏感に反応してしまって……身体がモジモジと動いてしまう。

「日織さんは見かけによらず、とても敏感でいらっしゃる」
 うっとりしたように修太郎さんがつぶやかれた。
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