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■僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
*キミだけの僕1
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「葵咲……っ」
葵咲ちゃんの耳元に、吐息交じりの声を吹き込む。
このまま葵咲ちゃんの脳まで僕の声が届けばいい。そうして葵咲ちゃんの中を、僕で一杯に満たせたら最高に幸せだ。
そんな風に思いながら。
「ひゃっ、……あっ」
葵咲ちゃんが、僕の呼びかけにビクッと身体を震わせると、小さく声をこぼした。
「葵咲、ここはラブホじゃないから余り大きな声を出すと隣に聞こえちゃうから気をつけて? 僕もキミの可愛い声を他人に聞かせるのはごめんだからね」
角部屋で、唯一接している隣室も、今日は空きなのを知っているくせに、意地悪をしてそんなことを言ってみる。
僕の言葉に、葵咲ちゃんが瞳を見開いて一瞬泣きそうな顔をしてから、慌てたように口許を手で覆った。
その恥らう様が可愛くて、僕はついつい彼女を苛めたくなってしまうんだ。
実際には、葵咲ちゃんがそういうのを考えられなくなるぐらい、僕に溺れてくれればいいと思っている。
葵咲ちゃんの声があまりにも高くなって、廊下にまで漏れ聞こえてしまいそうでまずいと思ったら、僕は彼女の唇をキスで塞くつもりだ。
「でも……ごめんね? やめるのは無理だから……葵咲、頑張れ」
意地悪く言うと、葵咲ちゃんが「理人の……意地悪っ」と拗ねたようにつぶやく。
僕は葵咲ちゃんのそういうところが本当に可愛くてたまらないんだ。
だったらやめて、って言わないところ。
だからと言って、自分からはもっともっと乱れさせて欲しいとも言わないところ。
素直なんだか素直じゃないんだか分からないこの微妙な感じが、例えようもないほどに愛しい。
僕は葵咲ちゃんのカーディガンをそっと二の腕から引き抜くと、ワンピースの前開きボタンに手を伸ばす。
ひとつひとつボタンを外していくごとに、葵咲ちゃんの白く滑らかな肌が少しずつ露わになっていく。
そのことに、僕はこの上なくそそられた。
お酒でいつもよりほんのり赤みがさして見えるたわわなふくらみの始まりに、僕は吸い寄せられるように顔を寄せる。
葵咲ちゃんの肌に近づくと、ほのかに甘い体臭が鼻先にふわりと漂ってきて、彼女の皮膚の上から体温と一緒にその色香が立ち上ってくる様で――。
下着のレースが葵咲ちゃんの豊かな乳房を覆い隠している様が、何度見てもとてもエロティックで煽られる。
「葵咲、すごく綺麗……」
離れていたのはたった一晩。
でも、僕にとっては永遠みたいに感じられる長い一夜だった。
今日ここに来ることを許されて本当に良かった、と思う。でないと再会したとき、僕は葵咲ちゃんを壊していたかもしれない。
どうしようもない独占欲に突き動かされるように、僕は葵咲ちゃんのブラの際にチュッと吸い付いて、1つ目のキスマークを残した。
僕の、僕だけの葵咲ちゃん……。
そういう意味合いを込めた、所有印。
声を気にしてずっと口に手を当てたままの彼女の手首をそっと取ると、僕はそのまま自らの胸元に触れさせた。
「葵咲、僕がすごくドキドキしてるの、分かるよね?」
わざと葵咲ちゃんを挑むように見つめながら、彼女の手を僕の肌の上をゆっくりと滑らせるように這わせる。
「ねぇ葵咲、僕にもキミの印、つけて?」
キミだけの僕だと刻み込んでよ。
「ここに――」
彼女の小さな手を、葵咲ちゃんにつけたキスマークと同じ辺りで止めると「ね? お願い」と畳み掛けてじっと見つめる。
葵咲ちゃんが僕の視線に押されるように、ゆっくりと半身を起こして、おずおずと僕の胸元へ唇を寄せる。
その様を見下ろすだけで、僕はたまらなくゾクゾクするんだ。
葵咲ちゃんの耳元に、吐息交じりの声を吹き込む。
このまま葵咲ちゃんの脳まで僕の声が届けばいい。そうして葵咲ちゃんの中を、僕で一杯に満たせたら最高に幸せだ。
そんな風に思いながら。
「ひゃっ、……あっ」
葵咲ちゃんが、僕の呼びかけにビクッと身体を震わせると、小さく声をこぼした。
「葵咲、ここはラブホじゃないから余り大きな声を出すと隣に聞こえちゃうから気をつけて? 僕もキミの可愛い声を他人に聞かせるのはごめんだからね」
角部屋で、唯一接している隣室も、今日は空きなのを知っているくせに、意地悪をしてそんなことを言ってみる。
僕の言葉に、葵咲ちゃんが瞳を見開いて一瞬泣きそうな顔をしてから、慌てたように口許を手で覆った。
その恥らう様が可愛くて、僕はついつい彼女を苛めたくなってしまうんだ。
実際には、葵咲ちゃんがそういうのを考えられなくなるぐらい、僕に溺れてくれればいいと思っている。
葵咲ちゃんの声があまりにも高くなって、廊下にまで漏れ聞こえてしまいそうでまずいと思ったら、僕は彼女の唇をキスで塞くつもりだ。
「でも……ごめんね? やめるのは無理だから……葵咲、頑張れ」
意地悪く言うと、葵咲ちゃんが「理人の……意地悪っ」と拗ねたようにつぶやく。
僕は葵咲ちゃんのそういうところが本当に可愛くてたまらないんだ。
だったらやめて、って言わないところ。
だからと言って、自分からはもっともっと乱れさせて欲しいとも言わないところ。
素直なんだか素直じゃないんだか分からないこの微妙な感じが、例えようもないほどに愛しい。
僕は葵咲ちゃんのカーディガンをそっと二の腕から引き抜くと、ワンピースの前開きボタンに手を伸ばす。
ひとつひとつボタンを外していくごとに、葵咲ちゃんの白く滑らかな肌が少しずつ露わになっていく。
そのことに、僕はこの上なくそそられた。
お酒でいつもよりほんのり赤みがさして見えるたわわなふくらみの始まりに、僕は吸い寄せられるように顔を寄せる。
葵咲ちゃんの肌に近づくと、ほのかに甘い体臭が鼻先にふわりと漂ってきて、彼女の皮膚の上から体温と一緒にその色香が立ち上ってくる様で――。
下着のレースが葵咲ちゃんの豊かな乳房を覆い隠している様が、何度見てもとてもエロティックで煽られる。
「葵咲、すごく綺麗……」
離れていたのはたった一晩。
でも、僕にとっては永遠みたいに感じられる長い一夜だった。
今日ここに来ることを許されて本当に良かった、と思う。でないと再会したとき、僕は葵咲ちゃんを壊していたかもしれない。
どうしようもない独占欲に突き動かされるように、僕は葵咲ちゃんのブラの際にチュッと吸い付いて、1つ目のキスマークを残した。
僕の、僕だけの葵咲ちゃん……。
そういう意味合いを込めた、所有印。
声を気にしてずっと口に手を当てたままの彼女の手首をそっと取ると、僕はそのまま自らの胸元に触れさせた。
「葵咲、僕がすごくドキドキしてるの、分かるよね?」
わざと葵咲ちゃんを挑むように見つめながら、彼女の手を僕の肌の上をゆっくりと滑らせるように這わせる。
「ねぇ葵咲、僕にもキミの印、つけて?」
キミだけの僕だと刻み込んでよ。
「ここに――」
彼女の小さな手を、葵咲ちゃんにつけたキスマークと同じ辺りで止めると「ね? お願い」と畳み掛けてじっと見つめる。
葵咲ちゃんが僕の視線に押されるように、ゆっくりと半身を起こして、おずおずと僕の胸元へ唇を寄せる。
その様を見下ろすだけで、僕はたまらなくゾクゾクするんだ。
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